第6話:スパイの影、見えぬ糸、そして運命の再会
首相執務室。
小林総理に国家安全保障情報局の設立を進言する。
「秘密結社に対抗するには、既存の組織では遅すぎます。総理直属の、情報の牙が必要です」
小林は即座に承認した。
圭介は、その情報局の長官に就任。そして、次席として最愛の女性を招くための準備を進める。
心で強く呟く。
**(葵は、国際シンクタンクの敏腕エージェント。彼女の能力は国に必要だ。そして何より、彼女を秘密結社の魔手から引き離す唯一の道だ)**
都内の一室。圭介と白石葵は再会した。
「お久しぶりです、葵」
圭介は、過去の恋人としての感情を抑え、プロとして接する。
葵の瞳が、一瞬だけ揺れた。
「黒木…圭介。なぜ貴方がここに。そして、なぜ私を」
「単刀直入に言う。君を、新設する国家安全保障情報局の次席に招きたい」
葵は、冷ややかに答える。
「お断りします。私は今の仕事に満足している」
「満足? それは嘘だ」
圭介は、未来の記憶で知る葵の苦悩に基づき、彼女が秘密結社から受けている「弱み」による脅迫の存在を匂わせた。
「君の能力は、国家への裏切りの道具として使われる運命にある。私の下に来い。君の能力は、日本を守るために使ってくれ」
葵の冷静な仮面が、二度目に大きく揺れた。
「…なぜ、そこまで私にこだわる」
「君は、私の最愛の女性だったからだ」
葵は、下を向いた。
心で呟く。
**(彼は、私の裏切りすら、予測しているのか?…だが、家族を守るために…私は…)**
後日、葵は、次席の話を受けた。しかし、それは同時に、圭介への**「ハニートラップ」**を実行するための、秘密結社からの指令でもあった。
葵は、圭介の視線に、単なる昔の恋人ではない、運命を知る「なにか」を感じ取り、内心で大きな警戒心を抱き始める。
圭介は、葵の葛藤を全て知りながら、彼女を救い出すための準備を、水面下でさらに加速させた。
運命の第6話を最後までお読みいただき、ありがとうございます!
ついにメインヒロイン・白石葵が再会しました。圭介の「愛する者を救う使命感」と、葵の「苦悩と罠」が交錯する、緊迫感のある回となりました。
次席に就任した葵ですが、秘密結社の指令である**「ハニートラップ」**の影が忍び寄ります。圭介は、その運命を変えられるのか!?
もし、この続きが読みたい、圭介と葵の愛の行方を見届けたいと感じていただけたなら、
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次話は、政界の怪物、官義偉の攻略戦です。ご期待ください!
【Xにて設定やイラストを補足しています】https://x.gd/vIi51