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ブランドリア戦記  作者: 夏見静
アレクサンドラ救国篇
1/82

プロローグ1

ブランドリア皇国は、エウロット州の中央から南部一帯を支配する大国である。


東南には隣接するトラン、南は中海を挟んで主に異人種の住むエトリカ大陸、

西は大海があり、その先は未開拓の地となっている。大きな大陸があるというが、

皇国でその海を渡り、確かめたものはいない。


北東から東は小国家郡が点在しているが、極寒冷地で土地も痩せていてメリットがないため、

皇国の支配下には置かれず、友好国として独立を保っている。


皇都を囲むように6つの皇帝直轄領と、それを囲むように、大貴族の領主による

5つの統治領で構成され、

西の大海に面した大きな島と南西のエウロット州最大の半島は、皇国の実質支配地ではあるが

数多の豪族が群雄割拠し、小さな小競り合いを繰り返す未統制の地となっている。



皇国はその名の通り、ブランドリア家が代々継承し、建国から522年。

現在は53代目のカールマルクス3世が皇帝として統治している。


隣接する東南の異民族国家トランとも、ここ120年は国境付近の小競り合いのみで、

国内は平和であった。

だだ、それは大きな戦がないという点だけであり、官僚腐敗により内政の質は崩壊しており、

官僚と軍閥の対立、広大な国土ゆえの統治の緩みによる代官の悪政などで、

国としての屋台骨は深く病に侵食されていた。


カールマルクス3世には、皇太子と皇女2人がおり、みな美しかったが、

第一皇女マリーローズは、成人前ではあったが、月の雫を集めて神が造形したと言われる絶世の美姫であった。

以前、ノルト法王サンタ・クルス1世と謁見した際は、彼女を見て、「まさにエウロットの宝玉よ」

と愛でたと言われている。

皇帝は、その第一皇女を溺愛した。この世界の上級社会では、成人と同時に婚約し、

2、3年で婚姻するのが常であるが、第一皇女はもうすぐ成人するというのに、未だに婚約者候補もいなかった。

これはひとえに皇帝のわがままで、政略結婚はまだ幼い3歳下の第二皇女にまかせ、

第一皇女は、一生手元に置くと公言して憚らない。

そのように、皇城内は、いや皇族には、いたって呑気で平和な日常が続いていた。その日までは。。


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