プロローグ:【チート発動】二度目の政治参謀は、運命を書き換える!
新連載開始
初日は「3話」約1時間おきに投稿します。
中華風の広間。
黒木圭介が、血の海に膝をつく。
腕の中には、最愛の女、白石葵。白いシャツは赤く染まっている。
「葵…!」
「圭介…やっと…会えた…」
葵は、安堵の涙を流したが、その表情は激しい後悔に歪む。
「馬鹿ね…私なんかのために…」
「ごめんなさい…あなたを裏切って…許して…」
「でも、間に合って…よかった…。あなたの…顔が見れて…」
「もう、…これで…終われるのね…」
強い怒りと後悔と共に、彼女を抱きしめる。
「この国も…あなたの未来も…守って…。私を…忘れないで…」
葵の息が、彼の腕の中で途切れた。
命の温もりが消える。魂が引き裂かれるような痛みに襲われる。
拳銃を手にした男が、脂汗が滲む下品な顔を、ニヤリと歪ませて近づいてきた。
そして、頭に銃口を突きつける。
燃えるような憎悪の瞳で銃口と相手の顔をにらみつけながら、圭介は心で強く呟いた。
**(こいつ…いや、こいつらだけは!絶対に……!)**
**カチリ**。引金に指をかけられた、その瞬間――。
葵の胸元の装置が、目もくらむような激しい閃光を放った。
光と共鳴する。
**グニャリ**。空間が裂け、時間が逆流する。
宇宙ステーションの管制室。
巨大モニターに**《TIME REWIND - CHEAT CODE ACTIVATED》**の文字。
謎の科学者イーロン・マーズが、新しいおもちゃを見つけた子供のように、ワクワクを抑えきれない笑顔で笑う。
「素晴らしい成功だ。予想以上の出力。・・・・・・・成功率は…ゼロに近いが」。
**バツン**。光が弾け、意識を失う。
***
「……熱い」
意識が戻る。心臓が**ドクン、ドクン**と激しく鳴っている。
「ここはいったい・・・・俺の部屋?・・・・なぜ?」
体を起こす。頭痛と吐き気が襲う。
床には空のカップ麺と雑誌が散乱している。
「くそ…!」
その瞬間、脳裏に、謎の科学者イーロン・マーズの声と**「未来に起こる全ての情報」が叩き込まれ、そして現状と、何もしなければこれから起こるであろう【悲惨な未来】のすべてを強制的に理解させられた。**
**「よう、リスタートマン。今回は、未来の知識という『チート』付きだ。存分にゲームを楽しめ」。**
奴の楽しそうな声が頭にこびりついている。
「やってやる!」
今度は素早くベッドから跳ね起き、手帳とペンを掴む。
未来の「要点」を殴り書きしていく。
心で呟く。
**(このチートは、俺一人のための力じゃない。葵、そしてこの国を救う、二度目の、最強の使命だ)**
書き終えた後、冷徹な参謀の眼光が宿る。
「二度と、失わない。総理も、そして……葵も…!」
「記憶によれば、葵はもう罠にかかり始めている。…今度こそ、君を救う。俺が、君を見つけ出し、その呪縛から解放する」。
***
スマホのタイムラインに、新人記者・新城芽衣の初々しい投稿が流れてくる。
「今日から永田町担当です!日本を盛り上げるぞー!#新人記者奮闘記」。
その投稿を見て、ふ、と口元を緩める。
**「愛する君を失った絶望の未来など、二度と繰り返させない――。この俺の二度目の人生、全てを懸けて、愛する君とこの国を救う!」**
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【Xにて設定やイラストを補足しています】https://x.gd/vIi51