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第二話

一時間がたった。

あたしはやる気満々よ〜。なんせ、あの生意気男子にぎゃふんと言わせるために下準備してきたんだから!

あぁ、なんてあたしって頭の回転がはやいんだろう…………性能は悪いけどね。




みんながぞくぞくと集まってきた!

委員長!早く始めよ〜、って思っていたら早速開会宣言を始めた。あたしの必死の思いが伝わったのね。


「では、『頭脳と身体を試せ!ツールド坂ノ上!鉄人なら俺だ!あたしだ!私かも!?レース』を始めたいと思います。ちなみにリタイアしたのは鈴原さんだけです。残りは参加しています。ドタキャンしていないならですが」

と委員長。

ここは一発、盛り上げるためにあたしが一つギャグを言いましょうかね!


「友よ!この暑さの中、無事に帰って来い!そなた達を待っている人のため、そなた達の無事を願っている人のため、そなた達を信じている人のため!あたし……こほん、私はそなた達を友達と思っているため宣言するのだ!この負けるな!と」


決まった………これはあたしに惚れる人がでるんじゃな〜い?火傷じゃすまないわよ〜。


囁き声が聞こえる。あたしは立て耳、じゃなかった、聞耳をたてた。ちなみに2000ヘルツまで聞こえる超高性能よ。


「なんか、言ってることおかしくね?」


「言葉の使い方もおかしいよね」


「頭もおかしいけどな」


「あれでも頑張っているんだとよ」


「頑張ってあれだけか……」


「才能だな」


えらい言われよう。だがあたしはくじけない!この状況をバネに使い、さらなる笑いに精進する!


「カチーン。スワンの様なこのあたしの完璧なるボディに牛乳を染み込ませた雑巾を投げやがって!ゆるすまじ!」


「誰も体のこと言って無いけどな」


「考えていることより先にバカがでるんだろうな」


「なげかわしい」


みんな、キツイな〜。ま、そんなことでへこたれるあたしじゃないけどね。

これでみんな、楽しそうになってるからいいんじゃない!










どうやらスタートのようね。

あたしはスタートラインでベストポジションをとった。

ちなみに、あたしを含めた二人の女の子以外はアドバンテージがある。走る距離が二人と男子が走る距離の四分の三よ。なぜ、あたしがアドバンテージを受けなかったのは、作戦のため!まぁどうせあたしは運動神経イイから勝手になるだろうけど。あと一人はただたんに運動神経の良さでね。

さらに、ちなみに、みんな体操服に着替えているんだけど、あたしは制服のまま。それも作戦!

覚悟!男ども!あたしのアフロディテも真っ青な魅力に酔うがいい!

付け加えて、さらに、ちなみに、アフロディテは美と愛の女神のこと。まぁ、あたしのミスコン仲間ってところかな。







委員長がスタートの合図をとるようね。(なんか、スタートまで大分時間がかかったような)


「よ〜い………スタート!」


みんな、一斉にスタートした。

あたしのスタートはサラブレット顔負けのスタートね………っていいたいところだけどそうもいかない。あたしのにっくき男子どもはスタートすらしてない。他の選手はアドバンテージを受けていないもう一人の女の子と先頭争いをしている。やるわね〜、パン屋の娘。



あたしはレースの邪魔にならないようにサイドに移動。

またまた、付け加えて、さらに、ちなみに、廊下を走るわけなんで、一般生徒とぶつかることがあるよね。だからって、タイムや言い訳なんかしちゃダメ。それはジャマー(障害物)として認識されてるからね。避けて走るのよ。みな条件は一緒なんだから。先生の場合も一緒。例外があるとすれば、好みの異性とぶつかって運命感じた時ぐらいかな。


スタート地点を見ると、男どもはやっとスタートした。徒歩で。

ん?委員長がスタートしてない。どして?



「委員長!なんでスタートしてないの?」


「それはお前を食べるためだよ」


「やだ!いくらあたしが赤ずきんちゃんみたいにかわいいからって…………」


「ゴールした順番を確かめる係です」

せっかくノってやったのに〜。

「そっか。委員長も大変だね」


「仕事ですから。それより出発しなくてイイの?」


「そうね………って騙されないんだから!アンタ、ホントは罰ゲームを受けたくないから自分から立候補したんでしょうが!」


「私が罰ゲームを考えることになっているですよ」


「このチキンオオカミめ〜」

駆け出した。

あたしはやっとスタートした。

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