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ブランドリア戦記  作者: 夏見静
アレクサンドラ救国篇
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プロローグ2

皇国中部にある皇都。その東外壁に隣接した、皇都守護師団本部の地階にある作戦会議室に、

師団の幹部将校5名が集まっていた。例の案件の確認である。


「では、各フェーズ概略の最終確認を行う。」

守護師団師団長ノイマン提督が口を開いた。

提督は、軍歴60年を超える、軍閥の長老である。矍鑠として眼光鋭く、長身に白髪、顎鬚をたくわえ

腹に響くような重厚な声だ。


「フェーズ1として、守護師団単独で皇城を制圧、同時に市中、各外門、地下水路取水口に兵を配置し封鎖、

速やかに皇族、貴族、官僚を残さず捕縛、粛清し、反抗の余地を潰しこむ。」


「フェーズ2で、皇都制圧成功と同時に、各機甲師団は直轄領に向け進軍開始。同時に各諸侯に対し、

特使を派遣し和平交渉に入る。」


「交渉に失敗した場合の機甲師団派兵のケーススタディは完了しているが、まず実行に移すことは

ないだろう。各自治領のメリットが最大になるよう、交渉条件を設定している。」


「第一、第三、第四機甲師団の師団長の血判は取得済みだ。第二機甲師団長は裏切る可能性を考慮し

フェーズ2に入った段階で我々に合流するように交渉する。従わない場合のケーススタディも完了

している。これも実行される可能性はほぼ0だ。」



「各諸侯交渉成功後のフェーズ3プランAもしくは失敗後のプランBで、ダランを含めた皇都の直轄領で

、軍部主導の新国家設立を宣言する」


ダランは皇都に最も近い工業都市で経済自治都市である。ここで兵器製造を担っているために、

支配下に置くことは必須であった。


「ブルームエールに駐留中の第五機甲師団は、開発部の新兵器実験部隊で規模が小さい。

南部直轄領制圧担当の第四機甲師団で奇襲し、投降しない場合は殲滅する。」


「現在、内乱に乗じる可能性のある周辺国はトランのみであるが、トランも東に外患を抱えており

当面の動きはないと分析している。」


「また。トランと隣接するハイエス候領は、近年軍備拡張を進めており、トランの侵攻があったとしても

充分対応が可能である。」


「決起は1週間後の8月9日未明とする。各担当は準備状況を再確認しておくように。」


「承知いたしました。」将校たちは、各部署に戻っていった。


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