登場人物(五章終了時点)
・雫
主人公。通称「涙の雫」。涙湧泉の精霊。純水であるために素直だが頑固でもある。上から二番目の地位である仲位昇格と同時に水理王付侍従に就任。他に使用人がいないので侍従長に抜擢される。
父が元理王であることが明らかになった。
碧の髪、碧の目。身長172cm(人間換算)。
・水理王 淼
水精の王。理に基づき世界を治める理王の一人。
長い銀髪が特徴的。目の色は見る者によって変わるため不明。平常時、雫からは濃い色に見える。精霊なら誰もが認める名門の出身だが、理王を輩出したことはないらしい。『雲泥子の水晶刀』を所有している。身長165cm。
・先々代水理王 漣
元理王。元は海全体を治める精霊だったが、流没闘争でかなりの力を消耗し、現在の本体は小波と渦。
雫の教育を命じられ現役に復帰するが、雫が王館を空けることが多いため、もっぱら水理王の補佐をさせられている。
濃いめの銀髪がふさふさ。身長171cm。
・潟
漣の息子。先代理王が王太子だった頃、侍従武官を勤めていた。現在は雫の護衛として王館勤めに復帰するが、表向きは水理王近衛として王館に滞在。普段は丁寧に話すが時々荒っぽい発言がある。
漣と同じ色の濃い銀髪で、いつもひと房だけ額に垂れている。身長179cm
・焱 (熀)
火の王太子。水理王の元同僚。
貴燈山で負傷した片目は完治したもののあまり出歩いてはいない様子。父親が水精の伯位 雷、母親が木精の仲位 杰。
火太子専用武器である火焔之矢を所有。身長181cm。
・鑫 (釛)
金の太子。金の巻き毛を高く結い上げ、露出の多い格好をしている。金理王を何代も輩出している名門の出身である。行方不明だった末の妹 鍇を雫たちが発見し、謝意として鎏を贈った。
一人称はこなた。身長168cm。
・林 (架)
木の太子。本体は栃。生まれは季位だったが、自らの努力と根性で仲位に昇り王太子の座を掴む。
木理王を崇拝しており、一時危篤に陥った木理王に理力を分けたことで容態を安定させる。しかしそのために名を削ることになった。
茶縁の眼鏡をかけており、まとめても癖の強い髪束はいつも毛先が五つに分かれている。次代の目処が立ったのでこの度即位が決まった。
一人称は麿。身長175cm。
・木理王
木の精霊の理王。先々代理王の侍従から王太子になった桜の木。北東の出身で理王を輩出したことのある名門の家系。侍従時代に現王太子である栃の実を拾い育てた。
減り続ける木の理力を補うため自分の理力を世に回す。そのため日に日に弱体化し、この度譲位が決定。残された寿命で後進の育成に当たる。
一人称は吾。病で立ち上がれないため身長は不明。
・桀
斧折樺の精霊。叔位。頑丈そうな見た目に反して極度のあがり症。芳伯の城が襲撃された際、雨伯に助けを求めた。この襲撃のせいで独りになってしまうが、芳伯の復活を待っている。
林が素質を感じ木理王の命で高位に昇格。王館に引き取られ、王太子になることが決まった。身長175cmだがもっと大きく見える。
・楚
薔薇の精霊。叔位だが元は高位で王館に勤めていた。芳伯とも当代木理王とも親戚である。王太子候補であった当代木理王をその座から落とすため、幼少の林を襲ってその罪を着せようとしたが失敗。王館を追放されたが逸や莬と手を組んで再起を図る。
鑫の末の妹 鉄の鍇を取り込んでその身を強化したが、それが仇となり雷伯の攻撃で全身感電の末、燃え尽きた。
・木偶 莬
過去の木理王が作った人形。木理王の手足。木理王と糸で繋がっており、木理王の理力で動く。代々木理王に受け継がれ、王館の木精からも丁重に扱われていたが、かなり前から蛞蝓に侵食されていた。そのため木の理力を食い荒らし、それを補おうとした木理王の理力も奪っていた。
桀や潟に正体を暴かれた挙げ句、雷伯に火傷を負わされ、最後は免の手によって劇薬である王水に沈められた。
・先導者 逸
免の右腕。美蛇に近付き、理王になるよう唆した。免の命令で花茨城へ赴き、芳伯を助けに来た雫を連れ帰ろうとしたが失敗。これが初めての任務失敗となり、免の右腕に一定期間封じられた。
・救済者 免
合成理術を使う正体不明の敵。逸や莬と繋がっていることが明らかになったが、全貌が掴めていない。
雫に付けられた傷が癒えていないが、大して重傷ではない様子。淼の持つ水晶刀と雫に執着している。




