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三国ロマンス(1)  作者: かりん
3/10

乱世を終える少女3

関羽、張飛、気をつけろよ。

兄貴こそ。

安心しろ、ここは安全だ。

そうでしょう、付き添ってくれている劉備殿。

お・・・お前には負けるよ。

・・・

お?

お、今度は誰だ?~

この女の子は本当に愛らしいな。名前は、張・・・張なんだっけ?

張遼、ま・・・覚える必要もないわ。

関雲長の道を止めたって聞いたけど?

あ、あの頑固な女の子のことか?

見たところ話は本当みたいね、じゃあ私の練習相手になってもらうわ。

こい!

わああああああああ!助けて!

大したことはないっていうけど、なんでこんなに多いの!

うんうん、張飛のやつは本当に勇敢だな。

ただ暴れまわっているだけだ。あのバカ・・・

ははは、目的が達成すればいいじゃないか。

ふう・・・

そろそろボロがでてきたようだな、女の子ちゃん!

待て!

今度は誰だ?

一人で二人を相手にする必要はないぞ、文遠。

将軍、助けてくれてありがとう。

(呂布の配下にも猛将がいたとは知らなかった。)

(これはしかし・・・)

袁紹、兵を引いた方がいいのじゃないか。

こんなことで武将を失うのは割に合わないだろう。

お前・・・

どうした、俺のいうことは何か間違っているか?

報告です、ご主人様!

どうした、言ってみろ!

徐州が襲撃されました。袁術の軍隊です!

何!?

呂布将軍、兵を引いた方がいいのはお前の方みたいだな。

ふん、コソ泥みたいなやり口に関しては、お前たち袁家にはかなわんな。

撤兵!

敵はようやく散り散りになっていったな。

私の計画はどうだ?

すごい効果だ。これならば明日の朝まで持ちこたえられる。

そういえば、城壁の辺りの火は一体何なんだ?

あれは、一つの防御手段だ。こういう時に密かに奇襲をされたくないんでね。

当に、敵を知り己をしれば百戦危うからずということだ。

ん?

いずれにせよ、あれは敵を欺く計略だ、あまり気にしなくていい。

わわわわ、こんなに多いと反撃ができないよ!

張将軍、早くこっちに来て!

お?!夏侯将軍!

城外から援軍を連れてきた。

・・・本当に無能だな。

た・・・助かった。

全軍、木刀を取れ、突撃準備!

夏侯淳達が来たみたいだな。

城外の軍営がすぐに動作を回復できたのは本当に良かった。

当然だ。夏侯一族の兵の統率力をなめてはいけないぞ。

うん。

報告です、城外に袁紹軍の軍隊が現れました!

本当に面倒だ。

こんな時に来るなんて・・・

私が相手をする。

人手が完全に不足している。間に合わないんじゃないか。

あの・・・彼らは一小部隊との戦闘にかかりきりになっているようです。

小部隊?

白馬に乗った精鋭部隊です、千騎ほどいます。

それは公孫讃の白馬義従だ!

天下は私を見捨てなかったようだ。

劉備、お前は兵を連れて助けに行け、決して無理するなよ。

分かった!曹操、お前も気をつけろよ。

私の心配は無用だ。

公孫讃!お前は本当にいらつかせる男だな。

ははは、それは誉め言葉と受け取っておこう。

この口達者が・・・

何とでも言え、私は簡単にはやられないぞ。

兵を引け!袁紹。

笑わせるな、そんな力があるならかかってこい!

ははは、なら行くぞ。

ふん!

ご主人様、敵軍の勢いはかなりのものです。我々はここはあまり強硬に出るべきではないかと。

おい・・・袁紹、我々はちゃんと話し合おう。あまりそんなに真剣になるなよ!

ふん、さっきの気勢はどこに行った?

ははは・・・和を以て貴しとなす、和を以て貴しとなすだ。

お前が時間稼ぎをしようとしているのは知っているぞ。

へへへ、ばれたか。

ひと泡吹かせてやれ、顔良・文醜!

心得た!

死ね!

!!

双方ともまて!

お?

劉備殿、また会ったな。

袁紹殿、こんな多くの兵を率いて許都に向かうなんて、なんのためだ。

許都に疫病が発生したというので、兵馬を率いて支援に向かっている、何か問題でも?

現在城内の疫病の状況はひどいので、袁紹殿の兵が城内に入るには都合がよくないかと。

それは心配しなくてよい。

兄弟、そんなに上品ぶらないで、早く私を助けてくれ。

私と曹操は盟友だ。お前ごときが口を挟むな!

・・・

現在場内は厳戒中だ。袁紹様、兵を引け。

もしいやだと言ったら?

それでは劉備の独断で、武力を以て袁紹殿を撤兵させるしかない。

独断とは結構なことだ、一緒にかかって来い!

本当にバッタの群れのようだ。夏侯将軍、私たちどうすればいい?

・・・死守。

夏侯淵ちゃん、お姉さんに聞いてるの。

私も将軍だ。

うん・・・確かに。

移動の準備だ、遊撃戦で時間をかせぐしかない。

了解!

・・・

兄弟、場内に撤退した方がいいのでは。

私の大事な騎兵もかなりやられている。

今城門の向こうは瘴気にかかった民衆と兵士でいっぱいだ。

戻ってもただ前後から攻撃を受けるだけだぞ。

もうだめだ・・・

もう少し粘れば大丈夫だ、太陽はもうすぐ昇る。

その時には勝てる?

勝てるかどうか良く分からないが、あの小娘達を信じている。

まだ我々は希望がある。

希望か・・・

分かった、じゃあこの公孫讃が派手に暴れてくるか。

ありがたい!

くそ・・・

面倒だな。

顔良・文醜、やってしまえ!

怪物どもめ・・・

関羽姉さん、私たち助けに来たよ!

張飛か?来てくれてよかった・・・

・・・

ははは・・・

敵をごっそり引き連れて助けに来るなよ!

逃げて、関羽姉さん。今逃げないと間に合わない。

言われなくても分かってる!

関将軍、お疲れ様。

お、夏侯将軍。

もうすぐ日が昇る。この戦場はもうすぐ我々の勝利に終わる。

うん。

あ・・・もうだめだ。

これで開発失敗333回目・・・

もう姉さん、あきらめちゃダメ!

張宝、あのバカの口を開けて。最後にもう一度薬を試してみよう。

分かった!

ううう、助けて!

(気のせいか?なんで内殿の中でこんな騒がしい音がするんだ。)

(もしかして張角達が襲われたか!)

頭が痛い・・・

え・・・

うん・・・

あきらめた。私は自決する。お前たちもしたければそうするといい。

だめだよ。姉さんの馬鹿!

首を斬られたくない。ただお金儲けしたいだけなのに!

私は先に「離騒」という本を取りに行く。急がなくていい、まだ十分くらい人生について考える時間があるから。

・・・お前たち何をやってるんだ。

曹・・・曹操!

曹操様と呼べ。

陣はどこだ?どうして薬材の瓶ばかりがあるんだ。

これは・・・

早く言え!これはどういうことだ!

これは・・・あの・・・ただの天師の研究です・・・

えい・・・前からうすうすと思っていたが、今回の原因はまさかお前たちにあるんじゃないだろうな?

私が知っているところでは、今回の災禍は許都を中心にして外に拡散している。

ん・・・そんなことは。

早く言え、そうなのか!

う・・・

お前たち・・・今回本当にやっかいなことを引き起こしたな。

祭日用の大花火が、どうしてこういうことになったんだ?

私が大事な材料を入れ間違えたから・・・

あ、死にたい!

死にたくても、まず解毒薬を作ってから死んでくれ!

どうして解毒薬が作れないんだ?

それは一つの貴重な材料が足りないから・・・

何の材料だ?

お札です。最低でも張道陵が使用したグレードのものが必要です。

あれが無ければ解毒性を持たせることが出来ません。

しかし、今のような状況では、どこに行けばあのような珍しい物が見つかるか。

張道陵のお札か?そういうものなら・・・私の屋敷に少しあるぞ。

そんなに貴重なものだったのか?

もちろんです。

黄巾賊を討伐した時に手に入れたものだ、色がきれいだったから手紙を書くのに使おうと思って。

それは天から授かった物への冒涜だ!

では今から私たちはあなたの屋敷に行きます。時間はありません!太陽が昇る前までに行かないとなりません。

なぜだ?

上ったばかりの太陽の朝の気があって、初めて薬の力が各地に広がるのです。

もし失敗したら、またあと一日待つしかない。

なに?!

兵を整えるのには間に合わない、我々四人で行くぞ。

うん。

必ず間に合わせましょう!

わ、胃が痛くなってきた。

こいつらなんで皆私たちのところに来るんだ。

当然だ、私たちは強いからな!

ただ通りに誰もいないだけでは・・・

突破するぞ!

なんとかたどり着いた

張宝と張梁はここで正門を守っていてくれ、私と張角で行ってくる。

分かった分かった、早くね。

おなかが痛い、ぐ!・・・

・・・

・・・

分かった、すぐに・・・

おかしいな・・・確かここに置いたはずなんだが。

曹・・・曹操・・・

曹操「様」と呼べ!

いやいや、後ろ!

!!

本当にどこにもいるな?

こいつの口にお札が詰まっている!

なんで何でも食べるんだよ!

急げ、こいつを叩け、そうすればお札が出てくる。

お・・・

ううう、本当に気持ち悪い。

一人連れてくることにしてよかった。私は本当に賢いな。

わ、唾がついてる、臭い。

ははは。

門の二人とも、戻るぞ!

・・・

どうして反応がないんだ?

まずい!!

みなバカたちがやった・・・

おなか痛い・・・

うわー、これは何回目だ!

おう・・・

張飛、気をつけろ!

う!!・・・

まずい。

関羽姉さんのつまらない性格、ほんと嫌い!

う・・・

関将軍、ここも厳しい状況だ。

本当に運命共同体だな。

姉さんなぜその男を許すの!

なぜ!

いつも黙っていた話が一気に飛び出てきたな・・・

・・・どう答えればいいか分からん。

回答不要、たたき起こすまで!

・・・本当に豪快なやり方だな。

城門を開けろ、おとなしくしろ。

何を冗談を。そうだ、兄弟。

うん、そうだ。

ここまで来たか・・・

しかし、お前たちを行かせるわけには行けない。

何がお前たちをそこまで強情にさせるんだ。

いう必要もない、敵にあえば戦う、これが将たるものの心意気だ!

戦場をなめるなよ!

讃・・・兵を引け。お前はここでやられるべきじゃない。

他の人だったら、それも考えたかもしれないが。

しかし兄弟、この公孫讃にお前を裏切ってここを離れろというのか?

そんなことは絶対できん!

本当にいつもそういう感じだな。

・・・

じゃあしかたない、一緒にここで勝負にでるか!

・・・本当の武勇だな、勿体ない。

急げ、でないと間に合わないぞーーーーー!

絶対間に合う、取り乱すな。

こういう人・・・本当に失敗した。

頭が痛い・・・おなかも痛い。

えーい、またやつらが道をふさいでる。

戦闘準備。

無事に目的地に着くぞ!

急いで始めろ、時間がない。

安心しろ!

この天師のプライドにかけて、絶対間に合わせる!

ほお?姉さんにもプライドというものがあったのか。

黙れ!

もうメンツは十分に与えただろう。

本当にメンツを与えるつもりならば兵を引け。

・・・

皆のもの、命令を聞け・・・

彼らを痛い目に合わせろ。

止めろ!!

お待ちください、ご主人様!

どうした?

城門、城門が空きました。

!!

何?

援軍か?

こんな危険な任務、どうして兄貴に一人でさせられるか。

そうだそうだ!

一人だったら、ただの火。

もし二人が力を合わせれば、炎になる!!

こういうときは一致団結しないと。

ここからは我々に任せてください。

その通り!

ふん、この二人は・・・

私の大軍の前で何ができる?

そうとも限らないぜ、袁紹殿。

夏候惇・・・

よし、では勝敗を決しようではないか。

こんなに時間を無駄にして、お前たちがこんなことをしても許都にはなんのメリットもないぞ。

全軍出撃!城門を攻め落とせ。

な、なに!

雷撃?

これはどういうことだ。

この大仙人の修行を邪魔するのは、どこの雑魚だ?

小娘?

張・・・大仙人、法陣が完成したのか?

おう・・・出来た。できた。今回の瘴気はすでに退散した。

空の星々も確かに消えた・・・

この足音が聞こえる?大部隊がくるみたい。

・・・

本初、もし許都にくるならばなぜ事前に言わない?

曹操・・・

許都全体が瘴気に覆われたと聞いたから、特別に兵を整えて救援に来たのだ。

しかしお前の兵どもに城門の外で止められてしまった、これは何をしたいのだ?

すまない、これは私の監督不足だ。

分かればいい。

しかし、既に瘴気は取り除かれた。本初の助けばいらなくなった。

・・・

わかった、ならここに居続ける理由もなくなったな。

全軍に伝えよ、冀州に戻る!

・・・

いずれにせよ、終わったな。

今回の事件は、張角お前が一番の功労者だ。

えー・・・

もういいだろう、彼女は功績を返上した。彼女は私に首をはねられなかったこともあって遠慮しているんだ。

ん?どういうこと?

話すと長くなる、いずれにせよとんだ喜劇だった。

数日後・端午の節句

来てらっしゃい、見てらっしゃい、新鮮なちまきだよ!

姉さん、私も食べたい。

仕事が終わるまでそんなことは考えないの、これは強制労働改造よ。

二文銭を探してきたよ。

私の端午の花火で金持ちになる計画・・・

黙れ、この悪の根源。

間違えたよ。

簡雍よ、今夜一緒に廟会を見に行こうよ。

許都の廟会はとても賑やかだと聞いたよ。

わ、いいね。

なぞなぞはやっているかな?

大晦日よりは盛大じゃないだろうけど、多分あるだろう。

うん。

ところで、飛ちゃん達は?

みんなで龍舟遊びに行った。一番になるとか言っていたよ。

いいね。

よお、劉備!

曹操、どうした?

今夜一緒に廟会にいこう。

許都の廟会はとても賑やかだぞ。

うん・・・・

あははは・・・

簡雍ちゃん、何を笑っているのかな?

何でもない、あなたたち二人はもう。

ん?

わかった、じゃあ今夜一緒に行こう。

うん、じゃあ待ってるよ。

くそおおお、今回は本当に面子丸つぶれだ。

なんでうっかりして徐州を攻めてしまったんだ。

姉さん・・・

結果ただ負けただけでなく、呂布の野郎に大恥をかかされた。

くそおおお!

姉さん、はちみつ水を持ってきたから、とにかく落ち着いて。

う・・・仕方ない。

この私は今後一生こんな目には合わないぞ。

同感。

許都は何もないか?・・・何か騙されたか。

・・・

しかし今回の借りは、いつかあの女に返してやるぞ。

最後には曹操と決裂しなかったが、これは運が良かったのか?

曹操は今大敵・呂布が前に立ちはだかっているとしても・・・

しかし・・・

えい、今は幽州辺りのことだけに専念するか。

白馬義従は確かに精鋭中の精鋭だ。そして公孫讃あの男・・・

子龍よ、劉備という人物をどう見るか?

・・・

天下の傑物といっても過言ではありません。

はは、お前は私たち兄弟のことを高く評価しすぎているようだな。

いいぞいいぞ・・・

だったら、もし私に何かがあったら。

お前は劉備のもとに行くといい。

主人、何を・・・

なぜなら、次の相手は袁本初だからな。

私とあの姉さんの間には本当に何とも言えない腐れ縁があるな・・・

・・・

終わり終わり、今のはただの冗談だ。

行った行った、私たち兄弟は酒を飲みに行くぞ、端午に飲まないわけにはいかないだろ。

はい。

私の劉備兄さん・・・

どうした?

えっと・・・・

兄さん、早く廟会に行こう。

えー(顔が赤くなる)。

・・・この女たらし

ふん!

・・・

何か間違ったことをしたのかな?

劉備、来たか!

行こう、あ・・・

ん?

・・・


・・・

これはどういうこと?

劉備、この天師は時折、あなたは本当に皇帝にふさわしい人だと思う。

何をいっているんだ!

朝から晩まで女の子をもてあそぶ生活、皇帝みたいだからね。

ぐ・・・

劉備!

ん?

ついてきて!

あ?・・・

あらら、劉備兄さん連れていかれちゃった。

曹操・・・侮れない相手だな。

気にしなくていい・・・遊ぼう遊ぼう!

姉さん、あの辺りで遊ぼう。

うん・・・

曹操?

劉備、今回のことについてどう思う?

張角達の危険性について言いたいのか?

張角達はまだコントロールできる・・・それに悪い奴らじゃない。

ただ、天下には彼らよりももっと強大で、悪意を持った者がいるように思えてならないんだ。

もしいるとしたら、面倒だな。

ただ、ただの直観だろ?

うん。根拠のない勘にすぎないんだが。

きっといないだろう、でないと天下がこんな様子であるわけがない。

そうだ、私もそう思う。

いずれにせよ、まずは今回の勝利を喜ぼう。

殿下も傷ついた人が少ないのはよかったと喜んでいる。

うん・・・

劉備。

ん?

端午の節句おめでとう。

うん、端午の節句おめでとう。

続く


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