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第一章 イナビィ 第一話

この作品は、私の考えなので実際は違うと思います。だけど、一度は思ったことが、一度は見たことがあるかもしれません。

嫌悪感がでたらすいません。

(なんだあれ?)



俺は授業中に白い折り鶴を見つけた。

その時、興味本意で拾った俺であったが後悔はしていない。それは今でも。









俺は今年、坂ノ上高校に入学した藤堂。特に他人と変わらない高校一年生。


今は、さっき理科室で拾った白い折り鶴を崩れない様に解体しているところだ。授業中に解体しようとしたが、視線を感じて止めた。授業が終わってもしばらく続いたが、今はそんな感じはしないので、放課後始めたってわけだ。



「な〜にやってんだ藤堂?」


話しかけてきたヤツは俺の親友の野沢。コイツは中学の時、一年と二年の時一緒だったが、三年の時クラスが分かれてしまったヤツだ。今もクラスは別々だ。


「今日の授業の時な、白い折り鶴を拾ったんだ。そして、なんか気になるから解体してるってわけだ」

俺は折り鶴を見せながら説明した。

すると、野沢が驚いた顔にして


「あ、お前も落ちているやつ拾ったんだ。オレも拾ったぜ」


ほら、と言いながらポケットの中から折り鶴を取り出した。

多少クシャクシャになっていたが、俺と同じ様に白かった。


「お前なんで拾ったんだ?」


野沢が聞いてきた。


「なんとなくだ。お前だって、教室とかに落ちているペンや消ゴム拾うだろ?それと同じだ。お前こそなんでだ?」


「オレも拾ったんだ。なんか作り方上手だし、形も綺麗だからな」


そう、これはとても綺麗に作ってある。小学生が遊びで作る様な形ではない。折り目もきっちりとしており、翼も広がる様になっている。なんだか、想いが込められながら作られたって感じがする作りだ。


「そのわりには扱い方がひどいな」


「う、別にいいじゃね〜か。気に入ってるから。それより岩崎とはどうなったんだよ。ちゃんと遊んでるか?彼女なんだからさ」野沢が話題を変えてきた。

野沢の言う通り、岩崎は俺の彼女だ。中学の時、俺は彼女に憧れていた。純粋に可愛かったからだ。三年の時、野沢と入れ違いで同じクラスになった時は、嬉しかった。

それどころか、運良く仲良くなってしまった。野沢に相談したりして、アピールしてきた。

そして、卒業してからのクラス会で告白しようと決心していたが、なんと、彼女の方から告白してきた。

俺は即答して、楽しい日が続いているということだ。

時々、同じ中学の友達達(野沢をふくむ)が冷やかしてくるが、男の友情は変わらなかった。


「あぁ、ちゃんとデートしてるぜ。一緒に登下校もしてるしな」


「いいなぁ、デート。オレもしたいぜ。」


このあと、俺は折り鶴の解体を忘れ、野沢に彼女自慢をしていた。

彼女の嫌いな食べ物、好きな映画のジャンルや本。いろいろ喋っていた。ただの嫌味だろうに、野沢は熱心に聞いてくれていたことが嬉しかった。さすが親友だ。


一通り話したあと、俺は話すのもそこそこに折り鶴の解体を再開した。破るともったいない気がするので慎重に。


ただの折り紙になったところ裏返ししてみると文が書いてあった。




「なんだこれ?それにこの文。イタズラか?」


「知らね。もしかしてオレのもあるんじゃね?」

と言って、野沢も解体し始めた。

偶然か必然か、俺のヤツとまったく同じ文が書いてあった。




『この折り鶴を拾った人は願いを叶えてあげます。もし叶えてもらいたいならば、夜、学校の屋上に来てください』

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