5 パンク修理 原因
5 パンク修理 原因
5-1
では、パンクの原因を羅列します。
先ずは踏んづけパンクから。
踏んづけパンクは、どういうルートを走るかに大きく左右されます。
ゴミ捨て場近くは要注意。それは車道側でも同じです。
後は距離あたりの確率となりますが、運次第とも言えます。
ワタクシはその点、運が絶薄ですので……。
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ガラス小
圧倒的に多いです。
耐パンクタイヤが対策としては有効です。
一ミリ以下の傷なら、パッチ修理可能です。
単なる鋭利な切れ目か、頂点が三つある切れ目となっています。
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ガラス中
一ミリ以上二ミリ以下。
かつ、横方向に切れている場合はパッチ修理可能。
縦方向に切れている場合は、パッチを貼ってもその下でどんどん裂けて行きます。
ですので、チューブ交換推奨です。
チューブは縦方向の切れ目に非常に弱いと覚えておいてください。
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ガラス大
それ以上の大きさの傷。
チューブは無論交換で、タイヤの交換が必要かどうか検討しなくてはいけません。
タイヤの内側からタイヤの傷を確認して、三ミリ以上の傷を認めたら、タイヤ交換してください。
まず内圧に耐えられませんし、その傷を通して、路面との摩擦熱がチューブに伝わって溶けます。
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タイヤの損傷が三ミリ程度の傷で、交換かどうかギリギリ判断に迷う場合。
チューブの切れ端を二センチ四方程度に切り、面取りしたものを用意します。
(チューブに当たる側の四方の端を切る。なるべくチューブに滑らかに当たるようにしたいのです)
そして、両面テープを使い、タイヤの傷に内側から当てて接着します。
700Cの28より細いタイヤだと、この裏技も効きませんので、あきらめてください。
高圧だからです。
ワタクシも交換直後のタイヤでデカいのを踏んづけて、泣く泣く交換したことが有ります。
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金属片(針金)
ガラスに似た穴から、ポツンと丸い穴まで。
当然ですが金属片の形状によって穴の形が変わってきます。
すっぱり切れていれば、やはり交換推奨です。
穴が多数空いていることもあります。
自転車を転がして、その一回転毎に刺さったままの原因がチューブをブスブスさして行くのです。
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画鋲
これも、多いです。恐らく、掲示板などから落ちたか、いたずらかですね。
がっつり刺さっているだけなら、穴の開いた場所とその裏側にパッチを貼ればOKです。
例え空気漏れがなくとも裏にも貼るのは、その裏側の内部に、画鋲の針の先端で傷を生じせしめているケースがあるからです。
体重を乗せると、そこから空気が漏れだすのです。何度も見た事が有ります。
そして、やはり刺さったまま転がすと、穴が無数に増えていきます。その場合はやはりチューブ交換となります。
刺さったまま持ち込まれたなら、おおむね半分はチューブ交換となるでしょう。
穴はきれいな丸となります。
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ホチキスの針
これも多いです。
普通の小さい針と、建材用の大きな針。
穴の形は四角いのですぐわかります。
穴が複数なければ、パッチ修理で問題ありません。
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レアなケース
とがった石
プラスチック
楊枝
バネ
バラの棘
釘やねじ(タイヤの側面を傷つけていて、即タイヤ交換になる事多し)
5-2 では次に、空気圧不足系のパンク原因です。
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リム打ちパンク
スネークバイトとも言います。
傷跡が上下二か所(リム側と地面側)に、蛇に噛まれたかの様に発生するからです。
穴を中心に、前後に『×××』の様な印が有れば、確定です。
また、空気が漏れていなくても、上下のいずれかに同様の傷がある場合、反対側にも『×××』の印があるでしょう。
パッチを貼る時には、こちら側も塞がないといけません。
チューブの内側に傷が入っており、塞いでおかないとその内空気が漏れだすからです。
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リム打ちパンクの原因は、主に以下の通りです。
「スピード出ている状態で段差にヒット」
(『スピード出ている』とは、時速15km以上を指します。歩道なら十分速過ぎです)
「二人乗りしていて段差にヒット」
「空気が足りない状態で段差にヒット」
「空気が入っていない状態で走行」
稀なケースもあります。(筆者経験済み)
「石ころを踏んでリム打ち」
「側溝の隙間に突っ込んでリム打ち」
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軽いリム打ちならばパッチ修理で対処できますが、やはり空気漏れ穴が一ミリ以上有ればチューブ交換をしてください。
『×××』の部分は、チューブの内側に切断傷がついているので、そのうち破れる可能性が非常に高いのです。
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更に、700Cのタイヤだったり、チューブに三ミリ以上の大きなリム打ち傷がある場合には、タイヤのチェックも欠かせません。
タイヤごと切れている可能性が高いのです。
勿論、その場合にはタイヤも交換です。
側面のビード付近の切れ目は見落としやすいので注意してください。
前述(3-2-9)したように、リム打ちが『結果』であることもあります。
ガラスによるパンクで空気が漏れ、段差にぶつかってリム打ちをした、と言う様なケースです。
必ず「どこにどう穴が開いているか」のチェックをしましょう。
「ああ、これリム打ちじゃん。交換交換」と言って、タイヤに何も刺さっていないかどうかのチェックを怠ると、やらかす事が有ります。
5-2-5
単純に普段の空気圧不足。
タイヤを外すと、ボロボロとタイヤ内面とチューブの削れカスが出てくる事が有ります。
その場合、高確率でチューブ・タイヤ交換となります。
5-2-6
初めに、タイヤの内側を見ます。
外側が無事そうでも、内側に段差が生じるほどの亀裂が入っている場合、軽微でもタイヤ交換です。
チューブだけ替えても必ずそこから穴が開きます。
ブリヂストンのタイヤは、ここが非常に強くできています。
5-2-7
タイヤを見終わったら、まず、チューブのバルブ根元を見ます。
ゴムへの挿入部に隙間を生じていたら、ほぼダメです。
バルブ周辺の削れが大きければ、やはりダメ。
ボロボロでかつ「折り畳み現象(3-2-5)」が発生していたらダメ。
折り畳み現象が発生した上で、ボロボロではなく、穴が丸型である場合のみ、パッチ修理可能です。
折りたたまれた部分に切れ目状の穴がある場合、ちょっと引っ張ってみましょう。簡単にピリッと裂けるようなら当然アウト。
チューブ全面に削れカスが付着するほどの損傷なら、例えその時には小さい穴が一つだけでも、全面が『穴候補』と化していますので、チューブ交換です。
5-2-8
チューブには「製造上の接着部」があります。
普通チューブは、初めから丸く出来ているのではなく、一本のチューブを丸くつなげているのです。
つまりあのバルブ口から15cm程横にある、格子状のギザギザがついている場所です。
あの周辺にできる穴も要注意です。
ここが好発部位で他の場所にもできる症状なのですが、空気が漏れる穴の前後の内側が、異様に薄くなっている事が有ります。
『----穴----』こんな感じです。
指でチューブを捏ねてみると段差が有り、異常を感じられるはずです。
これも、----の部分はもう既に「穴」だと思ってあきらめてください。
ガラスによる大穴や、大きなリム打ちで生じた穴と同じように、パッチを貼っても必ず破綻します。
「パンクの原因」続きます。