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転生悪魔の異世界無双  作者: ヴェルフレア
第一章 外の世界
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第十二話 魔王

ミズキが進化した種族は仙人の筈が、悪魔だった。それも黒の眷属だった。


「どうしてだ?」


「そりぁ悪魔二人と生活してたら悪魔になるさ」


「そうか?ミズキの願望じゃないかと思うんだが」


「え?あ、いや、悪魔になりたいとか、アモンの眷属になりたいとか、お、思ってないし!」


「おぉこれがアモンの言ってたツンデレってやつか」


「俺もここまでのものは初めて見た」


「そ、そんな事はどうでもいいの!さっき戦って思ったんだけど悪魔って仙人より強いよね」


「悪魔って言うより黒の眷属だからだと思うけど…」


「悪魔はこの世界の調停者だからな、それぐらいの力があって当然だ」


「え?私多分負けてたと思うんですけど?そんな事言われたら私の立場ないんですけど?!」


「まぁまぁ落ち着いて、マリンはこれからマンツーマンでシゴいてあげるから」


「それはそれで嫌なんですけど…」


「ん?何か言った?」


「いえ!何でもありません!」


「おっと依頼を受けていたんだっけな急ぐぞ」


「「はーい」」


この後アモンは当たり前のように終焉級の魔物の頭を手刀で胴体から切り離しギルドへ帰った。


「それにしても最近終焉級の魔物、多くないか?」


「確かにそうだね、何かあるのかも知れないね」


「ミズキはなんで他人事なのかな?私達にも関係ある事だから調べるなりしておかないと」


「あ、確か小さい頃、両親が強い敵がいっぱい現れた時は魔物の王が誕生していると言っていたような」


「ふむ、魔物の王…魔王か…それは楽しみだな」


「まぁアモンの相手ができるのはもう魔王ぐらいしかいないよね、もしかしたらその魔王でさえ遊び相手にもならないかもね」


「そう考えたらちっとも怖くないや」


「フフ、確かに」


「二人とも俺を買い被りすぎだぞ、俺だって流石に魔王相手には苦戦するさ……多分」


「ほらね、アモンも心のどこかで他の相手と変わらないだろうとか思ってんでしょ」


「まぁまぁいいじゃない、負けはしないはずだから」


「それもそうだね」


そして数日がたったある日、ギルドから招集がかかった。


「今日はよく集まってくれた、感謝する」


そう言ってギルマスが話を始めた。簡単にまとめると、魔王が攻めてきている。事を遡る事二日前ある冒険者が近くの森を依頼で調査していた時、今まで感じた事ない重圧を感じたらしい。そしてそこで目にしたのは喋る魔物。しかもそれはアリで二足歩行をしていたそうだ。その冒険者はその時魔王だと直感的に感じたらしい。なのでその討伐を冒険者全体に依頼したく招集したそうだ。


「そして、魔王の討伐は世界初の終焉級冒険者であるアモン達に任せる!残りの者達は取り巻きの排除だ!気を引き締めて行くぞ!」


「「「「「「「おぉー!」」」」」」」


そして、王国騎士の一人がギルドに入ってきて魔王が来たと報告しに来た。


「よし、準備は出来てるな?誰一人死ぬ事なく帰ってこい!」


「おう!」


「任せとけ!」


「冒険者舐めんじゃねぇーぞ!」


冒険者達はそれぞれ異口同音に返事をした。そして皆ギルドを出ていき魔王を見た途端戦慄した。


「おいおい、これは過去最強なんじゃねぇか?」


「そうかもな…でもこっちにも終焉級のアモン達がいる、そう負ける事はねぇさ」


そこからは魔王軍対冒険者&王国軍の戦いが始まった。数は圧倒的に魔王軍が有利だったが個々の戦力で言うと互角だった。冒険者は魔物との戦いに慣れているせいかどんどん倒しているが王国騎士は手間取っているようだった。そこに冒険者が助けに入りなんとか犠牲がゼロになっている状態だった。


「そろそろ出てもいいんじゃない?」


「そうだな、だが今回は俺だけで行く」


「へぇ〜珍しいね、そんなに強いの?」


「う〜ん、まぁそんなところだ」


「ちょっと気になるけどまぁいいや、いってらっしゃい」


ミズキとマリンの言葉を聞き届けてからアモンは最前線に転移し、魔法を唱えた。



〈魂掌握〉



その瞬間魔王以外の魔物が全て死んだ。


「な、何がおこったのだ!?」


「わ、分かりません!」


王国騎士は新たな敵が出現したと大騒ぎしていたが冒険者達は盛り上がっていた。


「やっぱりすげぇよな」


「すげぇどころじゃねぇよ!流石終焉級だよな!本当俺らの誇りだよ!」


アモンは王国騎士の反応と冒険者の反応を見て、魔王の方に視線を向けた。


「いやぁ〜素晴らしいですね、あの魔法は何ですか?魂が消えたように見えたのですがまさか魂にまで干渉できるとは、しかし、残念です私と出会ってしまった以上貴方の運命は死です、覚悟はできていますか?」


魔王はそう言うや否やアモンの首を切りにかかる。鋭い爪がアモンの首をかき切る寸前、アモンは左手の親指と人差し指で止めた。


「なかなかやるようですねぇ、もう少し早めでいきますか」


この魔王は若すぎたのだ。生まれたばかりで知識が不十分な状態で戦いを挑んだのが間違いだった。知識があったら今自分の目の前にいるのが誰かこの戦況がいかに不利かが分かっただろう。しかし、もう遅い魔王の首は既に一人の悪魔の手によって刈り取られてしまったのだから。


「こいつは若すぎたな、もっと経験を積んでいるやつじゃないと話にならない」


そう言って皆の元に戻り歓声を浴びせられる事に憂鬱を感じるアモンだった。



  

 







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