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幼き記憶
家が隣同士の、言わば幼馴染ってやつ。
気付けばずっと一緒にいて、笑うのも泣くのもあなたの隣だった。
そしていつもあたしを助けてくれた。
初恋だった、大好きだった。
でも、あたしは小学校4年の夏、生まれた街を離れた。
「はるき、あたし、引っ越しするの。」
「え?引っ越し?」
「そう!はるきのいない街に行くの」
「そんな...」
「だから、もうお別れ。」
「おれっ、おれ!」
「ばいばいっ、はるきっ!」
後ろを振り向かずにひたすら、親の待つ車に向かって走った。
ばいばい、そんな言葉が悲しかった。