第38話:葵の分析と月さんの無敵論
国家安全保障情報局次席室。
葵は、圭介の「要注意人物」である新城月の情報を分析していた。
「…月さん。新城家の母親。娘たちの純粋な好意を利用し、長官に接近を図っている」
葵は、手元の写真(月さんと娘たちの旅行先での水着写真)を見て、ピシャリと資料を閉じた。
彼女の冷徹な顔に、僅かな動揺が走る。
心で強く呟く。
**(月さんの魅力は、情報分析装置をバグらせる。長官の私生活が乱れる事態は、国家安全保障上も脅威だ)**
葵は、長官の監視という名目で、新城家に電話をかけた。
電話に出たのは、月さんだった。
「白石です。長官の公的なパートナーとして、一つ確認させてください。貴方は、長官の心を惑わす意図があるのですか?」
月さんは、受話器を胸に当て、戸惑う。
「いいえ、胸の話では…」
葵の冷徹な声が、一瞬裏返る。
「私の分析では、貴方の行動は、娘たちの将来を損なう。長官との関係は、即座に断つべきです」
月さんは、笑顔を向けた。
**「黒木さんが私に好意を持つのは、当然よ。私が幸せでいれば、娘たちが安心するでしょう?私の義務だわ!」**
葵は、受話器を握りしめる。
心で強く呟く。
**(論理的破綻!しかし、彼女の幸福度は測定不能。私の最強の知性が、美人母一人に敗北した…!)**
**【引き】**
葵は、電話を切った後。
机の上の「月さんの写真」を、情報テロリストリストのように睨みつける。**「私の全ての論理が、あの笑顔の前で無力…」**
**最強の知性派ヒロイン・葵が、天然美人母月さんの「無敵のポジティブオーラ」に手も足も出ないことを悟った瞬間だった。**
■作者より(第38話を読んでくださった皆様へ)
爆笑の第38話を最後までお読みいただき、ありがとうございます!
葵の冷徹な知性が、月さんの「天然無敵論」に、見事に論破(?)されました!圭介の周りの女性陣は、皆、最強すぎます。
葵の嫉妬と月さんのマイペースさが、圭介のシリアスな戦いに最高の緩急をつけています。
もし、この続きが読みたい、圭介とヒロインたちのドラマをもっと見たいと感じていただけたなら、
ぜひ、**【★での評価】**と**【ブックマーク】**をお願いいたします!皆様の応援が、作者の最大のエネルギーとなり、物語を加速させます。
次話は、深雪と海の異色コンビによる、「知性vs武力」の奇妙な交流回です!ご期待ください!
【Xにて設定やイラストを補足しています】https://x.gd/vIi51




