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転生悪魔の異世界無双  作者: ヴェルフレア
第一章 外の世界
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第十一話 進化

「大丈夫かミズキ」


「うん…何とかね…それよりマリンは?」


「大丈夫だ、外で修行をしている」


「フフッこのやりとりこの前もやった気がする」


「そうか?」


「うん、それより喋り方変わった?」


「あぁ、魂が完全に悪魔になった事が影響しているみたいだ」


「へぇ〜まぁ私はこっちのアモンも男らしくて好きだけどね」


「そうか、じゃあ行くぞ」


「え?どこに?」


「ギルドだよ、依頼を受けないとな」


「わかった!準備する!」



       ◆ ◆ ◆ ◆ ◆



アモン達がギルドへ行くとリリィに呼ばれ、ついていくとギルドマスターの元に連れて行かれた。


「久しぶりだな!」


「お久しぶりです、ガープさん、それで今回は何のようですか?」


「お前達を終焉級冒険者として認めるかどうかの会議が先日行われていたのだ、だが、ほとんどが反対していたのだが、お前が絶級の悪魔を秒殺したと聞いてから全員が賛成したんでな今日から晴れてお前達は世界初の終焉級冒険者だ!」


「やった!やったよアモン!」


「えぇそうですね」


「そんなに嬉しい事なの?」


「なんだ?マリンは嬉しくないのか?世界初の終焉級冒険者だぞ?」


「うむ、そうだな、何とも思わないな」


「仕方ありませんよ彼女は昔からこうなので」


「そうか、なら仕方ないか」


そして話が終わり部屋を出ると盗み聞きしてたであろう冒険者達が盛大な歓声で出迎えてくれた。


「よくやったな!」


「お前らすげぇーな!」


「流石アモン達だ!」


ミズキは無表情を装っているが満更でも無い様子だった。


「さて、ミズキ、こんな事で浮かれていてはダメだ、少なくともお前は終焉級に遠く及ばない、マリンもだ」


「「分かってるよ!」」


「今日から修行をもっと厳しくする早く成長してもらうためにな」


それから更に地獄の修行が始まった。依頼がある日は午後からない日は朝早くから修行が始まる。人間であるミズキは睡眠が必要なので時間を取るが悪魔は必要ないのでマリンは休みなしで修行している。そして半年後には二人とも終焉級に見合う実力を有していた。そして今依頼を受けて森の奥深くに入ってきている。


「今回は俺たちは協力しないからミズキ一人でやってくれ」


「りょーかい!」


アモン達はどんどん進んでいく。しかし、魔物が一匹もいない。それどころか動物や虫すらいない。


「様子が変だな」


「そうだね、何かあったのかな」


「強力な魔物が住み着いたと考えるべきじゃないか?」


「そう考えるのが妥当か…まぁどうであれ調査してみるか」


「うん」


そこでアモン達は強大な気配を一瞬だけ感じた。


「呼ばれているみたいだな、今回はミズキだけで戦ってもらうつもりだが、こいつはちょっと厳しそうだな」


「いや、やってみるよ」


「そうか、確かにいい経験にはなりそうだな」


気配がした方へ行くとそこには一人の男が立っていた。その男からは歴戦のオーラが発せられていた。


「よぅ強い気配がしたんでな、呼んでみたんだ」


「貴方は人間でしょうか?」


「いいや元人間だ、今は人を超越した存在、仙人となった」


「なるほど、人を超越した存在…名前を伺っても?」


「アキだ、お前は?」


「アモンと申します、しかし今回は私ではなく弟子のミズキの相手をしてもらいます」


「それは残念だ」


「よろしくお願いします」


「おう、お前もなかなかだな」


「ありがとうございます、最初から本気で行かせてもらいますよ!」


そう言うとミズキは腰を落とし構えた。そしてアキも剣を構える。アキの剣は魔剣だった。魔剣には色々な力が込められているがアキの魔剣には雷の力が込められていた。しばらくの静寂の末、両者共に駆け出した。まずはアキが上段から剣を振り下ろす。ミズキはそれを難なく躱し、魔力を込めた拳を右横腹目掛けて振りかぶる。しかし、それは寸前のところで剣によって止められる。


「なっ…!」


「どうだ?驚いただろう?この魔剣には雷の力が込められているんだ、常人にはこのスピードにはついて来られないだろうよ」


そして、驚きによって隙を見せたミズキの首に向かって剣が雷を帯びて真っ直ぐ向かってくる。体を反りどうにか躱したが、首を少し切られてしまった。そしてアキに目を向ける。そこには既に攻撃を繰り出そうと構えているアキの姿があった。そして次の瞬間にはミズキの左腕が切り落とされていた。


「グッ…!」


直ぐに魔法で再生させる。そして距離をとり魔法を放つ。


深淵魔法〈絶対零度(コキュートス)


しかし


秘技〈反射(カウンター)


アキのカウンターによって跳ね返ってきてしまった。反応が遅れて下半身が凍ってしまう。その隙をアキが見逃してくれるはずも無く剣を中段に構えて迫ってきている。魔法を放てば跳ね返ってくるし、氷を溶かそうにも間に合わない、かと言ってこの状況で反撃をしても簡単に避けられ首を切られてしまう。ミズキの頭の中は全力でぶつかっても勝てない絶望でいっぱいだった。


「もう…無理だ…私では勝てない…やっぱり私には才能が無かったんだ…」


「よく聞いてください、すぐに諦めるようでは私の弟子を名乗る資格はありません、これからも強大な敵とぶつかり絶望を感じる事もあるでしょう、しかし、諦めず何度も立ち上がりなさい、これも一つの才能ですよ」


「っ…!確かにそうだよね、諦めたらもうそこで終わりだもんね、頑張って勝つよ!」


ここでミズキの魂に変化が起こった。それは進化によって起こった変化だった。そうミズキはこの瞬間人を超越した力を手に入れたのだ。


「ほぅ進化しやがったか」


アキは距離を詰めながらそんな事を呟いた。そしてミズキの首を切ろうとした瞬間、目の前からミズキの姿が消え右横腹に強い衝撃を感じ、吹っ飛ばされた。


「グハッ…転移…魔法か…」


アキはゆっくり立ち上がり剣を構える。左から気配を感じすぐさま攻撃を防ぐ。しかし、衝撃を殺しきれず少し後ろに下がる。


「ここまで強くなるとはな…」


「私はもう諦めない、転んでも何度でも立ち上がる強くなるために!」


そう宣言したミズキはアキの頭上に転移し、頭目掛けて蹴りを入れる。見事にアキの後頭部に直撃しアキは気絶した。


「よくやりましたね」


「頑張ったねミズキ」


「ありがとう!」







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