皇位継承問題 その1
「そうですか、姉上様はそのような状態で捕らえられていたのですか。」
デュディアーヌは、マリーローズを発見した時の怪我と病の状態、
治療にあたる研究所所長の今後の回復見込みに対する見解
その当時のアレクサンドラを取り巻く環境、
それらをすべて吟味して、マリーローズを救出した事実を当面は隠すことに
側近全員で決めたことを説明した。
すべて真実をありのままに伝えたが、捕虜から聴取した、
マリーローズに対する屈辱的な事実に関しては除いている。
なお、捕虜については口封じの意味も含めて、すでに全員処刑している。
「わかりました。私が未熟なために余計な気を使わせてしまい、ごめんなさいね。
でも、もう会話ができるのであればお会いしても大丈夫よね?」
アレクサンドラは側近たちの心遣いに感謝しつつ、姉に会えることを純粋に喜んでいる。
「はい、殿下。しかしながら、未だベッドからは起き上がれず、
全身を包帯で保護している状態のようです。
極短時間であれば会話はできるようですが、それでもお会いいたしますか?
グーテンベルグ少将からの報告では、日常生活を送れるようになるまでには、
最低でもあと3ヶ月はかかる見込みだとのことです。」
「もちろん、お会いいたします。」
アレクサンドラは続いて言う。
「先程、話のあった、皇位継承についても、姉上様がご存命なのであれば、
皇位継承権は姉上様のものです。
みなも姉上様が回復するのを待って、即位を執り行うように準備してください。」
「・・・・・・・・。」
側近たちは顔を見合わせ黙りこくる。レオンハルトさえ困ったように目を伏せた。
「?。」
アレクサンドラは側近たちのいつになく煮え切らない様子を訝しんだが、
とにかく今は姉に会うことが先決だと気を取り直し、レオンハルトに言った。
「早急に、姉上様にお会いする段取りを取ってください。大至急です。」




