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プロローグ

高校に入学したが、あれはやっぱり失敗だったのだろうか。

入学早々、自己紹介で将来の夢を聞かれた時に「魔法少女です」なんて口を滑らせてしまったことが原因なのか。それ以外ありえないか

せっかく、「魔法少女」と言わないように練習してきたというのに無意味だった。

本来なら美容師とか栄養管理士...いや、公務員でいいのだろう

クラスで目立たない立場を手に入れるのは。


私は中学生のときにいじめられていた。

典型的ないじめだ。

傷ついた、先生に言った、相手にされなかった、終わらなかった。

いじめの原因は恐らく、クラスでの立場だろう

私は大人しく過ごしていたつもりだったが、はたから見れば浮いてたみたい。

勉強はできない、順位はいつも中の下。

運動はできない、判定はEばっか。

顔はよくない、そこまで可愛くない。

文房具も私服も可愛くない、目立った特技なんてない

まず友達がいない。


そんな中学時代を送っていた、いじめられてて悲しかった。

そんな時に魔法少女の番組を見た、今まで何も思わなかったのに、彼女達を見て「こうなりたい」と思った。

幼稚いことはわかっている。そんなの馬鹿げてる。

それが叶わないことは気づいていたけれど、夢を諦められなかった。


まさに魔法少女ブームの中、高校生になったものだから

つい、将来の夢に魔法少女と答えるのは妥当ではないか。

いや違うのか


「あぁ...もう...また、失敗かぁ。」


屋上でぽつりと呟く。

珍しく屋上は昼放課だというのに誰もいなかった。

その方が落ち着くから嬉しいのだが。


「いっそ、このまま死んじゃおうかな」


フェンスに手をかける。

このまま自殺したら、屋上は閉鎖されるだろうか

ニュースでも流れたら中学時代の奴らは驚くだろうか


「ううん、ダメだよね。魔法少女はこんな事しないもんね。」


一応、家族は味方なのだから

中学時代一人だけ親友と呼べる子もいた。

もう会えないかも知れないけど、その子だってきっと味方してくれるはずだ。



昼ごはんのお弁当を食べ終え、教室へ向かう。

この学校、市立豊波高校は新校舎だ。

まだ開校して2年ほどしか経っていないんだっけ?

学校のレベルが曖昧で少し受かりやすかったため、中学校から遠かったため、ここにした。

後、一人暮らしがしたかったため。

一人暮らしなら、親に見られずに魔法少女に憧れられる。

そんな理由


私は授業が終わると素早く荷物をまとめ、足早にいつもの場所へ向かった。

豊波神社に向かい、お祈りすることが私の日課だ。

もちろんそのお祈りは魔法少女になることだけど

でも日課を作ったのは魔法少女関係なしにいいことだと思った。

日頃の行いがいつか身を結ぶことを信じて、暗くならないうちに帰路に着いた。


その帰り道に素敵な出会いがあった。

いや、その時点で素敵な出会いと断定するのは早いかもしれないけど

その出会いは私にとって高校生活での大きな転機になったのだ


天利みつきさん、ここの二ヶ月彼女のことで頭がいっぱいだ。

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