第二十一話 お見合いパーティ
エンリーカ、エレオノラ、リディア、エミリアを連れて、リアネ城の玄関へと転移してきた。
「本当に一瞬で着くのですね、驚きました」
「ここがエルレイのお城でしょうか」
「すごーい」
「お城綺麗」
「ここがリアネ城、今日から皆に住んでもらう場所だ、中を案内するよ」
「「「「はい」」」」
「リゼ、すまないがルリア達を部屋に連れて来て貰えないか?」
「承知しました」
四人を連れて執務室へとやって来た。
「アドルフ、こちらがキュロクバーラ王国から頂いた婚約者で、エンリーカ、エレオノラ、リディア、エミリアだ」
アドルフは俺が四人連れて来たのにも驚かず冷静に四人に挨拶をしていた。
「私はエルレイ様の家宰でアドルフと申します、エンリーカ様、エレオノラ様、リディア様、エミリア様、御用の際は遠慮なくお申し付けください」
「アドルフよろしく」
「よろしくです」
「よろしくー」
「よろしく」
「アドルフ、また後で顔を出す」
「はい、行ってらしゃいませ」
執務室を出て部屋に向かう。
「今から家族を紹介する、仲良くしてくれると助かる」
「それは相手次第ですわ」
「頑張ります」
「勝負して勝てばいいんだよー」
「私が勝つ」
四人とも喧嘩をしに行くような感じだがやめてもらいたい・・・。
「喧嘩はしないでくれ、間違いなくエンリーカ達が負けるからな・・・」
これは本心だ、全員無詠唱で魔法が使え、一番弱いと思われるラウラでさえ、すでに宮廷魔法使いを軽く超えているからな。
「それは楽しみですわね」
「実力がすべてです」
「楽しみー」
「勝ちます」
しまった逆に焚きつけてしまったか・・・まぁルリア達が相手をしない事を祈ろう。
部屋の扉を開け中に入ると、リゼが集めてくれたようで全員そろっていた。
「取りあえずソファーに座って、ロゼ、お茶の用意をしてくれ」
俺は昨日陛下から頂いたお菓子をロゼに預け、ロゼ、リゼ、ラウラの手によってお茶とお菓子が用意された。
「新しく俺の許嫁となった四人を紹介しよう、キュロクバーラ王国の王女でエンリーカ、エレオノラ、リディア、エミリアだ、皆よろしく頼む」
「エンリーカです、よろしくお願いしますわ」
「エレオノラです、よろしくお願いします」
「リディア、よろしくねー」
「エミリアです、よろしく」
四人が挨拶をすると拍手が起こり歓迎してくれた様で一安心だな。
「こちらからルリア、リリー、ヘルミーネ、アルティナ、ロレーナ、リゼ、ロゼ、ラウラだ」
「ルリアよ、よろしくね」
「リリーです、よろしくお願いします」
「ヘルミーネだ、よろっしく」
「アルティナです、よろしくね」
「ロレーナじゃ、よろしくなのじゃ」
「リゼです、よろしくお願い致します」
「ロゼです、よろしくお願い致します」
「ラウラです、よろしくお願い致します」
一通り挨拶を終えるとルリアから声が上がった。
「エルレイ、説明してくれるかしら?」
やはり素直に受け入れてはくれないのだろうか・・・。
「簡単に話せば、今回の戦争に参加した褒美に頂いてきた、これは陛下からキュロクバーラ王への要請で断る事は出来着なかったんだよ」
「それは何となくわかるわよ、何で四人なのかと聞いているのよ」
そうですよねぇ、俺もどうして四人になったのか分からない・・・俺が困っているとエンリーカが答えてくれた。
「それは私が話しますわ、エルレイにはキュロクバーラ王国を大いに助けて頂きました、その事で王がエルレイに褒美として私達の一人を授けようとしたのですが、それをエルレイが私達四姉妹が離れ離れになるのは不憫だと、全員受け入れてくださいましたわ」
話が少し違う様な気がするが、概ねあっているか?
「そう、エルレイが望んで四人連れて来たという事ね」
ルリアの冷たい視線が突き刺さる。
「仲のいい姉妹だったから、一人を選べなかったんだよ・・・」
「はぁ、分かったわ」
「エルレイさんらしいです」
「しょうがないわね」
「うむ、エルらしいぞ」
「家族は多い方が楽しいのじゃ」
どうやら納得してくれた様で助かった。
「後ソル、ウィル」
「「呼ばれたワン」」
「はい、ご主人様」
俺の呼び出しでソルとウィルは姿を現してくれた。
「ロレーナの精霊で名前はソル、こっちは俺の精霊で名前はウィル、可愛がってくれると助かる」
四人は精霊が出て来た事にとても驚いていた。
「精霊ですって、初めて見ましたわ」
「可愛いです」
「すごーい、これ触ってもいいー?」
「おいで」
「優しく触ってあげてくれ」
ソルとウィルは四人の所に行き撫でて貰っていた、グールも紹介しておかないとうるさいよな・・・。
俺は懐よりグールを取り出しテーブルに置いた。
「最後に俺が持っている魔剣で名前はグール」
「おっ、今回は俺様の事を忘れなかったよーだな、俺様の名前はグール!すべてを食らいつくす者だ!お嬢ちゃんたち、よろしくな!」
魔剣が突然話し出した事で、精霊の時より驚いている様だった。
「魔剣が話しましたわ!」
「魔剣とは話す物だったのですね」
「魔剣がしゃべったー」
「グール、よろしく」
「魔剣で話すのはグールだけだから、他の魔剣とは別物だ」
「俺様特別だからな!」
何となく皆と打ち解けた様でお菓子を食べながら話を始めていた。
「ロゼ、四人のベッドを何処に置こうか・・・」
いくら広いとはいえ今既に九個のベッドが並べてある、さらに四個横には置けない。
「そうですね、少し狭くなりますが、こちらに置くしか無いと思われます」
ロゼが示した場所は今ベッドが置かれている場所の反対側だ。
「仕方が無い、取り合えずそこに置くしかないな、後で部屋を大きくするか考えよう」
「はい」
アベルティア様の所に設置した天蓋付きのベッドがまだ残っていたので、それを四個並べて置き、荷物もそこに取り出して置いた。
ロゼが連絡したのか、エレン、アンナ、マリーがやって来てベッドメイキングを始めていた。
俺はソファーへと戻り四人に説明をする。
「エンリーカ、皆この部屋で一緒に生活していて、ベッドは今設置したのを使ってくれ」
「分かりましたわ、もしかしてエルレイも一緒なのでしょうか?」
「そうだが、不味いだろうか?」
「いえ、夫婦になるのですから当然ですわね」
「エレオノラ、リディア、エミリアも大丈夫だろうか?」
「問題無いです」
「大丈夫ー」
「エルレイと一緒で嬉しい」
「何か必要な物があったら、ロゼかラウラに言ってくれ」
「分かったわ」
「分かりました」
「はーい」
「分かった」
リディアは早速他の皆と仲良くなったようで話が盛り上がっていた、それに釣られるように他の三人も会話に参加し和やかな雰囲気になっており安心した。
昼食後皆を連れて訓練場へとやって来た、四人は訓練と聞いて張り切っている様だ。
「今日から皆にも魔法の訓練を行って貰う」
「私達魔法は使えませんわよ」
四人とも不思議そうな表情で俺を見ていた。
「全員魔法が使える様になるので安心してくれ」
「本当に魔法が使える様になるのかしら?」
「魔法使いたいです」
「私も魔法が使えるのー?」
「魔法覚えたい」
皆半信半疑の様子だ。
「そこで魔法を覚える際守って欲しい事がある、まず一つ目、魔法は危険な物だからこの訓練場でしか使わない様にしてくれ、二つ目、この事は誰にも話さない様にしてくれ、キュロクバーラ王にもだ、これが守れるようだったら魔法を教えよう」
「分かったわ、あのファイヤーボールに関する事なのでしょう?」
「そうだ、グリフォンと同じで秘密にしなければならない事だ」
「話さないと約束するわ」
他の三人も頷いているから大丈夫の様だな。
「四人に魔法を教えてくれるのは、リリーにやって貰うからよろしく頼む」
「あら、エルレイが教えてくれるのではないのね?」
「今日は教えるが、いつもいる訳では無いからな」
「そうですわね、リリーさん、よろしくお願いします」
「はい、皆さんよろしくお願いします」
リリーとリゼ、ロゼに手伝って貰い四人全員魔法が使え気を失ってしまった。
やがて一番最初に魔法を使ったエンリーカが目を覚ました。
「私は魔法が使えたのかしら?」
「問題無く使えたよ」
「そうですか、嬉しい物ですわね」
エンリーカは微笑み喜んでいた、他の三人も次々と目を覚ました、三人はエンリーカが魔法を使うのを見ていたため、目を覚ました後姉妹で喜び合っていた。
「今日の魔法の訓練はこれまでだ、これから毎日これを続けて魔力を増やして行ってもらう」
「分かったわ、次は何をするのかしら?」
「そうだな、剣術の腕前を見せてもらおうか」
「分かりましたわ」
「頑張ります」
「全員倒しちゃうぞー」
「負けない」
「リディア、残念ながら剣術を使えるのは俺とルリアだけなんだ」
「ええぇー」
「と言う事でルリアと戦って貰おう」
ルリアは魔法の訓練を離れた所でやっているからこっちに来て貰おう。
『ルリアこっちに来て剣の相手をしてやってくれないか?』
『分かったわ、でもエルレイがやった方が良いんじゃない?』
『キュロクバーラ王国は実力主義でね、俺の実力は見せたから、ルリアの実力を四人に示して貰いたいんだ』
『そう言う事ならやるわ』
『でも手加減してやってくれよ』
『分かっているわよ』
ルリアがやって来て一人ずつ相手をしてくれた、結果はルリアの全勝だ、武闘大会でルリアの実力を見せて貰ったがすでに俺はルリアには勝てない、頑張って訓練はしているが毎日休まず訓練しているルリアとの差が離れすぎてしまった。
「ルリア強いですわ」
「勝てませんでした」
「負けたー」
「ルリア強い」
「毎日訓練すれば強くなれるわよ」
「と言う事で剣の訓練はルリアに付き合って貰うといい」
「分かりました、ルリア、よろしくお願いしますね」
「ルリア、よろしくお願いします」
「ルリア、よろしくー、楽しくなってきたー」
「ルリア、よろしく」
「ルリア、後は頼んだ」
「分かったわ」
さて俺は部屋を広くしないといけないな。
「ロゼ、部屋を広くしたいから付き合ってくれ」
「承知しました」
ロゼを連れて城内へと戻る、アドルフにも許可を貰っておいた方が良いな、先に執務室へとやって来た。
「アドルフ、部屋が手狭になって来たので広げたいのだが構わないだろうか?」
「はい、構いません、業者を手配した方がよろしいでしょうか?」
「そうだな、隣の部屋との壁は俺が取り払うから、その後の仕上げを頼みたいな」
「承知しました、数日中には来て貰えるよう手配いたします」
「よろしく頼む」
「エルレイ様、先程ロイジェルク様よりご連絡があり、パーティは一週間後に開くとの事でした」
そう言えば戦争が終わったら開催すると言っていたな、パーティの目的はマデラン兄さんとヴァルト兄さんの妻を探す事だから俺には関係無いが、一応パーティには顔を出さないといけない。
他の貴族にロイジェルク様と俺が友好な関係だと言うのを示しておかないと、俺に反乱の兆しが?とあらぬ噂が囁かれる事になりかねないらしい。
パーティは貴族の情報交換の場でもある様だし、仕方が無いと言えばそのとうりなのだが・・・。
こちらとしてはまだ難民問題も完全に終わって無いと言うのに面倒くさい事だ。
そうだ、難民問題に取り組んで貰っているアヒムも連れて行っては褒美の代わりにならないだろうか?
「分かった、所で参加する人数を増やしても構わないのだろうか?」
「と言いますと?」
「今回と言うか今後もだな、アヒム男爵には苦労を掛けるだろうから、褒美の代わりと言っては何だがパーティに連れて行ってはどうかと思ったのだが?」
「そうですね、アヒム男爵を参加させるのは問題無いでしょう、ただそれを望むかは別だと思われます」
「そうだな、父上も母上のみだったしな、強制するつもりは無い」
「それならば息抜きにもなりますし喜ばれるでしょう、連絡しておきます」
「よろしく頼む」
執務室を出て部屋に戻って来た。
隣の部屋は使われていないから壁をぶち抜けば繋がるはずだ、取り合えず壁にかかっている装飾を取り外す。
「ロゼ、壁を壊すのだがどうすればいいだろう?」
「私では難しいでしょう」
ロゼは風属性とと地属性だから壊せないことは無いが、周りにも被害が及ぶだろう。
「グール、壁を切れないか?」
「マスター、俺様剣だぜ、いくら何でも無理ってもんだ!」
「そうだよな」
となるとやはり水か・・・。
「ロゼ、一度訓練場まで戻ろう、試してみないと他の場所を傷付けそうだ」
「承知しました」
ロゼを連れ訓練場に転移で戻って来た。
誰もいない場所にストーンウォールを出す。
「ロゼ、障壁を張って、後ろに誰も来ない様に見張っていてくれないか?」
「はい」
水を高圧で撃ち出せば穴が開くはずだ。
「では始める」
水を大量に呼び出し、それを圧縮して針のような細かい穴から出すようにイメージして撃ち出す。
圧力が足りなかった様で、ストーンウォールに穴が開くことは無かった。
徐々に圧力を加えて行き、ようやく穴を開ける事が出来た。
「よし、やり方は分かった」
「エルレイ様、穴が開いただけの様ですが?」
ロゼがストーンウォールに開いた穴を見て首を傾げていた、ロゼの疑問も当然だな、これからやる作業は壁を取り除く事であって穴を開ける事では無いのだから。
「多少時間は掛かるが穴を繋げて行けば線になるんだよ、これだと周りに被害は及ばないからな」
「分かりました」
再びロゼを連れて部屋に転移してきた。
「ロゼ、すまないが隣部屋にいて、風で水を窓から外に捨ててくれないか?」
「承知しました、少々お待ちください」
ロゼが隣部屋に行く間こちらも窓を開けて、そこから弾け飛んだ水を出すようにしておこう、部屋が水浸しで皆から怒られてくないからな・・・。
『エルレイ様、準備が整いました』
『では窓際の壁側の上からから始める』
『はい』
飛行魔法で浮き上がり、上から下へ徐々に水を打ち出す場所を下げて行き、壁に穴を開けて行った、下まで辿り着くと壁に一本の線が出来上がっていた。
『このまま下を真横に進む』
『はい』
こうして一周回り四角く壁が切り取る事が出来た、それを収納に入れて回収すると、ロゼがいる隣部屋とつながった。
「エルレイ様お見事です、しかし水でこの様な事が出来るのですね」
「水に圧力をかけ撃ち出す事でこの様な事が出来るが、あくまで物に対してだけだな」
「そうなのですか?敵にも穴を打てるのではないでしょうか?」
「問題は距離なんだよ、離れると水は広がってしまって効果が薄くなる、窓から撃ち出してみるぞ」
ロゼに分かる様に窓から外に向けて水を撃ちだす。
「なるほど、確かに遠くに行くほど広がっていますね」
「遠くにいる敵には氷にして飛ばすのが効果的だな」
「その様ですね」
「濡れた所を拭くので、布を持って来てくれないか?」
「承知しました」
ロゼは布を取りに行ってくれた、出来るだけ濡れないようにしたつもりだが完全にとは行かなかった。
柱が大きいので天井が落ちてくることは無いと思うが、一応補強しておこう。
壁の補強を終えると、ロゼはメイドを数名連れてやって来た。
「エルレイ様、お待たせしました」
「ロゼお帰り、俺にも布を貸してくれ」
「いえ、これはメイドの仕事ですのでお構いなく」
そう言ってロゼとメイドたちは手際よく掃除を始めてしまった。
これは俺が手出しするとかえって邪魔になってしまうな。
「ロゼ、執務室に行っている」
「承知しました」
部屋を出て執務室へ向かう、執務室の中は皆いつも通り忙しそうにしていた。
俺は席に座り難民の事を尋ねる事にした。
「アドルフ、アヒム男爵領の状況を教えて貰えるか?」
「はい、エルレイ様がキュロクバーラ王国へ発たれた後、難民がさらに二千人ほどやって来ました、それに関してはルリア様達が赴き解決なされております。
今日のトリステンからの報告ではそれ以降の難民はいないとの事でした、戦争も終わった事ですしこれ以上増えないと思いますので、明日には警備隊を引き上げさせようかと思います」
「分かった、それでは明日俺が迎えに行くとしよう」
「よろしくお願いします」
やはり難民は増えていたか、キュロクバーラ王国軍が街を占拠していたからな、行き場のない人達は逃げるしか無かった訳だ。
それと出かける前に休みが無い事が分かったからな、それをどうにかしないといけない。
「アドルフ、一週間に一度、使用人及び警備隊に交代で一日休める日を作る事は可能だろうか?」
「一日休みをですか?」
アドルフは怪訝そうな表情を見せていた、今まで休むと言う習慣が無い様だから、アドルフにしてみれば不思議な事なのだろう。
「そうだ、丸一日仕事をしない日を作る、全員纏めては無理だから交代で休むわけだ」
「それに何か意味があるのでしょうか?」
「あるぞ、休みの日に自分のやりたい事が出来る、買い物に出掛けたり、遊びに出掛けたり、勿論何もせず寝て過ごしても良い訳だ」
「分かりました、では試しにやって見る事に致します、ただし、仕事に支障が出る様でしたら即座に中止いたします」
「まぁ仕方ないか、警備隊の方は武闘大会の為に人数増やしたから大丈夫だろう」
「そうですね、そちらはトリステンに任せます」
「分かった、それと城の使用人は大変かもしれないが、夫婦で休めるようにしてくれ」
「夫婦ででしょうか?」
「そうだ、一人で休んでも楽しく無いだろうからな」
「分かりました、少々段取りに時間が掛りますので、来週あたりから試してみたいと思います」
「すまないが頼む」
「いえ、エルレイ様が私達の事を思っての事でしょうから、それでエルレイ様のお休みはいつに致しましょう?」
「俺に休みは要らないぞ、毎日休んでいる様な物だからな」
「それでは他の者が休む事が出来ません」
「確かにそうかも知れないが、俺が休んだとしても訓練しているだけだぞ・・・」
「では、エルレイ様が休みの日には緊急時を除き、この部屋に入らないと言う事に致しましょう」
「分かった、休む日取りはアドルフに任せるよ」
「承知しました、ロイジェルク様のパーティが終わった後から始める事に致します」
こうして使用人や警備兵の休日を作る事が出来た、警備兵は人数が増えているから容易に出来るだろう。
問題は城の使用人達だな、人数が足りないからと言ってもすぐに増やせるわけでは無い。
信用が置ける人である程度の教養も必要だ、街で募集することも出来ないからな。
ついでに俺の休日も手に入った訳だが、今までとやる事は変わらないよな・・・。
休日だからと言って街に出掛けることも出来ないし、他にやりたい事も無い。
いつも通り過ごすだけだな。
その後はたまっていた書類をかたずけ、夕食後部屋へと戻って来た。
部屋に入るとソファーやテーブルと言った物が壁を開けた隣部屋の方へ移されていて、少し手狭に思えた部屋が広くなっていた。
俺は皆が寛いでいるソファーへと座ると、ロゼがお茶を持って来てくれた。
「エルレイ、今夜はどうするのかしら?」
アルティナ姉さんが今夜俺が誰と寝るのかを聞いて来た。
「そうだな、順番的には問題ないのか?」
「大丈夫よ、間に入れるだけだから問題ないわ」
アルティナ姉さんが寝る順番を管理していて、新しく来た人はその間に入れる事に決まっている様だ。
「エンリーカ、エレオノラ、リディア、エミリア」
「何かしら?」
ソファーで雑談しながら休憩していた四人に声をかけると、エンリーカが代表して答えてくれた。
「実は毎晩俺と寝る相手を日替わりで変えていて、今日は四人のうち誰か一人となる訳だ、勿論強制はしない」
「一緒に寝るですって!」
「エルレイ、私が一緒に眠ります」
「私が先に寝るー」
「エルレイ、私が寝る」
エンリーカだけ驚いていたが、他の三人は問題ない様だ、そもそもキュロクバーラ城では一緒に寝るために俺がいる客間に来ていたわけだからな。
「年齢順にエンリーカからと思っていたが、嫌ならエレオノラからにしようか?」
「いいえ、少し驚いただけです、私からでお願いします」
エンリーカは慌てて訂正をした、他の三人も特に反対する事は無く姉を優先している様だった。
入浴後、いざ寝る時になってエンリーカがそわそわし始めた。
「エンリーカ、無理をしなくてもいいんだぞ?」
「いえ大丈夫です、お気遣いなく・・・」
エンリーカがベッドになかなか入ろうとしないので、俺が先に入り呼ぶことにした。
「ほら入って来てくれ」
「エルレイ、服は脱いだ方がよろしいのでしょうか?」
あーなるほど、やはりそっちの方に誤解している様だな、勿論俺も男だし興味もあるが、十五歳で結婚するまでは手を出さないと心に決めていた。
「脱がなくていいから早く入って来てくれ」
「分かりましたわ」
エンリーカの誤解している姿が可愛らしいので説明をせず、ベッドに引きずり込んだ。
エンリーカは緊張しているのか体に力が入っている、気にせず俺はエンリーカに抱き付いた。
「エンリーカ、おやすみ」
「はい!っておやすみですか?」
「そうだが?エンリーカは何かしてほしかったのか?」
「いいえ、そんなことはありませんわ!エルレイおやすみなさい!」
エンリーカは勘違いに気が付いたのか、顔を赤くして目をつぶってしまった。
キスでもしてやった方がよかっただろうか?そう言えばまだ誰ともキスしていないな・・・。
今度機会があった時は皆とキスをしようと思いながら眠りについた。
翌朝エンリーカの機嫌が少し悪かったが、怒っている訳ではない様なので問題ないだろう。
食後ロゼを連れて、アヒム男爵領へとトリステン率いる警備隊を迎えにやって来ていた。
キュロクバーラ王国でリゼとずっと一緒だったため、俺の護衛が当分ロゼに代わっていた。
取りあえずアヒム男爵に挨拶をしてからだな、アヒム男爵の屋敷の玄関に向かうと執事が出迎えてくれた。
「エルレイ様、ようこそいらっしゃいました、本日はどの様なご用件でしょうか?」
「警備隊を引き上げさせようと思ってね、その報告に寄っただけだ、それでアヒムはいるのかな?」
「はい在宅しております、エルレイ様どうぞ中にお入りください」
執事に案内され応接室へと通され、すぐにアヒムがやって来た。
「エルレイ様、お待たせいたしました」
「急がせたようですまない、今日は警備隊を引き上げに来た」
「はい、お伺いしております、難民の流入も収まりました、今までありがとうございます」
「礼は要らない、領地を守るために必要な事をしたまでだ、それより住人の方はどうなった?」
「はい、それはルリア様に解決して頂きました」
「ルリアが?」
「はい、新しく入って来た者への一年間の税の免除と、その後十年間一割増の税を取る事で現住人の不満を抑えて頂きました」
ルリアはそんな事をやったのか、しかし悪くない手だな、俺は元の住人にも畑を提供すればいいと考えたが、よく考えるとそれって仕事が増えるだけで喜ばれないよな。
ルリアの方法だと、新しく住民となった者たちも税金を多く払う事で家と畑を買った事になり、負い目も無くなる訳だ、一石二鳥だな。
「分かった、それとロイジェルク様の屋敷で行われるパーティについては聞いているか?」
「はい、私まで招待して頂けるとは有り難く思います」
「今回の難民の件でアヒムには苦労を掛けた、そのお礼のつもりだから気楽に参加してくれると助かる」
「ありがとうございます」
「では警備隊の所に行く事にする」
「はい、お送りいたします」
「いや、飛んで行くから不要だ、気遣い感謝する」
アヒムの所を後にして警備隊がいる国境付近へとやって来た、すでに帰る準備は終わっている様で皆整列していた。
「トリステン、ご苦労」
「エルレイ様、わざわざお越しいただきありがとうございます」
「いや、守って貰っているのは俺の方だからこれくらいはやらないとな、早速送り届けるとしよう」
「よろしくお願いします」
俺は複数回にわたってこことリアネ城を往復し、警備隊全員を送り届けた。
俺はそのまま警備隊詰所のトリステンの部屋へとやって来た、主にニーナに報告するためだな。
「今日はニーナに報告に来た」
「あたいに?」
「俺はリゼと共にキュロクバーラ王国の要請を受け、ラウニスカ王国を滅ぼしに行ったのは知っているな?」
「もちろん知っているさね」
「そこでラウニスカ城を破壊し、ラウニスカ王はリゼが倒した」
「そうか、リゼが倒してくれたのなら、あたいの気持ちもおさまったさね」
ニーナはその事を聞いても平然としていた、それならばもう一つの事を教えても大丈夫の様だな。
「もう一つ、ニーナ、リゼ、ロゼを苦しめた魔導具はリゼが破壊した」
「・・・ううっ」
ニーナは顔を両手で覆い泣き出してしまった、やはり伝えるべきでは無かったか・・・。
『トリステン、後を頼む』
『はい、ありがとうございます』
泣いているニーナをトリステンが抱きしめるのを横目で見ながら、俺はそっと部屋を後にした。
リゼ、ロゼもそうだったが相当つらい記憶だったのだろうな、ニーナをなだめるのはトリステンに任せておけばいいだろう。
アドルフに警備隊を連れ戻した事を伝え、その日は溜まっていた書類をかたずける事となった。
ロイジェルク様のパーティ当日、マデラン兄さん、ヴァルト兄さん、アヒムを連れ、ロイジェルク様の館へとやって来た。
他の人達は前日から来ている様だが、転移がある俺は当日で構わないと伝えられていた。
それと今日はリゼが俺の護衛として着いて来ている、昨日まではロゼが俺のお世話をしていたのだが、ようやくその期間が終わったのと、やはり一度暗殺者に襲われているからな、もう二度とないとは思うが安全の為リゼが着いて来た訳だ。
ヴァイスさんに連れられパーティ会場へとやって来ると、そこにはすでに人が集まり始めていた。
「エルレイ、難民の件済まなかった」
ヴァルト兄さんが俺に頭を下げて来た、そうだった、本来ヴァルト兄さんを通さないといけないのに俺が直接向かったからな・・・。
「ヴァルト兄さん俺が悪いのです、自分で行った方が早いと思いアヒムの所に向かいました、結果アヒムの仕事を取る事になるとアドルフに怒られました」
「エルレイが行った方が確かに速いし、難民の対応も他の者では出来なかっただろう、しかしヴァルトに連絡を入れずに行ったのは不味かったな、次はエルレイも間違えはしないだろう」
「はい、今回の事で反省しました」
「俺に連絡来ても、エルレイに任せるしか無かったのは確かだがな」
マデラン兄さんに補って貰い、ヴァルト兄さんも笑顔俺の頭を撫でてくれていた。
「マデラン兄さん、ヴァルト兄さん、今日は頑張って下さいね」
「そうだな・・・」
「本当に選ばないと駄目なのか?」
マデラン兄さんとヴァルト兄さんはあまり乗り気では無い様だな、しかし今回二人はロイジェルク様より人数を提示されている。
マデラン兄さんは最低三人、ヴァルト兄さんは最低二人、あくまで最低であって多ければ多いほどいいそうだ。
「俺なんてすでに十二人もいるんですよ、兄さん達も頑張っていい人見付けてくださいね」
「分かったよ」
「仕方が無い」
もう一人いるアヒムはかなり緊張している様だった、アヒムには人数指定は無いが、いい人がいれば連れて帰って問題はない。
「アヒムは気楽に構えていていいんだぞ」
「そうは言いますが、ラノフェリア公爵様のパーティですよ、緊張しない方がおかしいです」
確かにそうだな、俺は最近王族とばかり話すようになって少し感覚がおかしくなっていた様だ。
「そうだな、少しお酒でも飲むと気持ちが落ち着くのではないか?」
「それこそやってはいけない事です、お酒に酔って失礼な事をしたら首が飛んでしまいます」
「それもそうだな、今のは忘れてくれ」
お酒で失敗したと言うのは枚挙に暇がない事だからな、俺も成人したら気を付けよう・・・。
「はい、しかしエルレイ様と話をしていて少し緊張が和らぎました」
「それは良かった」
そろそろ人も揃って来たようだな、そう思っているとヴァイスさんに呼ばれた。
「エルレイ様、こちらにいらしてください」
ヴァイスさんに連れられ、壇上へと上げられた、今日俺は何も関係ないはずだが・・・。
そう思っているとロイジェルク様も壇上へやって来て挨拶をするようだ、俺はその横に立たされているだけ。
なるほど、俺とロイジェルク様が仲良くしてますよと表すためだろう、ここから見ると男性四割、女性六割といった感じだろう、ほどんどの男性が自慢の娘を連れての参加に思える。
「今日はよく集まってくれた、皆も知っての通り隣のラウニスカ王国はキュロクバーラ王国の手によって滅んだ、我が王国はキュロクバーラ王国とも不可侵条約を結び、これで隣接する敵国はいなくなった、だからと言ってここで安心していてはいけない、この好機を生かし国力を上げ、来る戦いに備えなければならない、そのために私達の絆を深めより強固なものとしていこうでは無いか、今日は皆大いに楽しんで行ってくれ」
ロイジェルク様の挨拶が終わると大きな拍出会場は包まれ、パーティの始まりとなった。
「エルレイ君、こちらに一緒に来てくれたまえ」
「はい」
俺はロイジェルク様と共に壇上から降り、会場の奥の方に食事が用意されている所へとやって来た、前の方は例によってダンス会場となっておりすでに数組が踊っていた。
ロイジェルク様と二人並び、挨拶攻勢を受ける事となる・・・やはり俺はパーティでは料理を食べる事は出来ない様だ。
周りには美味しそうな料理が所狭しと並べられていると言うのに・・・。
「エルレイ侯爵様、私はズリエル・フォン・アランデル子爵と申します、こちらは娘のジュリ、もしよろしければエルレイ様の下で働かせて貰えないでしょうか?」
今回ロイジェルク様から俺はもう妾を取る必要は無いと言われたので安心していたら、今度は使用人として雇ってくれと、挨拶して来る人から次々と紹介される羽目となった・・・。
「使用人の採用に関しては、家宰のアドルフに任せているのでそちらに言ってくれ」
「はい、ありがとうございます、エルレイ様から許可を頂けたぞ、ジュリ良かったな」
「はい、お父様」
俺許可した覚えないんだけど、それともアドルフに連絡を入れるのにも俺の許可が必要なのか?
良く分からないが、後でアドルフに確認しておこう。
挨拶攻勢は一時間ほどで終わり、ロイジェルク様はどこかに行かれてしまった。
しかしこれは好機が訪れた、俺は近くのテーブルに近づき料理に手を伸ばそうとした時声を掛けられた。
「エルレイ」
やっと料理が食べられる時に声を掛けられムッとしたが、このパーティ会場で俺を呼び捨てに出来る人など限られている。
不機嫌なのを表情に出さない様注意して、ゆっくりと振り返った。
「これはユーティア様、どうかなさいましたか?」
俺の目の前に立っていたのはユーティア様だった、ご自分の部屋以外で声を発するとはよほどの事なのだろう。
「エルレイ、ダンスの相手をして頂戴」
「喜んでお受けさせて頂きます」
俺はユーティア様の手を取りダンスが踊れる場所へとエスコートした。
ダンスはラウラにみっちり鍛えられたからな、以前の様に無様な姿をさらしたりはしない。
音楽に合わせてユーティア様と踊り始めた、しかしユーティア様と踊るのは以前の事を思い出してしまう。
今回もまた俺は暗殺者に狙われているのだろうか?
ユーティア様の表情は以前と違い、やや微笑んでいる様だった。
結局ユーティア様から何も言われることは無く無事踊り終えた。
「ユーティア様、素晴らしいダンスでした」
「エルレイも以前と違って上手く踊れていたわ、それとパーティが終わったら私の部屋に来て頂戴」
ユーティア様は顔を近づけ小さな声でそう言って微笑み、パーティ会場から出て行かれた。
うーむ、今回は緊急性は無さそうだが、部屋に来いという事は重要な話があるのだろう。
今悩んでも仕方が無いな、取り合えず料理を食べるとするか、そう思い振り返ると、そこには先程挨拶に来た女性達が集まっていた。
「エルレイ様、素晴らしいダンスでした、是非私と踊って下さい」
「エルレイ様、私と踊って下さい」
俺はそれを断る事は出来ず、一人ずつ踊ってやることにした。
彼女達は使用人として働くと言う事は、他の貴族の所に嫁には行けない、もしくは、行けたとしても妾として肩身の狭い思いをするくらいならと働く事を選んだという事だ。
使用人として働きだしたら、この様な華やかなパーティとは無縁になってしまうからな。
そう思い俺は彼女達と楽しく踊る事にした。
そうか!別に貴族の為のパーティでは無く、使用人の為にパーティを開けばいいのか。
アドルフはいい顔をしないかも知れないが、一度やってみようと押し切れば何とかなりそうだな・・・。
彼女達全員とダンスを終えた頃には昼を過ぎており、食事が下げられお菓子や果物に変わっていた。
この頃になるとお相手が決まったのか、男女数組のカップルが出来上がっており、皆それぞれ話が盛り上がっている様だった。
ふと近くにネレイト様の顔を見かけ目が合ってしまった、お菓子でもいいから食べたかったが、挨拶をしない訳には行かない。
「ネレイト様、いいお相手が見つかったようですね」
ネレイト様の周りには三人ほど女性がいた。
「ありがとう、エルレイもダンスを楽しんでいた様じゃないか」
「そうですが、彼女達は私の婚約者になるわけではありませんので・・・」
「そうだよな、新しい婚約者が四人も増えたばかりだからな」
「全くです・・・」
「エルレイは、明日までこの館にいるんだよな?」
「はい、その予定です」
「エルレイに頼みたい事があるから、明日私の所まで来てくれないか?」
「分かりました、では失礼しますね」
ネレイト様が何を頼むのか気になったが、これ以上ネレイト様と女性たちの邪魔をする訳にもいかず、その場を離れた。
周りを見渡すと、マデラン兄さんとヴァルト兄さんの姿を確認できた、二人共まだ大勢の女性に囲まれていた。
二人共格好いいからな、それに伯爵と子爵だが治める領地は爵位以上の広さを持っている、以前は隣国の脅威があったが今はそれも無い。
女性達から見たらかなりの優良物件で、あのように大勢の女性が押しかけるのは当然の事だろう。
口出しをして女性達に恨まれても嫌なので、二人から少し離れる事にした。
そして俺はようやくお菓子にあり付け、メイドにお茶を入れて貰い落ち着いた。
昼食がお菓子と果物だけになったが、食べないよりましだろう・・・。
さて今の内のアドルフに連絡を入れて置くか。
『アドルフ、少しいいか?』
『エルレイ様、どうかなさいましたか?』
『いや、パーティで使用人に使ってくれと紹介されたから、どうなっているのかと思ってな』
『はい、その件は伺っております、エルレイ様が気に入った方をこちらで受け入れる事になっております』
『そうだったのか、俺は知らなかったからアドルフに聞いてくれと言ったのだが、良かったのだろうか?』
『はい、それで構いません、エルレイ様の奥様達が増えましたので使用人の数も増やす予定でしたので、丁度良かったのです』
『なるほど、それでその人達は明日連れて帰ればいいのか?』
『はい、よろしくお願いします』
『分かった』
事前に教えてくれていればもう少し対応を変えられたのに、まぁ過ぎた事を言っても仕方が無い。
パーティもそろそろお開きの様だな、男性が一人から数人の女性を引き連れてパーティ会場を後にしている。
それぞれの部屋で話をしたり、外に出て散歩しながら話したりするのだろう。
俺はメイドに頼んで少しお菓子を包んで貰った、リゼが何も食べていないだろうからな。
包んで貰ったお菓子を受け取り、リゼが待っている壁際へとやって来た。
「リゼ、一度部屋に戻ろう」
「承知しました」
リゼを連れて使用人に俺が使う客間へと案内して貰った。
部屋に入りリゼにお茶を入れて貰って、先程包んで貰ったお菓子をテーブルに置いた。
「リゼ、食べていいぞ」
「エルレイ様、ありがとうございます、お腹が減って大変でした」
「そうだろうな、俺もダンスが終わるまで食べられなかったからな・・・」
リゼはお菓子を食べて少し落ち着いた様だった、夕食まではそれで我慢して貰うしかない。
「それではリゼ、すまないが今からユーティア様の部屋へと向かう」
「ユーティア様ですか?」
「パーティが終わったら部屋に来るよう言われてな」
「分かりました」
リゼに案内されてユーティア様の部屋へと向かった、リゼは一時期この館で働いていたから覚えているそうだ、俺は未だにルリアの部屋すら分からない・・・。
ユーティア様の部屋の前へと着き声を掛ける。
「ユーティア様、エルレイです」
声を掛けると扉が開き、エルザさんが迎え入れてくれた。
「エルレイ様、どうぞ中にお入りください」
ユーティア様の部屋に入ると、ユーティア様はソファーに座り何か書いている様だった、俺に気が付くと書くのをやめ、書いていた物を纏めてなおしてしまった。
そうされると何を書いていたのか気になるな、聞いたところで見せてはくれなそうだが・・・。
「エルレイ、座って頂戴」
「失礼します」
ユーティア様の正面のソファーへと座った、ユーティア様は真剣な表情をしていたので話が重要な事だと思い、俺も気を引き締めた。
「エルレイ、話と言うのは私の口から言うのは少し恥ずかしいのですけれども・・・」
ユーティア様はそう言うと黙り込み、少し顔を赤くしていた。
「恥ずかしいのであれば、エルザさんに言って貰うのはどうでしょう?」
ユーティア様は先程から黙ったままだったので助け舟を出してみた、しかしユーティア様は首を横に振りそれを拒絶した。
「それでしたら私が部屋から出ていますから、リゼに伝えて貰うと言うのはどうでしょう?」
「・・・(コクン)」
ユーティア様が頷いてくれたので、俺はリゼを残し部屋から出て行った。
恥ずかしい話だが、どうしても俺に伝えないといけない物なのだろう、暫く廊下で待っていると部屋の中からリゼの大きな声が聞こえて来た。
「えぇーーっ!!」
リゼその反応はユーティア様に対して失礼では無いだろうか、しかし、リゼが驚くとはよほどの事だったのだろう。
「エルレイ様、お入りください」
扉が開きエルザさんが再び部屋の中へと入れてくれた、俺はリゼの所に向かい話を聞く事にした。
「リゼ、それで話と言うのは分かったのか?」
「はい、しかし・・・」
リゼも何となく話しにくそうにしていた。
『リゼ、念話なら大丈夫か?』
『はい、えーとですね、エルレイ様はユーティア様をどう思われていますか?』
『そうだな、無口な人かな?』
『そうではなくてですね、好きか嫌いかという事です』
『好きか嫌いかで言えば助けて貰ったし好きだぞ』
『そうですか・・・』
何故かリゼは落胆した表情を浮かべていた、嫌いと答えた方が良かったのだろうか?
『エルレイ様、落ち着いて聞いてください、ユーティア様はエルレイ様と結婚したいそうです』
「えぇーーっ!!」
今度は俺が声を出して驚く番だった・・・どういう事?ユーティア様には婚約者が決まっているとルリアが言っていた。
それなのに俺と結婚したいと?ロイジェルク様がそんなこと許すはずが無いだろう、それに俺とユーティア様の接点は多くは無い、ユーティア様に好きになって貰えるようなことした覚えも無いしな。
確かに女性の方から結婚したいと言うのは恥ずかしいだろうけど、一応本人に確認してみよう。
「ユーティア様、リゼから話は聞きましたが、本当に私と結婚したいのでしょうか?」
「(コクン)」
この部屋では話されるユーティア様が顔を真っ赤にして頷くだけだった、どうやら本当の事の様だな。
「この事はロイジェルク様に許可を頂いたのでしょうか?」
「(コクン)」
再びユーティア様は頷いた、ロイジェルク様、良く許したな、決まっていた婚約者の方はどうなったのだろう・・・。
「私にはすでに十二人の婚約者がいる事も知っていらっしゃいますか?」
「(コクン)」
だよね、俺の暗殺も事前に知っていたユーティア様が俺の事を知らない訳がない。
「ルリアには相談したのでしょうか?」
「(プルプル)」
今度は首を横に振った、ルリアに相談したら間違いなく断られるよな・・・そりゃ相談できないよな。
しかしリアネ城にユーティア様を連れて行けば間違いなく俺はルリアに殴られるだろうな。
「ユーティア様、ルリアを説得して頂けますか?」
「(コクン)」
よし!ユーティア様が頷いてくれた、ルリアの説得は任せる事にしよう。
本人が望んでいて、ロイジェルク様の許可も得ている、それにユーティア様には助けられた恩があるから断る事は出来ないよな。
ユーティア様も顔を赤くしながらも、こちらをじっと見つめてくれている、ここは俺からきちんと申し込むべきだろう。
「ユーティア様、私と婚約して頂けますか?」
「はい」
ユーティア様はしっかりと答えてくれた。
これでまた婚約者が増えてしまった・・・そろそろ収拾がつかなくなるような気もしないが、自分から増やしている訳では無いからな。
自ら増やしたのはリゼ、ロゼ、ラウラだけだろう、もう極力増やさない様にしていかなければならないな。
ユーティア様と婚約してしまった訳だから、許可は得ているとはいえ、ロイジェルク様に挨拶に行かないといけないだろう。
何故ユーティア様が俺と結婚したかったのかは謎だが、それを聞くのは後だな。
「ユーティア様、ロイジェルク様に報告に向かいたいと思います」
「分かりました、私も一緒に行きます、エルザ」
「はい、エルレイ様、ご案内いたします」
エリザさんは扉を開け俺達を案内してくれた、エルザさんが案内してくれたところは今まで来たことが無い部屋だった。
「ロゼリア様、エルレイ様をお連れ致しました」
「入って頂戴」
エルザさんが声をかけ扉を開けてくれた、ロゼリア様とは確かユーティア様のお母様だったと思う。
部屋の中に入るとロイジェルク様とロゼリア様がソファーで寛いでいる所だった。
「エルレイ君、来たか」
「ロイジェルク様とロゼリア様にご報告に参りました」
「うむ、掛けてくれたまえ」
二人で待っていたという事はユーティア様の言った通り、ロイジェルク様は許可をされたのだろう。
俺とユーティア様は二人の正面に座った。
「先程、ユーティア様と結婚の約束をいたしました」
「うむ、二人ともおめでとう」
「ユーティア、よかったわね、エルレイさん、ユーティアの事よろしくお願いします」
「はい、ありがとうございます」
二人とも笑顔で祝福してくれた。
「今回エルレイ君には無理を言ってすまなかった、ユーティアがどうしてもエルレイ君と結婚したいと言ってきてな・・・」
そうだよな、ユーティア様の方からロイジェルク様にお願いしないとこうならないよね。
「ところで、ユーティア様には婚約者がいたとルリアから聞いておりましたが、大丈夫なのでしょうか?」
「それに関しては問題ない、すでに話は付いている、ただし条件がある、エルレイ君とユーティアの子供を一人縁組させることになっているので頑張ってくれたまえ」
なるほど、元婚約者側はラノフェリア家とアリクレット家の血が入った子供の方に価値を見出したわけか・・・。
元々ユーティア様が嫁ぐ事になっていた家だからしっかりとした所なのだろう、勿論俺とユーティア様の子供が結婚する時にはちゃんと家柄を確認するけどな。
「分かりました、しかし私の所に三人もラノフェリア家から頂いてよろしかったのでしょうか?」
「エルレイ君が気にすることではない、私は娘を大切に思っているから出来るだけ本人の希望通りにさせてあげたいわけだ」
なるほど、ロイジェルク様は娘には甘いのだったな。
となるとルリアも望んで俺の所に来た?いや、いきなり殴られたしそれは無いだろう。
ルリアは多分リリーを守れる力が欲しかったのではないかな、だから勝負して自分に勝てる相手を探していたと思う。
それがロイジェルク様の思惑と重なり、俺の所に来たと言う事かな、今となってはどうでも良い事だ。
「そうですね、私は三人を幸せにすることをお約束いたします」
「頼んだぞ」
こうしてまた新たな婚約者が正式に決まってしまった。
俺とユーティア様はロゼリア様の部屋を出てユーティア様の部屋へと戻って来た。
ユーティア様と共にソファーに座るとエルザさんがお茶を入れてくれた。
俺はお茶を頂き、どうして俺と結婚したかったのかを聞く事にした。
「ユーティア様、いえ、婚約したのですからユーティアと呼ばせてもらいます」
「はい」
「ユーティアはどうして俺と結婚したいと思ったのだろうか?」
「そうですね、最初はエルレイとルリアが魔法を使っている所をこの窓から見て、私も魔法を使って見たくなったのがきっかけでしょうか。
それからエルレイの情報を集めて見ると、今まで魔法が使えなかったリリー、メイドのリゼ、ロゼまでも魔法が使える様になっているのが分かりました。
つまりエルレイは他の人に魔法が使える様に出来る技術を持っていると言うのが分かり、私も何とかエルレイと婚約して魔法が使える様になりたいと思う様になりました。
ただ、私の婚約者は決まっており、これを覆す手段を模索していた所、エルレイが襲撃される情報を掴みました。
しかし、これはルノフェノ兄様が関係していたのでお父様の報告できず、あのような形を取らせて頂きました。
でもその事がきっかけとなり、今に至る訳です」
なるほど、確かに俺の情報を調べればすぐに魔法が使えなかった人が使える様に出来ると分かるよな。
でもそれは分かっていた事だから問題ない、俺の地位は侯爵だし、俺に強制して魔法を教えて貰うおうとする輩は今まで来ていない。
しかしユーティアはすでに魔法書を渡しているから魔法が使える筈だよな。
「ユーティアは魔法が使える様になったのでは無いのか?」
「エルレイに渡して貰った魔法書のおかげで使える様になりましたよ」
「それならば俺と婚約する必要は無くなったのでは?」
既に婚約してしまったから今更だが、先程の説明だと魔法を使いたいから俺と婚約したかった訳だよな・・・。
「きっかけは初めてエルレイと踊ってからでしょうか、ダンスが下手ながらも一生懸命踊る姿が可愛らしくて、魔法抜きにしても好きになりました、それにエルレイは強くて聡明の様ですからね、リアネの街での噂は耳にしましたよ」
正面から可愛いとか好きとか言われると流石に恥ずかしいな、可愛いと言われて嬉しくは無いが悪い気分でもない、どちらかと言えば格好いいと言われたい。
しかし、誰も俺の事を可愛いとは言ってくれるが格好いいとは言ってくれない。
これ以上詳しく聞くと俺が恥ずかしいだけになりそうなのでこの辺りで止めておこう、ユーティアが俺の事を好きだと分かっただけで十分だ。
「分かりました、ユーティア、これからよろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします」
「ユーティア、私は明日帰りますので、出来ればそれまでに用意していてください」
「はい」
俺はユーティアの部屋をでて客間に戻ると、夕食ですとメイドに声を掛けられロイジェルク様一家と食事を摂る事となった。
そこでユーティア様との婚約を発表され、皆から祝福を受ける事となった。
翌日朝食の後、そのままネレイト様の執務室へと向かった。
「エルレイ、掛けてくれ」
ソファーに座るとネレイト様と、ルノフェノ様が俺の前に座った。
「エルレイに頼みたいと言うのはこれだ」
ネレイト様は俺の前に書類を置き、俺はそれを読み始めた。
そこに書かれていたのはロイジェルク様の領地とルノフェノ様の領地の地図、そして金額が提示されていた。
「ネレイト様、これは?」
「これは俺とルノフェノの領地に、エルレイの領地と同じように道を作って貰えないかと思ってね」
なるほど、それでこの地図か、改めて地図をよく見ると俺が作る道の予定地が書き込まれているな、しかしこれは家や畑がある所を通ってないか?
「ネレイト様、道を作る予定の所に家や畑がある様ですが?」
「家に関してはすでに住民には別の家を与えているから問題はない、畑だがエルレイが道の横に新しく畑を作って貰えないだろうか?」
「それは構いませんが、畑の土も移動させた方がよろしいのでしょうか?」
「出来ればそれもお願いしたい」
「分かりました、しかし金額が多すぎませんか?」
提示されている金額は驚くほど高額だ。
「確かに高額だが、普通に道を作っていてはその十倍以上の金額が必要になるからな」
それはそうだろうけど、俺が作れば一ヶ月も掛からない、今はロゼに加えてヘルミーネも作れるようになったから、もう少し早く終わるかも知れない、それなのにこの金額を頂くのは気が引ける。
それに道が出来れば俺の領地にも利点はあるからな。
「私としてはもっと安くても構いませんよ、道が出来れば私の領地との行き来が楽になりますからね」
「エルレイ、これは正当な報酬だ、ここでお金を出し渋っていてはラノフェリア家に傷が付くから受け取ってくれ」
そこまで言われれば受け取るしか無いな。
「分かりました、この仕事お引き受けいたします」
「エルレイ、ありがとう」
「エルレイ様、ありがとうございます」
ルノフェノ様は俺に頭を下げていた、しかも様付けだし止めて貰いたい。
「ルノフェノ様、頭を上げてください、それと私の事は呼び捨てで構いませんよ」
「エルレイ様、そう言う訳にはまいりません、私は男爵の身、侯爵のエルレイ様を呼び捨てには出来ません、それと私に敬語は不要です」
身分的にはそうなのだろうけど、俺としてはロイジェルク様の息子を呼び捨てには出来ない。
「エルレイ、ルノフェノの言う通りにしてやってくれないか?彼なりのけじめの付け方なのだよ」
ネレイト様に言われては従うしかないか。
「分かりました、ルノフェノ、今後ともよろしく頼む」
「エルレイ様、こちらこそよろしくお願いします」
違和感ありまくりだが仕方が無いだろう。
「仕事の話はこれで終わりだ、エルレイ、キュロクバーラ王国の話を聞かせてくれないか?」
ネレイト様は目を輝かせていた、あの地に行くには大変だろうから、もしかしたら間諜を送れていないのかも知れないな。
俺はキュロクバーラ王国の事を出来るだけ詳細に話してあげた、別に隠しておくような物では無いだろうしな、ただ要塞やグリフォンに関しては黙って置いた、あれは流石にネレイト様と言えど話す訳には行かないだろう。
ネレイト様は俺の話を相槌を打ちながら楽しそうに聞いていた。
「なるほど、機会があれば私も行って見たい物だ」
そう言えばまだキュロクバーラの街で頂いた果物が残っていたな、お菓子は皆で食べてしまったからもう無い。
ネレイト様とルノフェノの前に残っていた果物を全部置いた。
「それはキュロクバーラ王国で栽培されている果物です、名前は忘れてしまいましたが・・・」
一応エンリーカに教わったのだが、すっかり忘れてしまった。
「これは珍しいな、今まで見た事が無い」
「そうですね、初めて見る果物です」
二人共様々な角度から果物を観察していた、勉強熱心でないとラノフェリア家を継ぐ事は出来ないのだろうな・・・。
俺は食べる事にしか興味が無かったが、こうして二人の様子を見るともう少し勉強しないといけないと改めて思った。
「味も美味しかったので、後で皆さんと食べてみてください」
「エルレイ、ありがとう」
「エルレイ様、ありがとうございます」
「では失礼します」
ネレイト様との話も終わり部屋を後にした、リアネ城へ帰るのはネレイト様との話がどれくらいで終わるか分からなかったので午後からにしている。
ユーティアの部屋に行って見るとするか、リゼに案内して貰いユーティアの部屋の前にやって来た。
「エルレイだ、ユーティアいるかい?」
[エルレイ様、ただ今お開け致します」
部屋の中からエルザさんが扉を開け中に入れてくれた。
「ユーティア、荷物の準備は出来たのだろうか?」
「出来てるわよ、あれを運んで頂戴」
ユーティアが指さした先には鞄が二つ置かれているだけだった。
「あれだけなのか?」
「そうよ、必要な物はそちらにもあるのでしょう?」
確かに日常生活に必要な物もあるし、服も定期的に服屋さんが来て作って貰えるんだよな。
「分かった、鞄は預かるよ」
「お願い」
俺はユーティアから二つの鞄を預かり収納に入れた。
さて昼間で暇になったからユーティアと話でもするか、ソファーに座るとエルザさんがお茶を入れてくれた。
「ユーティアはどの属性が使えるようになったんだ?」
「私は風と水です」
「便利なのを使えてよかったな」
「そうなのですか?風は分かりますが、水は氷を飛ばせたりするだけで便利だとは思えません」
「普通はそうだな、だが水は攻撃にも防御にも使える便利な物だぞ、それに遊びにも使える」
「遊びですか?」
ユーティアは首を傾げていた、水で遊ぶと言えば川で水遊びをするくらいだろうからな。
「見てもらった方が速いな、リゼ、テーブルの上に作って貰えないか?」
「はい、ですがエルレイ様が作って差し上げた方がよろしいのでは?」
「俺だと精度がいまいちだからな・・・」
精度と言うか可愛く作る事が出来ないんだよな、これは魔法の技術と言うより才能の問題だろう。
その点リゼは可愛らしく作るのが上手だからな、女性を作る時は任せた方がいい。
「分かりました、ユーティア様、今からテーブルの上に氷の塊を作りますので驚かないでください」
「分かったわ」
「作ります」
リゼはテーブルの上に、十センチほどの可愛らしいユーティアの氷像を作り上げた。
「凄いわ、こんな事も出来るのね」
ユーティアは自分の氷像を見つめて感動している様だった。
「ここまで綺麗に作るには訓練が必要だが、ユーティアも出来るようになるぞ」
「それは嬉しいわね、ところでこれはどれくらい持つのかしら?」
「さほど魔力を込めませんでしたので、一時間くらいで消えてしまいます」
「という事はもっと魔力を持込めれば長持ちするという事なのかしら?」
「はい、そうです」
ユーティアはリゼから話を聞いて何か考えている様子だった。
「ユーティア、氷像を何かに使うのだろうか?」
「パーティの飾りに使えるのではないかと思ったのよ」
「いい案だと思うが、大変では無いのか?」
貴族のパーティは俺が知らないだけで結構な頻度で行われているそうだ、父上も片田舎の男爵家でそう言うのには縁が無かったからな。
「そうね、お金もそんなに貰えないでしょうし、今のは忘れて頂戴」
「しかし、そう言う意見は嬉しいから遠慮なく言ってくれると助かる」
「分かったわ」
その後お昼までユーティアの所で時間を潰し、昼食後帰る為に玄関前へとやって来た。
そこにはすでに昨日踊った女性達がメイド服を着て待ち構えていた、もしかして踊った女性全員いるのでは無いだろうか?
そう言えばアドルフが俺が気に入った女性を受け入れると言っていたが、踊った女性=俺が気に入った事になったのかもしれないな。
まぁ多少多くても問題無いだろう、あと執事の服を着たのもいるな、あれはアドルフが事前に選んだ者たちなのだろう。
「君たち、済まないがもう少し待っていてくれないか、先に兄さん達を送って来るよ」
「「「畏まりました」」」
一斉にお辞儀をされ圧倒される、こうやって大勢並んでされるのにはまだ慣れないな。
使用人達の所を離れてマデラン人さん達がいる所へとやって来た。
「マデラン兄さん、そちらの女性が選んだ方達ですか?」
「エルレイ、こう言うのには慣れて無くて大変だったよ」
マデラン兄さんの周りには五人の女性がいた、十数人に囲まれていた状態から苦労して選んだのが分かる。
皆優しそうな表情をしていて、いかにもマデラン兄さんが好みそうな女性ばかりだな。
「皆さん私はエルレイ、よろしくお願いします」
「リカルダと申します、エルレイ様、よろしくお願いします」
「ハイデマリーと申します、エルレイ様、よろしくお願いします」
「マルガレータと申します、エルレイ様、よろしくお願いします」
「シモーネと申します、エルレイ様、よろしくお願いします」
「ヘレーネと申します、エルレイ様、よろしくお願いします」
一人ずつ丁寧に挨拶してくれた、しかしこれは名前を覚えるのが大変だな、マデラン兄さんの妻がこれで七人、セシル姉さんとホルフィーナは覚えているが、すでに今挨拶してくれた女性達の名前はあやふやだ・・・。
「マデラン兄さん、送りますので手を繋いでもらえませんか?」
「分かった、皆手を繋ごう」
マデラン兄さんがそう言うと、五人の女性達の誰がマデラン兄さんと手を繋ぐのかで牽制し合っているように思えた。
待っていると争いが起きそうなので、俺はさっとマデラン兄さんの手を握った。
そうすると慌てて俺に一番最初に挨拶してくれた女性がマデラン兄さんの手を握った、すでに名前が出てこない、そのうち覚える様にしよう・・・。
それを機に残っていた女性達はそれぞれ手を繋ぎ合った。
「では転移しますので手を離さないで下さい」
俺は全員手を繋いでいる事を確認して父上の館の前に転移してきた。
「エルレイ、ありがとう」
「マデラン兄さん、まだ待っている人がいますのでこれで失礼しますね」
「そうだな、今度来る時はゆっくりして行ってくれ」
「はい」
俺は再びロイジェルク様の館の玄関へと戻って来た、この様に大量に移送する時には玄関前に転移する事を許可されている、あの部屋から玄関に来るのは面倒だからな。
次はヴァルト兄さんだな、ヴァルト兄さんの周りには三人の女性がいた。
俺やマデラン兄さんとは違い、きっちりお断りしたのだろうな、俺だと下手をしたら全員受け入れてしまったかもしれない、キュロクバーラ王国で四人のうち一人を選ぶ事が出来なかったからな・・・。
「ヴァルト兄さん、お待たせしました」
「いや構わない、馬車で帰るよりは早いさ」
ヴァルト兄さんはそう言って笑い俺の頭を撫でてくれた、ヴァルト人さんが選んだ女性達にも挨拶をしないとな。
「皆さん私はエルレイ、よろしくお願いします」
「ルナです、よろしくお願いします」
「ラモーナです、よろしくお願いします」
「アニーです、よろしくお願いします」
ルナ、ラモーナ、アニー、こちらは覚えやすい名前でいいな、人数も少ないし覚えたぞ。
三人とも元気そうで明るい印象を受けた、ヴァルト兄さんはこういう女性が好みなんだ、そう言えばイアンナ姉さんも元気な女性だな。
「ヴァルト兄さん、送りますので手を繋いでください」
「分かった」
こちらはすぐにヴァルト兄さんとルナ姉さん、ラモーナ姉さんが繋ぎアニー姉さんが俺の手を握ってくれた。
なるほど、表にに感情を出す女性達の方が行動は早いな、すでに序列が決まってたりするのかもしれない。
俺の所だとどうだろう?ルリアは恥ずかしがって手を繋がないな、リリーは遠慮するだろう、ヘルミーネとアルティナ姉さんは遠慮せず手を繋いでくるだろう、ロレーナは皆が手を繋ぐのを見守ってくれていそうだな、エンリーカ、エレオノラ、リディア、エミリアの四人は競争して手を繋いで来ようとするだろう。
リゼ、ロゼ、ラウラは皆に遠慮するかな、俺の所は色んな性格がいてなかなか面白い。
それより送って行かないといけないな、マデラン兄さん達を家まで送り届け再び戻って来た。
さて今度はアヒムだな、アヒムの所に行くと一人の女性を連れていた、こちらの女性は一目見て巨乳だと分かる大きさだ。
やはり大きい胸はいいよな・・・。
こういう女性なら俺も喜んで連れ帰るのだが、ただ連れ帰った後、俺の命が危ない可能性が高い。
俺の所は慎ましい女性が多いからな、ルリアはアベルティア様が大きいから、いずれ育ってくれると期待している。
唯一大きいのはラウラだが巨乳と言うほどではない、アヒム羨ましいぞ!
「アヒム、そちらの女性を選んだのだな」
「はい、素晴らしい女性に出会えてエルレイ様には感謝しております」
アヒムには褒美で来て貰ったのだから良かったのだろう。
「私はエルレイ、よろしく頼む」
「エルレイ様、私はキャロリンと申します、よろしくお願いします」
キャロリン、可愛い名前だな、アヒムの正妻の名前は知らないがこちらは覚えた、覚えてもあまり接点は無いと思うがな・・・。
「では送って行こう、手を繋いでくれ」
「よろしくお願いします」
二人を送り届け戻って来て玄関内にユーティアを迎えに行った、時間が掛るから中で待って貰っていたのだ。
「ユーティア、お待たせ」
「エルザ、今までありがとう」
「ユーティア様もお元気で」
あれエルザは連れて行かないのか、ユーティアの専属だから一緒に着いて来る者だと思っていた。
「エルザは連れて行かないんだな?」
『エルザはここに旦那さんがいるから連れて行く訳には行かないの』
ユーティアは外だからだろう、念話で伝えて来た。
『なるほど、それならメイドを一人付けた方が良いか?』
今の所リゼ、ロゼ、ラウラ、エレン、アンナ、マリーの六名で皆の支度を手伝ってくれている、リゼは俺専用になっているから五名で九名のお世話をしている訳だ。
幸いな事にエンリーカ、エレオノラ、リディア、エミリアの四人は元々一人で支度をしていたのだそうで、手は掛からないという事だった。
しかしユーティアはそう言う訳には行かないだろう、専属で付けてやる必要がありそうだ。
『それなら、今日一緒に連れて行くメイドの中に友達がいるから、その子を私に付けてくれないかしら?』
友達か、確かに今日連れて行くメイド達は貴族の娘たちだから友達がいても不思議では無いな。
『分かった、名前を教えてくれ』
『エルミーヌよ、お願いするわね』
ユーティアを連れて外に出て、皆が待っている所へやって来た。
「待たせてすまない、今からリアネ城へと転移するから皆手を繋いでくれ」
『エルレイ、一度に全員運ぶ気なの?』
ユーティアが不思議そうに尋ねて来た、確かに人数は多いが往復するのは面倒だからな・・・。
『そうだ、多少魔力は多くかかるが問題無いよ』
『そうなのね』
皆繋ぎ終えたようなので、俺はユーティア、リゼと手を繋ぎリアネ城へと戻って来た。
『アドルフ、今玄関へと着いた、使用人を連れて来ているので迎えに来てくれないか?』
『承知しました、しばらくお待ちください』
転移で移動してきたから、皆周囲を見渡している。
誰でも一瞬で違う場所に連れて来られたらそうなるよな、アドルフが来るまでに挨拶しておくか。
「これから皆に働いて貰うリアネ城だ、大変だとは思うがよろしく頼む」
「「「エルレイ様、誠心誠意努めさせて頂きます」」」
俺が挨拶をすると皆姿勢を正してこちらに向き直り挨拶を返してくれた、昨日まで貴族の子供だったとは思えないな。
しかし俺も魔法が使えなかったらこうなっていた可能性が高いのだろうな、ロイジェルク様の使用人ならやりがいがありそうだが、俺に暗殺者を差し向けたトラウゴット公爵の使用人とかにはなりたくないな。
俺もこの使用人達からそう言われない様に頑張らないといけないな。
目の前に整列した使用人達を見てそう思っていると、アドルフとカリナさんがやって来た。
「「エルレイ様、お帰りなさいませ」」
「アドルフ、カリナさん、ただいま、ロイジェルク様から新たにユーティアを婚約者として頂いてきた」
「はい伺っております、ユーティア様、よろしくお願いします」
「(コクン)」
アドルフが挨拶をするとユーティアは頷いていた。
「今連れて来た中にエルミーヌと言うのがいると思うのだが、そのメイドをユーティアの専属に付けてもらいたい」
「承知しました、エルミーヌ、こちらへ」
カリナさんが名前を告げると、メイド達の中から一人前に出て来た。
「ユーティア様のお世話をお願いしますね」
「はい、お任せください」
エルミーヌはカリナさんに挨拶をすると、俺とユーティアの前へとやってきてお辞儀をした。
「エルレイ様、ユーティア様、よろしくお願いします」
昨日踊った中にこの女性もいたな、特に印象に残っている、何故なら彼女は身長は俺より少し高いくらいで可愛らしい顔立ちの巨乳だからだ!
あまり見ていては失礼だからな。
「エルミーヌ、ユーティアの事よろしく頼む」
「はい」
エルミーヌは可愛らしく返事をしてくれた。
「アドルフ、午後に執務室へ向かう」
「はい、それでは失礼します」
アドルフとカリナさんは使用人達を連れ城内へと入って行った。
まずはルリアに報告しないといけないだろう、こういうのは早いほうが良いに決まっている。
「ユーティア、先にルリアの所へ行こう」
「(コクン)」
この時間だと訓練場だよな、俺はユーティアを連れて訓練場へとやって来た。
ルリアはエンリーカ達と剣の訓練をしている所だな。
「ルリアー、ちょっと来てくれー」
俺は大声でルリアを呼ぶと、訓練をやめこちらに歩いて来てくれた。
「エルレイ、何か用事なのって、ユーティア!!」
ルリアは俺の後ろにいるユーティアに気が付き驚きの声を上げた。
「エルレイ、これはどういう事なのかしら?」
ルリアは今にも殴って来そうな勢いだ、だが大丈夫、ユーティアから説明して貰えば俺は殴られないはずだ。
「ユーティア、ルリアに説明してやってくれないか?」
「・・・・・・」
ユーティアの方を向いて説明を促したが話してくれない、そう言えばどういう理由でかは分からないが、ユーティアは外で極力話さないのだった・・・。
「エルレイ!!」
ルリアの声で振り向くと、すでに俺に向けてルリアの拳が向かって来ている所だった、それを俺はまともに食らって後ろに吹き飛ばされた。
非常に痛い!!今のは避けられなかった、勿論避けたりしないけど、ルリアは武闘大会でカリナさんと戦ってから速度を上げる訓練に重きを置いていて、今の拳も非常に速かった。
俺が吹き飛ぶくらいの勢いで殴ったら、ルリアの拳は大丈夫なのだろうか?
俺は起き上がりながら自分に回復をかけ、ルリアの下に歩いて行った。
「痛いよルリア、拳は大丈夫なのか?」
「ふんっ!障壁を張ってるから痛くも痒くも無いわ!、それより説明して頂戴!」
「はい・・・ユーティアと婚約しました」
「それだけなの?また殴られたいのかしら?」
ルリアが俺を睨みつけて来ている、だってそれ以上どう説明すればいいのか分からない。
「詳しい事は俺にも分からないから、ユーティアに後で聞いてくれると助かるんだが・・・」
「はぁ~、ユーティアがここに来ているという事はお父様も許可してくれたのでしょう?」
「ロイジェルク様とロゼリア様も祝福してくれたよ」
「分かったわ、ユーティア、皆のために働いて貰うからね!」
「(コクン)」
「ユーティア、よろしくね」
ルリアとユーティアは握手を交わしていた、これで安心かな、元々二人は仲が良かったはずだから、ユーティアが説明してくれれば問題無いだろう。
「ルリア、ユーティアを部屋に案内して来るよ」
「皆に紹介はしないのかしら?」
「それは昼食時にした方が良いだろう」
「それもそうね、私は訓練に戻るわ」
「頑張ってくれ」
ルリアは訓練に戻って行った、さてユーティアを部屋へと案内しよう。
「ユーティア、部屋に案内するから着いて来てくれ」
「(コクン)」
転移で行こうかとも思ったが、場所を覚えられないので歩いて部屋に向かった。
「ここが俺達の部屋だ、皆この部屋で生活して貰っている」
リゼが扉を開け部屋の中へと入って行った。
「広いお部屋ね」
ユーティアが部屋を見渡し声を出した、確か以前この部屋に来た時は話してなかった様に記憶している、今日から自分の部屋になるからか?
「隣の部屋とつなげたから、以前ユーティアが来た時より広くなっているよ」
「記憶と違ったからびっくりしたわ」
「ユーティア、一つ聞いて良いか?」
「何かしら?」
「どうして外では話さないんだ?」
「それは話すのが恥ずかしいからよ、それと敵を増やさないためでもあるわ」
なるほど、確かに話をしなければ敵も味方も作ることは無いだろう、しかしそれは少し寂しい事では無いだろうか?
敵は要らないが味方は欲しいだろう、でもユーティアの隣にいるエルミーヌは友達だと言っていたな、話をしないのにどうして友達になれたのか不思議だ。
「今俺と話しているのは恥ずかしく無いのか?」
「エルレイは味方だし、話していて安心するわ」
「それは良かった、では先にベッドを設置しようか」
「お願いするわね」
ベッドの位置は喧嘩をされても困るので端に置く事にしよう、ベッドを取り出し設置しているとリゼから声が掛かった。
「エルレイ様、ユーティア様専属のエルミーヌのベッドを置かないでよろしいのでしょうか?」
そう言えばそうだな、エレン、アンナ、マリーのベッドはこの部屋には無く、自分たちの部屋で寝ていて朝と夜だけここに来て皆の世話をして貰っている。
エルミーヌは専属だから一日中ユーティアと一緒にいる事になるのだろうから、ベッドがあった方が良いか。
「ユーティア、エルミーヌのベッドもここにあった方が良いのだろうか?」
「そうして頂戴」
「分かった、ユーティアのベッドの隣に設置するよ」
もう一個ベッドを取り出しユーティアのベッドの横に設置し、ユーティアから預かったカバンを二個取り出しベッドの脇に置いた。
「リゼ、ベッドメイクをお願いして来てくれ」
「分かりました」
リゼは他のメイドを呼びに行ってくれた。
「ユーティア、エルミーヌはこのベッドを使ってくれ」
「エルレイ、ありがとう」
「エルレイ様、私は使用人ですのでこの様なベッドは・・・」
「遠慮することは無いぞ、この場所に一つだけ質素なベッドがあったらおかしく見えてしまうだろ?」
「確かにそうですが・・・」
以前俺が作ったベッドを置いていた時は部屋に全く合っていなかったからな、あのような事にはもうしたくない。
「それにリゼ、ロゼ、ラウラも同じベッドで寝ている、エルミーヌだけ違うベッドに寝かせる訳にも行かないだろう」
「・・・分かりました、ありがたく使わせて頂きます」
エルミーヌは他のメイドも同じならと納得してくれた。
「それに今までこの様なベッドで寝ていたのでないのか?」
今は使用人だが貴族のご令嬢だった訳だからな。
「私の家は子爵で、ここまで立派なベッドでは無かったです・・・」
それもそうか、父上が男爵の頃の俺のベッドは飾りも何も無い物だったからな、今設置したやつは天蓋付きで細工も綺麗に施されている物だ、値段も高かったしな。
「まぁ気にせず使ってくれ」
「はい」
リゼがメイド数人を引き連れ戻って来た。
「エルレイ様、お待たせしました」
「リゼ、お帰り」
リゼが連れて来たメイド達に手によって素早くベッドメイクが行われていた。
「ユーティア、必要な物があったら、後で紹介するロゼかラウラに言ってくれ」
「あら、リゼでは駄目なのかしら?」
「リゼは俺と一緒にいる事が多いから、ここにはあまりいないんだ」
「分かったわ」
ベッドメイクはすでに終了し、エルミーヌはすぐにユーティアの荷物の片付けを行っていた。
その後昼食時にユーティアとエルミーヌを皆に紹介して、午後執務室へとやって来ていた。
「アドルフ、使用人全員連れて来る事になったが良かったのだろうか?」
「はい構いません、事前に人柄などは調べております、後はエルレイ様が気に入る気に入らないだけの話ででございました」
あぁ、やっぱり全員と踊ったのが不味かったのか・・・いや、別に問題は無いな、アドルフも人柄は調べてあると言ってるし特に嫌いな人はいなかった。
と言うより挨拶をした時点で気に入らない人って余程の者だろう、俺の所に働きに来るのに失礼な態度取る人もいないだろうしな。
「人柄に問題が無ければそれで構わないよ、ところでネレイト様とルノフェノから仕事を受けて来たんだが」
俺は資料をアドルフへと手渡した。
「はい伺っております、金額も問題無いですね」
「では早速明日から道を作る事にするよ」
「いえ、エルレイ様、明日はお休みください」
「別にパーティでは疲れて無いから休む必要は無いぞ?」
「いえ、エルレイ様が一週間に一度お休みすると言うお話です」
「それが明日であると?」
「はい、まずエルレイ様に手本を見せて頂かないと、私達使用人は休むわけには参りません」
「確かにそうだな、分かった、明日は休みにするよ」
思いがけず休日となった訳だが何をすればいいだろうか?どこかに出かけて見るのもいいかも知れないな、後で皆と話し合って決めるか。
「よろしくお願いします」
「それとだな、パーティに行ってて思い付いたのだが、警備隊と城の使用人の為のパーティを開くと言うのはどうだろう?」
「使用人の為のパーティをでしょうか?」
アドルフは怪訝そうな表情で俺の事を見て来た、また変なことを言い出したを思っているのだろうか・・・。
アドルフにしては変な事なのだろうが、皆を労うという意味では是非とも行いたいと思う。
「そうだ、流石に頻繁には行えないが、一年に一度くらいならどうだろうか?」
「しかし、警備が甘くなる恐れが御座います」
「確かにそうだな、それなら警備隊と使用人のパーティを別の日にしてはどうだろうか?」
「・・・分かりました、少し検討させてください」
アドルフは渋々ながら了承してくれた、これで休みと褒美を与える事が出来そうだな、パーティが褒美になるかどうかは疑問だが、まぁ美味しい食べ物とお酒を出せば褒美になるだろう。
「エルレイ様、一つご報告が御座います、以前エルレイ様が申しあげていた本を読める場所が完成いたしました」
「それは良かった、それで何処に作ったのだ?」
「はい、子供達に読み書きを教えている建物の隣です」
「それはいい場所だな」
そこなら読み書きを覚えた子供達が直ぐに行けて便利だな。
「はい、ただ本の数がまだ少なくこれから徐々に増やして行く事になります」
「それは仕方が無いな」
「それで一つエルレイ様にお願いがございます」
「本を各国から集めて来ればいいのか?」
「それも出来ればお願いしたいですが、それとは別に、エルレイ様ご自身の物語を書いて頂けないかと思いまして」
自伝とか言う奴か、俺が何処に攻め込んで誰を倒した的な物だろうか・・・あまりにも恥ずかしすぎて書ける訳ないだろ!
「アドルフ、それは断る!」
「どうしても駄目でしょうか?子供達に喜ばれると思うのですが・・・」
「とにかく俺は書かない、自分の事を本にするとか恥ずかしすぎる!」
「分かりました」
アドルフは素直に引き下がってくれて助かった、いくら何でも自分で自分の事を書くとか無理だろ・・・。
「他に何かないか?」
「以上でございます」
その後パーティに行っている間に溜まった書類をかたずけるのに追われた、明日休みだからまた溜まるな、そう思いつつ出来るだけ書類を処理した。
夕食後部屋に戻り明日の事を皆に聞いて見る事にした。
「皆聞いてくれ、明日は休みになったから何かやりたい事とかあるだろうか?」
俺がそうゆうと皆不思議そうな表情を見せていた、やはり休みと言う概念が無いからだろう。
「エルレイ、休みとは何かしら?」
ルリアが代表して聞いて来た。
「休みと言うのは、仕事をしない日の事だな」
「何時もしてないじゃない?」
「ちゃんとしているぞ!」
ルリアは疑いの眼差しを向けて来ている、確かに半日ほど訓練しているが、残りはちゃんと執務室にいて仕事をしているぞ、ただそれがみんなの目に入っていないだけだな。
「それで何をするのかしら?」
「それを聞いているのだが・・・」
「それなら剣の訓練をすればいいじゃない、最近やって無いでしょう」
確かに魔法の訓練はさぼらずやっているが、剣の訓練は時間の都合上やっていないな。
それでもいいか、そう思い始めているとリディアから声が掛かった。
「エルレイ、どこか遊びにこうー」
「そうですわね、魔法の訓練は楽しいですけど、たまの息抜きは必要ですわね」
エンリーカもリディアと同意見の様だな、ここに連れて来てから一度も外出していないからな。
「ではどこか遊びに行くという事にしよう」
「やったー」
リディアは大喜びだ、キュロクバーラ王国と違ってここは街にも出歩けないから退屈していたのだろう。
「ではどこへ遊びに行くかという事だな」
ヘルミーネが遊びと聞いて目を輝かせている。
「行きたい所があれば教えてくれ」
「うむ、キュロクバーラ王国に行って見たいぞ」
「そうね私も行って見たいわね」
ヘルミーネがそう言うとルリアも行って見たいと言い出した、しかしそれを聞いてエンリーカ達が反論した。
「私達は他の場所が良いですわ」
「私はこの街が見て見たいー」
「ソートマス王都に行って見たいです」
まぁそうなるよな。
「皆聞いてくれ、休みは一週間に一回あるから明日はソートマス王都を見に行こうじゃないか、その次はキュロクバーラ王国ににしよう」
「分かったわ」
「ふむ、王都も久々だな」
「楽しみですわ」
「やったー」
皆喜んでいる様で何よりだ、後はアドルフを説得すればいいだけだろう。
入浴後ユーティアと寝る事になったのだが、ユーティアは特に恥ずかしがる事無く俺のベッドに入って来て、驚いた事にユーティアの方から俺に抱き付いて来た。
「ユーティア、どうして抱き付いて来たんだ?」
「皆からエルレイとはこうして眠るものだと教わったわよ?」
なるほど、確かに俺は皆に抱き付いて寝ているから間違いでは無いな・・・。
「そうだな、ユーティア、おやすみ」
「エルレイ、おやすみなさい」
いつもはは俺から抱き付くのだが、こうして抱き付かれて眠るのは、アルティナ姉さんとリゼ位な物だったから少し驚いたが、女性の方から抱き付いて来られるのは良い物だな。
ユーティアの寝息を感じながら俺は眠りについた・・・。
≪アヒム視点≫
私はアヒム・ヴァン・リンデンベルガー、リンデンベルガー子爵家の次男として生まれ、ノエルと結婚し父の領地を管理を任せれていた。
管理と言っても父から命令された事を実行するだけの雑用だ、それでも弟たちに比べればましだろう。
弟たちはこの領地を離れ、王都で仕事を探すか、他の貴族の使用人として働くか、王国軍に入るしかない。
子供の頃から兄と共に領地の管理に関する事は勉強させられてきたので仕事は楽で、リンデンベルガー子爵領はアイロス王国とは少し離れているので戦争の心配もなく、ノエルと共に楽しい日々を過ごしていた。
ある日お隣のアイロス王国が我が、王国軍と魔法使いの男爵の手によって滅ぼされたとの知らせが届いた。
魔法使いの男爵の事は有名だったから私も耳にした事があったが、魔法が使えない私には縁遠い話だなと事時は思っていた。
ある日父から、私がラノフェリア公爵様から呼び出しを受けたとの連絡があり、すぐさまノエルを連れてラノフェリア公爵邸へと向かうよう指示された。
父が言うには俺に男爵位と領地を与えられるとの事だった。
一生父や兄の下で暮らす物だとばかり思っていたから、嬉しさと共に戸惑いを覚えた。
領地経営に関しては勉強してきたし、父の下で仕事をして来たので問題なくやれるだろう。
ただそれ以外私は何もできないのだ、魔法が使える訳では無く、かと言って剣術に長けている訳でも無い。
どうして私が男爵位を頂けるのか分からなかったのだ。
しかし呼び出されたのだから行かない訳にはいかず、ノエルと共に馬車に乗り込みラノフェリア公爵邸を目指した。
ラノフェリア公爵邸へと辿り着くと、私と同じように呼び出された人たちで溢れかえっていた。
なるほど、これだけ多ければ私の様な者でも男爵に選ばれた訳だ、要は人が足りないから余っている次男や三男をかき集めたのだろう。
自然と私達が与えられる領地がどの様な場所なのかも分かって来ると言う物だ。
アイロス王国、ついこの間我が王国が手に入れた土地だな。
私とノエルは部屋に案内され、そこで執事のゲイソンとメイドのヘラを紹介された、二人は夫婦で、今後私に仕え領地へと一緒に行ってくれるとの事だった。
これには非常に助かった、執事とメイドを雇う必要はあるが、男爵家に来てくれる人となると中々見つかる物では無い。
何故なら給料は安く、仕事は忙しいからだ、男爵家では大勢の使用人を雇う余裕は無いからな。
しかもこの執事とメイドは、ラノフェリア公爵家に仕えていた様だからとても優秀だ、私のような所に仕えるのは申し訳ない気がする。
ゲイソンから私の領地が記された地図を渡され、それを見て私は愕然としてしまった。
私の領地はラウニスカ王国との国境地帯だったのだ・・・。
今まで戦いとは無縁の生活をしていた私は戦う事はおろか、国境警備隊の指揮をするとか絶対に無理だぞ。
俺が落ち込んでいると、ゲイソンは俺が慣れるまで国境警備隊への指示は私が致しますと言ってくれた。
それに万が一ラウニスカ王国が攻め込んできた場合は、アリクレット侯爵様が助けに来てくれるとの事だった。
ゲイソンの言葉を信じ、私は領地経営の方に思いをはせていた。
それから二日後、アリクレット侯爵様がアイロス王都、今はリアネの街だという事だったな、そこまで送ってくれると言うので玄関前に大勢の男爵達と馬車と共に待っていた。
私も馬車に荷物を積み込んできたまま預けていたので、特に荷造りする事も無く、ノエルと執事のゲイソンとメイドのヘラの四人で待っていた。
アリクレット侯爵様は空間転移魔法と言うので一瞬で送ってくれるそうだ、よく分からないが順番待ちをしている先頭の男爵達と馬車はアリクレット侯爵様と共に消えて行くのは分かる。
遂に私達の番が来て、アリクレット侯爵様から手を繋いでくれと言われ皆で手を繋ぐと、一瞬のうちに違う場所へと景色が変わった。
目の前にあるのが旧アイロス王国城、今はリアネ城だとゲイソンが教えてくれた。
私達は早速馬車に乗り込み我が領地へと旅立った、地図で確認した場所はアリクレット侯爵領の一番北だったから、少なくとも三、四日は掛かるだろうと思っていた。
しかしリアネの街の外に出て見ると、広く整えられた石畳の道が真っすぐ作られていて、一日半で私が納める男爵領へと辿り着いた。
屋敷は以前アイロス王国の貴族が住んでいた場所で、住んでいた貴族は慌てて逃げたのだろう、装飾類は無かったがその他の家具はそのまま残されていた。
新しく買う余裕は今の所無いので、ありがたく使わせて貰う事にした。
お金は支度金として、ラノフェリア公爵様から贅沢しなければ一年は余裕で暮らせるほど頂いていたが、やはり無駄遣いは出来ない。
領地経営としては全く問題が無かった、国境地帯という事で人口も少なく、村が一つあるだけの平和な所だった。
領地経営は順調、ノエルのお腹にも子供が出来、順風満帆な生活を送っていた、さらにアリクレット侯爵様から武闘大会を開くからと招待状も送られてきて、ノエルも安定期に入っていたので一緒に行く事となった。
リアネ城でのパーティは美味しい料理にダンスと素晴らしい物だった、ダンスはノエルが身重の体だったから止めておこうと思ったのだが、ノエルがどうしても踊りたいと一曲だけ踊る事にした。
翌日からは武闘大会の見学となったのだが、一日中座っている為、ノエルが少し辛そうにしていて、メイドに休憩室は無いのかと尋ねたが残念ながらなかった。
二日目からはノエルを城へ置いて私だけ見学する事となった、私も残ると言ったのだが、アリクレット侯爵様に招待された訳ですから貴方だけは見に行かないといけないと、ノエルに言われ仕方なく一人で行く事にした。
そのお陰か試合を見る事に集中できて、とても興奮した、剣術は苦手な私でも舞台の上で繰り広げられる戦いの凄さは分かる。
中でも凄かったのが、男性では狂犬と呼ばれていた盾を持った男だ、攻撃は苦手の様であったが防御は特に優れていた。
あのような戦い方があるのだと、この時初めて知った、女性ではメイドが素晴らしい動きで相手を翻弄している姿が印象的だった。
後で家に帰って聞いた話では、リアネ城のメイド長で、ヘラが言うにはラノフェリア公爵邸のメイドの中でも特に強かったそうだ。
という事はヘラも同じ様に強いという事だろう、怒らせない様にしなければいけないな・・・。
武闘大会も終わり、二日間リアネ城で休んでいたノエルもすっかり元気になり、帰路へと着いた。
屋敷に帰ると、ゲイソンが慌ただしくやって来て、国境の警備を固めましたと言う報告を受けた。
ゲイソンが言うにはラウニスカ王国とキュロクバーラ王国の戦争が激しさを増し、こちらに難民が向かっている情報を掴んだとの事だった。
難民とは困った事だな、敵兵なら防御を固めて迎え撃てばいいが、難民を攻撃する訳には行かない。
かと言ってこちらの領地に入って来て暴徒となり、盗みに殺人と言った事をされる恐れがある。
何しろ難民は国を捨て逃げ出して来たのだから、仕事も食料も無く、当然食べる事が出来なければ飢える前に襲って来るだろう。
この田舎の領地に難民に食料を分けてやる余裕があるはずもなく、難民が暴徒化するのは目に見えている。
ここは私の領内の住人を守るために心を鬼にして、難民を撃ち滅ぼすしか無いだろう。
私はそう決断をしゲイソンにそれを伝えると、ゲイソンは難民を受け入れ、アリクレット侯爵様に助けを求めましょうと言うのだ。
私はアリクレット侯爵様の負担になるような事は出来ないと言ったのだが、ゲイソンは難民の受け入れは私の領地繁栄の為、そしてアリクレット侯爵様の為にもなるのだと言われ、私は難民を受け入れる事にした。
その時は難民の受け入れが私の領地繁栄につながるのか分からなかったが、優秀なゲイソンが言うのだから信じて見る事にした。
やがて難民がゲイソンの情報通り私の領地へとやって来た、国境警備隊に難民の警備を任せ、ゲイソンの指示の下食料を配給した。
次の日ゲイソンからアリクレット侯爵様に救援要請を行いましたと、連絡を受けてから暫くすると、アリクレット侯爵様自ら私の屋敷に来てくださいました。
わざわざこの様な所まで来て頂かなくても、指示を出して頂ければそれでよろしかったのですが、どうやらエルレイ様が難民と交渉されるとの事でした。
それでは私がここにいる意味が無くなってしまいます、しかし私には逆らう事は出来ませんので、仕方なく馬車の準備をする事にします。
馬車に乗り込むとエルレイ様が交渉を私に任せてくれると言ってくださいました、良かったです、それならば私は全力で交渉に当たらねばなりません。
交渉の内容はエルレイ様が指示してくださり、戦争後も故郷に帰らない者のみ受け入れると言う物でした。
なるほど、それならば受け入れた人々は難民では無く、私の領地の住人と言う訳ですか、エルレイ様はとても十一歳とは思えないですね。
そう考えては失礼でしょうけど、目の前にいるのはどう見ても子供にしか見えません、私が十一歳の頃この様な考えが出来たでしょうか?
いえ、今でも私は難民を受け入れず排除しようと考えました、エルレイ様は魔法だけが優れている訳では無いという事がこの時分かり、この領地を与えられた事に感謝いたしました。
難民の代表との交渉は、エルレイ様が後ろに控えていてくださったお陰で堂々と行う事が出来ました。
住民とのやり取りには慣れておりましたが、難民の代表はラウニスカ王国の貴族です、貴族との交渉とか初めての事で、内心ドキドキしておりました。
翌日エルレイ様は奥様達を引き連れてやって来ました、武闘大会の折に拝見しておりましたので間違いありません。
どうやら奥様方も魔法使いの様ですね、皆様飛んで行かれました・・・。
エルレイ様は私に五人の執事を預けてくださいました、難民の住所登録の作業は私とゲイソンの二人でやるには大変だと思っていたので非常に助かります。
そして五人の執事達は与えられた仕事をテキパキとこなして行きます、さすがラノフェリア公爵様の所の執事だなと思っていたらゲイソンは違うと言うのです。
それならばと昼食時に五人に話を聞いて見ると、元は孤児だったのだと言うのです。
とても信じられない話でした、執事と言えば貴族の子供か執事の子供くらいしかなれません。
何故かと言うと、教養に礼儀作法、それと剣術も必要です、庶民の子供では教養がありませんし、礼儀作法も教わらないでしょう。
剣術は兵士の子供などは教わるでしょうが、全て治めるとなると、幼い事から厳しい教育を受けた者しかなれないのですから。
しかも彼らは教育を受け始めて一年も経っていないとの事、どの様な教育を受けたのかと聞いて見ると、皆顔をしかめていました。
なるほど、短期間でこれほどになるのは余程厳しい物だったと想像できてしまいます。
住民登録を彼らに任せ、エルレイ様が作っている家を見に行って見ると、とても立派な家が数軒出来上がっていた。
番号も振られていて、何処に誰が住んでいるのか住民登録した表を見ると分かる様になっているのだな。
これならば家の奪い合いも起こらないし、他の人が住んでしまってもすぐにわかる訳だ。
エルレイ様は家を作り終え、今度は畑を作るという事だった。
これだけの数の家と畑を作るとなると、どれだけのお金と期間が掛かるのだろうか?
私の考えでは数年は軽くかかると思われる、それをわずか数日で作り上げるとは、エルレイ様の偉大さが分かると言う物です。
全てを作り終えたエルレイ様は帰って行かれました。
エルレイ様が帰った二日後、また難民が領内へと入って来ました。
また救援をお願いすると今度は奥様方だけ来てくださいました、エルレイ様はキュロクバーラ王国の要請を受け、戦争に向かったとの事でした。
その事で戦争は終結するだろうという事でしたが、さらに難民、もしくはラウニスカ王国の貴族が押し寄せてくるかもしれないと警備隊まで駆けつけてくれました。
これには助かりました、ラウニスカ王国と言えば身体強化を持った暗殺者で有名ですから、国境警備隊だけでは対応する事は難しいと思っておりました。
奥様方に家と農地をお願いして、私は難民の住民登録へと向かいました。
今回エルレイ様がいない事で執事達の手助けはありませんでしたから、ゲイソンと二人で当たる事になり大変な作業でした。
さらに元いた住人からエルレイ様が指摘したように不満が上がって来て、対応に苦慮しました。
住民への対応をどうすればいいかゲイソンと検討していた所に、ルリア様がいらっしゃいまして、新しい住民から税を多く貰えばいいと助言を頂きました。
なるほど、それなら今いた住人の不満は解消されるでしょう、難民に無料で家と畑を渡す訳では無いのですから。
ルリア様とゲイソンの三人で検討した結果、最初の一年間税は取らずに、その後十年間一割増という事に決まりました。
一年目の分を考えると税は増えていない訳ですが、住民は納得して貰えたのでいいのでしょう。
その後は難民は入って来る事も無く、私の領地に被害はありませんでした。
戦争も無事終え、ラウニスカ王国を滅ぼしたキュロクバーラ王国とは不可侵条約を結べたと言う事なので、私の領地は安泰になりました。
今回の件でエルレイ様から褒美と言う事で、ラノフェリア公爵様のパーティに呼ばれる事となりました。
正直気が進みませんでしたが、断る事は出来ません。
妻はノエルで十分満足していますし、男爵では多くの妻を娶るほどの余裕もありません。
パーティに参加する事をノエルに伝えると、必ず一人連れて帰って来る様にと言われました。
何故かとノエルに尋ねると、この領地はすでに男爵では無く、子爵並みの住民を抱える事になっているから、子供は多い方が良いと言われた。
確かに住民、それに農地も、エルレイ様のおかげで以前の何倍にもなり、それに伴い収入も増えるだろう。
そしてそれを管理する人も必要となり、使用人の数も増やす必要も出て来るな。
それならばと張り切ってパーティに来て見た物の、やはりラノフェリア公爵様のパーティともなると緊張してしまう。
エルレイ様に声を掛けて貰い、少し緊張が和らぎました。
ラノフェリア公爵様の挨拶でパーティが開始されました。
さて、ノエルから一人連れて帰って来なさいと言われたが、まずはラノフェリア公爵様に挨拶をしてからです。
私は男爵ですので最後の方に並びます、やがて私の番が来て無事挨拶を終える事が出来て安堵しました。
それに私の名を告げると、難民の対応を褒めてくださいました、全てはエルレイ様がやってくれた事で申し訳なかったのですが、エルレイ様もご一緒に褒めてくれた事で周囲からも称賛の声が上がり、恥ずかしくなってしまいました。
しかしその事があって、その後は多くの女性に囲まれる事となりました。
この仲から私の好みに合う女性を探さなければなりません。
ノエルもそうですが、私は大きい人が好みです、何が大きいかは言うまでもありません。
女性達を見渡すと一際大きい女性がおりました、私は早速名前を聞き出しました、彼女の名前はキャロリン、可愛らしい名前でとても好きになり、早速ダンスへと誘いました。
キャロリンはダンスの誘いを受けてくれて、二人で踊り始めました。
ダンスの最中当たる部分に気を取られながらも楽しく踊る事が出来、すぐさま結婚の申し込みをしました。
キャロリンは私を受け入れてくれて、翌日はエルレイ様に送って貰い屋敷へキャロリンを連れて帰りました。
ノエルはキャロリンと仲良く話をしていたので良かったと安堵しました。
エルレイ様に住民と農地、それにキャロリンと言う素晴らしい褒美も頂きましたので、これからエルレイ様の為に全力で頑張って行きたいと思います・・・。




