#35 再会の逢引き劇の幕開け
こっから新作となります。なんで更新も遅くなっちまいます~~
「ったく! お前は、昔となんら変わらんなァ!」
「ははは! そうですか? 女王陛下様は、少しばかり発育もよく――老けましたね」
俺が会った当時の彼女は小さく、幼かった。
まぁ、そんな彼女に手を出して、アレも出しちゃった訳ですが。
誘ったのは彼女だし、なんて。
遠まわしに俺が悪いだけじゃないって、頭の中で肯定をし続けた。
「……私は。お前の好みの女になれたのだろうか?」
顔も、耳まで真っ赤に言うイズミノミフ。
いや、和泉。
「どうかなぁ? どう思います? 和泉ちゃんは」
「っき、貴様ぁ~~‼」
腕を振りかぶって、勢いよく俺の腰を殴打する和泉の拳。
「って、ててて! 痛いってば、和泉ちゃん」
俺の悲鳴に和泉も止めてくれた。
「それで? あの車はどこじゃ? フジタ」
「ああ。車はここまで来るににゃあ人が多過ぎたんで、遠くの場所に駐車したんだけど? 何?」
「遠くとは何処なんじゃ?? いや! 言うよりも早く行くのじゃ!」
そう強い口調でいうと和泉は俺の腕を引いて、強い足取りで歩き出した。
俺も、引っ張られるがままについて行く。
「そっちじゃなくて。こっちなんだけど?」
俺がいうと和泉も、指先の道へと向かった。
「必死過ぎない? そんなに俺なんかの奥さんになりたいの?」
「当たり前じゃ! 一度でも身体を交じれば、それは夫婦の契りなんじゃぞ!? 馬鹿も休み休みに言ったらどうじゃ! 馬鹿者めがっ!」
(重いなぁ~~)
処女を拗らせた女、そのものになり果てていた和泉。
可愛くないってことは思わないし、むしろ、たった一度のSEX、……濃厚だった行為に幼女だった彼女もよく耐えたとも思うし。まぁ、成人女性に擬態化していたけどもだ。
そんでもって、俺なんかの子供も身ごもって、産んだっていう強者でもある。
そんな女に心惹かれない男がいるだろうか。
しかも、40代の手前の男にとったら、10歳以上も年下の幼妻だぞ。
けして悪い物件なんかじゃないが、肩書きが少し重い。
しかし、娘の成人の儀。
戴冠式を向かえれば、晴れての一般人となり。肩書きもなくなる。
彼女は自由だ。
娘の自由と引き換えに。
「ひっどい母親もいたもんだなぁ~~」
「ふん! どの口が言うのじゃ? ったく、本当に昔から変わらんな、お前は!」
「……変わっていて欲しかったですか? 女王陛下様は」
グイグイ、と引っ張り続ける和泉も無言になってしまう。
俺も、思わず宙を見上げた。
「!?」
うん。なんつぅか、驚いたね。




