始まり
こんな駄文ですが感想ください。
byキラーメガネ
はっきり言うとくどいです。無理な方はさようなら。
教室の自分の机に一人で座って教科書を開いている。
窓際三番目の席に座る彼に教室にいるクラスメイトは誰も近寄ってこない。
今は授業と授業の間の休み時間。この時間は多くの友達がいない人は本を読んだり、勉強したり、寝ていたりしているのではないだろうか?
窓際の彼、中学三年生の少年、村雨鋼士もそんな中の一人だ。
彼は中学生の最初に出遅れてしまいグループに入りそこねて今この時まで友達と呼べる人はいない。
部活動をするほどのやる気もないし、かといって今更友達がほしいわけでもない。そんな彼はこういう時間はいつも一人でいる。
彼はふと窓の外を見るそこには校舎と校舎の間にある中庭が見える。
はぁと漏れ出た溜息。
彼の視線の先を追っていくとそこには三人の少年。二人はいかにもな感じのガラの悪そうな不良。一人は学年二位の成績を持つがり勉君。どうやらカツアゲのようだ。
こんな光景を見たのは一度ではないが何度見ても思うことは一つ。
くだらない。
鋼士は学校が嫌いだ、学校を構築する人間関係が嫌いだ。
人と人は群れたがる、自分一人でいるのが不安だから。
そして群れるためには必ず人と人との共通点がいる。同族嫌悪という言葉があるがあれは自分を認めたくない人や自分の特徴を認めたくない人がやることだから。人が群れるのには共通点がいる。
こんなものははっきり言ってくだらないのだが鋼士はこの群れという人間関係を少しうらやましいと思っていた。
例えばこんなことがあった。ある日、修学旅行の班を決め修学旅行について話していたとする。班は鋼士と林君、神矢君だとする。神矢君と林君は仲が良くてとても周りに優しいリア充だ。そんな彼らはもちろん鋼士のことをないがしろにはしない、だから三人で班での活動を決めていた。でも鋼士が感じるのは違和感。そう、まるで林君と神矢君の二人と鋼士が話しているような感じ。これではわかりにくいだろうからはっきりと言おう、鋼士はこの中では異物なのだ。二人はすでに林と神矢という群れを作ってしまっている。それを感じてしまうとどうしても鋼士は自分が異物とされているような感覚がいやだッた。が同時にうらやましいと思った。
まあそう思っていても鋼士ははっきりといわなくても学校が嫌いだ。
鋼士を空気としているクラスメイトもそれを助けることのできない先生も、そんなものは見ようともしない大人も嫌いだ。
こんな感情は責任転嫁だと鋼士は知っている。でも鋼士はそう思わないとやっていけないほど心が弱い。
そう鋼士はの心は弱い。
この状況なんかでは学校を休めないほどに弱い心。この状況なんかではぐれることのできない弱い心。
まあ心が弱いからなんだという話だ。
鋼士は目の前に開かれている教科書に意識を集中した。
太陽がだいぶ西側に寄ったころ。
鋼士は教室から出て一人学校の敷地内を校門へと歩いていた。
校庭からは運動部の声。体育館からも武道場からも聞こえる声。
そんな声をうっとうしいと思いながら鋼士は歩いていた。
鋼士は部活動に入る気がないという感じで話したが実際には意味のない努力をしたくないだけだった。
凡人がプロフェッショナルになるのに必要なのは才能だ。反対するような人がいるかもしれないが鋼士はこう思っている。
それも一つの才能があれば事足りる。
足が速いという才能、ボールを早く投げれるという才能といろいろな才能があるが鋼士はそんな才能より大切な才能があると思う。
それは心が強いという才能。
心の弱い鋼士の責任転嫁でもあるが事実だろう。
どんな才能もそれを生かす心がないと生かせない。
鋼士もそんな中の一人だ。だからこそ分かっている本物と偽物の違いは。
鋼士は今アパートの住んでいる広くもなく狭くもないアパート。数年前までは立派な家に住んでいたが両親は蒸発してしまったし祖母、祖父は死んだ。
そんな彼だが金はある。祖父母の家は道場でかなりの貯蓄があり鋼士が成人するまでは問題なく暮らせる。
死んだ祖父母にはいろいろなことを教えてもらった。剣術、槍術、弓術、体術、柔術。今思えばかなりすごい人たちだった。
そんなすごい人たち鋼士に言わせれば本物な人たちはいつも言っていた。「大事なのは心」とこれは当時小学四年生だった鋼士に深く突き刺さった。蒸発してしまった軽蔑すべき両親より祖父母のほうが素晴らしいともわかった。
そんな祖父母も小6のときに死んでしまった。
鋼士は家に帰ってきてから明日の予習をしていた。
鋼士は時計を見て思ったもう六時か、と鋼士はこの時間はしなければならないことがある。
木刀を持って近くの公園まで歩いていく。公園についたら精神統一。鋼士が彼からしたら偽物だがこうやって精神統一な度で心を落ち着かせればかなりすごい。それこそ本物の中の本物天才神童だと騒がれるほどにすごかった。
まあそういってもそれはぼろが出るときがあるので彼的にはそこが本物と偽物の違いなのかもしれない。
精神統一が終わると次は木刀で素振りを始める。
鋼士はこの鍛錬をさぼったことはない。心の弱い彼がなぜ?と思うがそれはこれが死んだ祖父との約束事だからだ。
祖父は心の弱い鋼士が自信を持てるように鍛錬をしなさいといった。
鋼士はそんなことには気づかないが鍛錬は続けていた。祖父の思った通りにはならなかったが今の鋼士はかなりきれいに木刀を振っている。
木刀が降り終わりふうっと息を吐く鋼士、そこに
「すごいすごい!」
という声。驚いた鋼士は声のほうを見た。
そこにいたのは美少女。紛れもない美少女がそこにいた。
ミルクのように白い色の肌、すらりとした手足、黒曜石のような黒色の髪を背中まで伸ばしている。ブラックレッドの瞳の切れ目な美少女がそこにいた。年は十歳くらいだろうか。
彼女の外見年齢がもう少し上なら確実に一目ぼれはしていただろう美少女(美幼女?)。
美少女はこちらに無邪気な目を向けている。
言葉では表せられないような魅力を持った瞳を持った少女はこう言った。
「あなたちょっと異世界転移しない?」
基本的に不定期更新です。