表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/42

#9 不機嫌な仲間

(っちょうぅ)‼ 何か、本当(リアル)みたいな話しで、こんなに感動したのはぁ~~まりなも初めて~~」


 感動を口にする彼女に、どこか違和感を感じたけど。

 俺は無視を決め込んだ。そんな直感なんか、俺にはどうだっていいし。聞く真似も、言われる真似なんかもされたくないし。面倒事は、ご免被るんだ。

 だから、俺が今、彼女に言えばいいのは。当たり障りのない謝礼だ。


「そうですか? ありがとうございます」


「それで? それで?? 誰を紹介されたの?!」


 食い迫るように、俺へと言い迫って来る彼女の目が怖い。どこか、深い闇が感じられたからだ。

 漆黒、そのものをだ。

 決して、踏み込んではいけない――キレイな泥沼(ヘドロ)だと感じた。

 

 ◆◇


 フムクロが俺に呼んでまで紹介したのは、地球で言えば。狼か、チーターか、ピューマか。

 明らかな肉食系男子(どうぶつ)だった。

 

「どうして。お耳が長いの?」

「音を逃さない様にする為じゃないのか?」

「どうして、お口が大きいの?」

「? 飯を食う為なんじゃねぇの?」

「どうして、お目々(めめ)があんなに大きいの?」

「はぁ? 個性だろう?? お前、おかしいぞぉ? フジタぁ」


「個性じゃあねぇよ?! これは肉食だしょう!? 何?? 俺を食わせる気なのか?? あんた、散々と父親(オヤジ)面なんかしておいて、っさぁ‼」


 思わず、俺は赤ずきんちゃん的。立ち位置(ポジション)を感じてしまった。

 しかも、彼の家も藁のような、おとぎ話の家だってこともあって。

 ビビってしまったってのもあって、泣いてしまったのはしょうがないじゃないか。

 裏切られたって、一瞬、思っちまったんだからさぁ。

 ぎゃんぎゃん、喚いてしまった俺に、彼も長い髪を掻いてしまっていた。

 どうしたものかとばかりに、フムクロを見ていた。

(ワリ)ィなぁ。ダンマルよぉ。こいつってば、人見知りが酷くてなぁ」

 バンバン! と俺の腰を叩くフムクロに、俺は痛かったが、やり返すのを我慢をした。

 仕返しはいつだって出来たからな。


「……いや。私なんかに会いに来るのは、君くらいだ。どうせ、私は嫌われ者だよ。っは、はは……ははは……――はぁ~~」


(くら)っっっっ‼」


 それが、ダンマルとの出会いだった。

 当時の彼は、俺なんかよりも小さかったが、どの種族よりも強く、同時に、滅びゆく種族と比喩されていた。理由は、伝染病だ。街から隔離されたかのような地区に、藁の家があった。

 そこに俺はフムクロに連れて行かれたんだ。

 全く、その事実(こと)を聞かされずに着ていたことを知ったのは、かなり、あとになってからだった。

 怒りを通り越して、あっそうなの? と言った日。


 ダンマルが啼いた。

 身体を震わせて、大声で吠えるかのように。


「こっちの息子は。フジタっ(つぅ)ってな。見て分かるように、異界人だ! だから、お前に戦闘能力を上げて欲しいんだ! 頼むよっ。ダンマル!」


 俺の頭を掴むと、下げさせたフムクロ。


「いいけど。条件があるよ、いいかな?」


 ◇◆


「仲間にしますか? しませんか? ってテロップが見えちゃった♡」


 手を組んで、宙に顔を上げる彼女の夢心地の表情に。

 俺も、小さく笑ってしまう。確かに、ドラクエとかFFとか、冒険ゲームのあれなテロップが、俺だって、浮かんださ。やっぱ、どの人もそれが浮かぶものなんだな。


「それで? それで、どうなったの?? ダンマルちゃん!」


「『仲間になった』ですよ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ