第32話:知性と情熱の秘密同盟
首相官邸近くの高級カフェ。
新城芽衣と、小泉深雪が、対面していた。
芽衣は、圭介の隣に並ぶ「白石葵」への情報を欲し、深雪は兄に近づく圭介の真意を探っていた。
「貴方、黒木補佐官を公私混同で追い詰める、無粋な記者ですね」
深雪の声は、氷のように冷たい。
「何よ!貴方こそ、兄の為と称して、黒木さんに必要以上に係わろうとしているブラコン妹じゃない!」
二人の間に、一瞬火花が散る。
深雪は、芽衣のストレートな情熱に驚き、芽衣は、深雪の冷徹な知性に気圧される。
「…でも」芽衣が続けた。
「私たちには共通の敵がいる。あの…いつも黒木さんの隣にいる、冷たい目をした白石次席」
深雪の瞳が、細められた。
**「白石葵。彼女は小林総理の右腕で、兄の政敵の側近です。その行動に論理的な不審点がある以上、兄の安全のため、調べる必要があります」**
圭介が、葵を巡って秘密結社の罠に掛かっていることを知らない二人は、利害が一致した。
「私は、彼女が公私混同で黒木さんに迷惑をかけているか否かを暴く」
「私は、彼女の動機と、兄に近づく真の意図を分析します」
**【引き】**
芽衣と深雪は、握手を交わした。
「私たちは、恋のライバルだ。だが、今は『白石』を打つ秘密の同盟だ」
圭介が気づかない場所で、**「情熱と知性」**の異色コンビが誕生。彼の「未来の設計図」に、また一つ、予測不能な変数が加わった。
■作者より(第32話を読んでくださった皆様へ)
第32話を最後までお読みいただき、ありがとうございます!
新城芽衣(情熱)と小泉深雪(知性)という、異色のダブルヒロインが、葵への嫉妬心を共通項に、秘密の同盟を結びました!
圭介の知らない裏側で、ヒロインたちの総力戦が始まります!この「知性vs情熱」のコンビが、物語にどんな波乱を呼び込むのか!?
もし、この続きが読みたい、ヒロインたちのドラマをもっと見たいと感じていただけたなら、
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次話は、月さんの妄想爆発!圭介が美人母に翻弄される爆笑コメディです!ご期待ください!
【Xにて設定やイラストを補足しています】https://x.gd/vIi51




