0010ページ 『グリノワール王国』訂正中
グリノワール王国首都ルノリカ・ルノルカ。
建国の双子王ルノルカとルノリカは女神の祝福により不老不死の体を得た。故に千年以上の時が流れた今も王城の奥深くにて人々を見守っているというが、彼らの姿を目にした者たちはすでに現世にはいない。
だが、その証拠というように首都には二人の魔法、大規模魔法攻撃及び外部魔法干渉攻撃に対抗する結界が張り巡らせている。過去には一国家を滅ぼしたという殲滅魔法『贖罪の業火』にも耐えた防御力は他国でも有名な話である。
そんな難攻不落な要塞とも言えるものの内側に入るには三つの門のうちどれかを通らなくてはならない。商人や一般人等が通る大門。貴族や王族が通る華門。最後にグリノワール王立魔導学院の生徒や関係者が通る魔門。
門にはそれぞれ受付がある。ただ、魔門は他と違い重要機密を扱う中央塔まで一気に駆け抜けることが可能な出入り口である故に大規模結界魔法とは別に特殊結界魔法が張られ二人の屈強な門番が見張っている。
入学時に生徒や関係者には特殊結界を通ることができるペンダント兼身分証が配られる。これを身に付けている限りは出入り自由だが、盗難防止のため一度その身から魔導具が外れればペンダントは消滅してしまう。もし、そうなった場合は反省も踏まえて大門から入って行くことになるのだが、グリノワール王立魔導学院のある区まで行くには書類申請して最短で一週間は掛かってしまう。
「最初に確認したいんだが、さっきみたいに一瞬で学院までとはいかなくても近くの町まで行けないか?」
「無理デスネ」
「うん、無理」
「即答か。もう質問してもいいのなら先程の移動はなんだったんだ?」
「魔法デスヨ。瞬間移動トイエバワカリマスカネ?」
「!?馬鹿な!瞬間移動など物語の中に出てくるような空想上のものだぞ」
「ソウデスカ。シカシ、体験シタ身トシテハ夢物語ダトハ言エマセンヨネ」
「それは…………そうだが、まるで夢を見ているようだ。しかし、まだ少女に見えるが一体いくつの魔法が使えるんだ?」
「少女じゃない。もう十二歳。立派なれでぃ」
「は?十二歳!?それにしては成長が遅くないか……てっきり十歳にも満ちていないか……と…………いや、うん。ニグルは立派なレディだが、リトルレディという方がよくないか?」
ニグルの射殺さんばかりの眼力にロイは負けた。
「りとるれでぃ……。うん。何か可愛い。採用」
「フッ、案外危機回避能力ハ高イノデスネ。シカシ、本人二魔法ノコトヲ聞クノハマナー違反ダト聞イテイタノデスガ?」
「確かにそうだが、一緒に行動するなら知ってた方がいいだろ」
「――――と言うわけでグリノワール王立魔導学院に行く近道は魔門を通るんだが、大門から行くという選択肢は最初から考えていない。今は長期休暇中で学外にいる訳だが、それも残り僅かだ。新学期が始まって早々にあるテストに合格しなければならないからチンタラしている暇はない。ただペンダントを持っていない者が魔門を通るには受付審査を受けてもらわないといけないんだが……」
「受付審査トハ?」
「受験者が通る道でもあるんだが……グリノワール王立魔導学院は実力主義だ。入学希望者は魔門の受付で自分の実力を示すのが第一関門とされ、魔法を一つ見せなければならない。合格すれば仮のペンダントが渡され中に入ることができる。ちなみに敵国のスパイが実力で入ってきた場合にも備えて色々と仮ペンダントには仕掛けが施されているらしい」
「先程モ話シマシタガ入学スルツモリハアリマセン」
「あぁ、わかっている。だが、俺の知る限り厄介なことに一般人が魔門を通るには受験者ではなくともこの方法でしか中には入れない」
「魔法、見せる?」
「あぁ。」
「うぅん。なんか……いやっ!」
「一緒に来てもらわないと困る」
「マァ、ソウデショウネ。トリアエズ、ソノ問題ハ大丈夫ナノデ心配無用デス」
「そういわれても……詳しく話してくれないのか?」
「………………ハァ。面倒デス。ドウセ門二着イタラワカルノデスカラ説明不要デイイジャナイデスカ。ソレヨリモ洞窟内デ話シテイタ疑問二答エマスヨ」
「……………」
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