第28話:葵との夜の情報交換、過去の絆
国家安全保障情報局長官室。
深夜。圭介と葵は、二人きりで資料を広げていた。
観星会が次に仕掛ける外交謀略に関する、極秘の情報交換だ。
「先程のデータの分析に誤りはありません。しかし、情報源が不明なのが問題です」
葵は、冷徹なプロの顔で答える。
「情報源は、気にしなくていい。私を信じてくれればいい」
「長官のその言葉は、論理的ではない。私は、感情ではなく、事実で動きます」
圭介は、無言で、資料の端に書き込んだ三文字を、葵に示した。
「**三日月**」
その三文字は、二人がハーバード時代に、深夜の図書館で極秘の情報を交換する際に使っていた、二人だけの符丁だ。
葵の顔色が、一気に変わる。
「な…なぜその言葉を…それは、私と貴方しか知らないはずだ」
圭介は、冷徹な顔を崩さず、彼女の目を見る。
**「私の情報源は、君との過去の『絆』だ。そして、それは未来を書き換えるための鍵だ」**
葵の瞳から、冷徹なプロの色が消え、強い愛の感情が溢れる。
彼女の心が、一瞬にして過去の愛の時間に引き戻された。
**(彼は、裏切られた過去すら、私たちだけの絆に変えて利用する。…私は、この人を、もう二度と失いたくない)**
**【引き】**
「…分かりました。長官。この情報は、私の全ての論理を超えた位置にあると判断します」
葵の承諾の言葉は、情報局の次席としてではなく、圭介の**「運命の女性」**としての信頼を示していた。圭介は、葵の心を掴んだことを確信する。
■作者より(第28話を読んでくださった皆様へ)
第28話を最後までお読みいただき、ありがとうございます!
圭介と葵の「大人のロマンス」が炸裂!過去の二人だけの「秘密の符丁」を使った圭介の采配が、葵の鉄壁の心を見事に溶かしました。
葵が、論理を超えた位置で圭介を信頼!二人の愛の絆が、秘密結社との戦いの中心となります。
もし、この続きが読みたい、圭介と葵の愛の行方を見届けたいと感じていただけたなら、
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次話は、海と芽衣が嫉妬で暴走するヒロイン三角関係の回です!ご期待ください!
【Xにて設定やイラストを補足しています】https://x.gd/vIi51




