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死ねなかったぼく
前作の始動胎動の続きになります、始動胎動を読まなくても楽しめる内容にはしているつもりですが、よろしければそちらもどうぞ
このまま死んでしまうのか。もしそうだとしたら、すごく嫌で、すごく辛い死に方だ。これだったら、殴られて死んだ方がいい。多少理不尽でも暗い夜道で急に殴られる、刺される。そちらの方がまだ幸せな死に方だろう。
こんな事になるならば、ここにたどり着く前に溺死してしまえばよかった。
ぼくは途切れゆく意識の中で、死にゆくさだめの中で、死ななかった事を後悔した。それが、ぼくがぼくであった頃の最後の後悔だった。
その後は何を考えたかも、何を思ったかも覚えていない。ただただ落ち続ける自分の身体を抱きしめて、死ねない事を恐怖に思っていた。




