わたしの永遠の故郷をさがして 第4部 『番外編』 第4話
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「おっしゃ! では、事情が分かったところで、再び1000本ノ~ック!! まあ、ちょっと少なくはなるけどね。おら~~~開始じゃあ~!」
「おっかねえ~~~! ナリアって、可愛いんじゃけど、性格ようないぞよ。」
ブアルが文句を言ったのです。
「うっせ~~~~! ほら、ひとりづつ行くよ~~~!!」
ナリアこと、『第2王女様』は、前よりもさらに強いノックを、あちこちに飛ばしました。
「おら~~! 手、きちんともってケー‼ そいじゃトンネルじゃあ!」
「おどりゃ~~、万歳しちゃあペケポンじゃあ。もっと後ろまで走れ~」
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「まあまあ、あの子ったら、わたくしが見てないと思って、なんとまあ、はしたない。ねぇ、アニーさん。スカートめくれてますわ。」
『いやあ、まあ、あなたより、ずっと、上品じゃあないですかあ?』
「なぬ、アニーさん、何と言ったのかなあ?」
『いやいやあ、客観的に見て、ルイーザ様は各人の体力や体調を見計らいながら、細かく計算してやってますよ。ヘレナは、もっと、きついかと。はい。ルイーザ様は下は水着ですが、脱いでない。あなたは、この前には、服、全部ばっと脱いで、水着でやってたし・・・子供たちにでも、あまりに挑発的過ぎたです。』
「おどりゃあてめ~~~、文句あっかよ~!」
「ほら~~。こわいでしょう。ヘレナは~~。」
「なぬ-!!」
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『あなた~~! ちょっと休みなさ~~い!ほら、あんたたち、お水お水。体冷やして。』
『第1王女様』が叫びました。
お付きの大人二人は、いつのまにやらグラウンドにまで、引っ張り降ろされていたのです。
一人は医師の資格があり、もう一人は看護師でした。
これはつまり、あらかじめ、いくらかは、まあ、計画的だったわけなのです。
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「ふうん・・・・この子の動き凄いわね。良い運動能力があるわ。」
『第1王女様』が言いました。
『そうですな。上手く育てたら、陸上競技あたりの、なにかの北島代表くらい行けるでしょう。』
アニーが中空から答えたのです。
カスミの動きを見ながら、ヘレナ=『第1王女様』、が、また言いました。
「いや、王国代表にだってなれる可能性あり、とみたわね。」
彼女は、アニーと連動して、地球上・・・いや、太陽系内のほとんどの場所を、直に意識の中で見ることが可能だったのです。
「まあ、二人だけよっ! て言ったけど、三人でも可能かな?ね、アニーさん。」
「そりゃあまあ、あなたが良いと言えば、予算的には全く問題ないです。あくまで、『テスト・ケース』ですが、男女で行かせた方が良いでしょう。」
「そうね。まあ、この子は合格ね。あと、ふたりね。いや、四人にしても、いいわよね。」
「そりゃまあ、良いですけど・・・あなたの判断基準がいささかはっきりしません。それに倍増だと、侍従長様が渋るかも。」
「まあ、判断基準は、『勘』ね。じいは、大丈夫よ。」
『またまたあ、貴方はだいたいそもそも、人間じゃない。『感情』も『勘』もない。』
「おやや、貴方だってそうでしょう? コンピューターさんなんだからさあ。」
『何をおっしゃるヘレナさん。ぼくは、宇宙生体コンピューターですよ。機械よりは生物により近いのですから。そこゆくと、あなたは、生物ですらないんだから。』
「長~いお付き合いなんだから、いいかげん理解しなさいな。あたくしは、寄生している人間の感情を利用できるのですわ。いまは、弘子さん、というか、ヘレナの、だけど・・のよ。」
『まあ、そこんところは、まだほとんど、未解明です。』
「ふん、てめぇ、まだ甘いのう。わいの正体を突き詰めるには、まだ相当の時間がかかりそうじゃのう。やはり、アニーさんのほかに、強力な助っ人が必要かのう。うんうん。」
『あらら。まあ、ご自由にどうぞ。成功したこと、ないくせに。あの、リリカさんでさえ、いまだにあなたの正体を掴めずにいる。』
「まあね。でもね、気になってる男の子がいるのよ。『南北アメリカ国』にね。」
『ほう・・・・・夫にするのですか?』
「まさかあ~~~! それは、もう弘君に決まってるんだもん。まあ、よく行って、愛人かなあ。」
『・・っ、どぎゃあ~~、そりゃあ、また侍従長様が大変だあ。』
「ほほほ。お、ルイーザ様が、新しい指令を出しそうね。もう少し、ほっときますか。」
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『は~い。では、10分休憩して、ストップ&ダ~っシュ。そのあと、バッティング、やりまあす!』
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************ 付録 ************
「やましんさん、相変わらず、ストレート溜まってますねぇ。お肩が、がちがちよ。」
「いやあ、四十肩とか五十肩とかでねぇ、こう、動かすと、痛くって仕方ないですよ。」
「六十肩でしょう?」
「いや、まあ、そういうのですよ。世の中では。」
「一っぺん切り離して、中身のお掃除しましょうかあ?」
幸子さんが、でっかい鬼の包丁を持ち出しました。
「ああああ、いややや、そこまではいいです。」
「地獄では、これで、うで切ったり、首切ったりしますよお。でも、『喝喝!』とか言うと、元に戻るの。幸子はお池担当の鬼だから、やったことないけど。ちょと、試しに・・・・」
「あ、いえいえ、遠慮しておきます。」
「なあんだ。ま、慌てなくていいっか!お饅頭食べよ~っと。お酒ぱっくは、どこかなぁ~~~」
「ひえ----あぶなかったあ・・・・」
「あの、やましんさん? こんにちは、ご機嫌いかが?」
「はい。あ、あ、あ、あおわわ~~、洋子さんだあ!」
洋子さんは、松村家の中で、最も危険な方なのです。・・・・・・
・・・・・・・・・・つづく
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