音楽少女の恋愛歌
拙く下手くそ感がひどい文章ですが読んでもらえたら嬉しいですm(。_。)m
私は日高詩穂
ピアノが趣味のどこにでもいそうなJK
人は皆私のことを無口だと言う
別に無口じゃないよ。ただ考えていることに口がついてこないだけなのだよ
だから別に私は無口でも何でもないよ。むしろ饒舌と言ってもいいぐらいなのだよワトソンくん
いや別にワトソンくんとか出てこないけどね
「ねぇシィ、聞いてる?」
「…………うん」
「いやいや、流してもいいんだぞ?」
「ちょ!? 酷い!!」
「どうせ先輩とののろけしか話さねぇんだしさ」
「うっ、いや……まぁ……先輩カッコいいし……」
「ほら見たことか」
「むっ、そーゆー愛里はあのショタっぽい彼とどうなのよ!!」
「…………それは私も気になる」
「はぅ……こ……ここで………彼のことふらなくてもごにょごにょ」
彼氏ができたせいかおかげか、ここ最近で男勝りで姉貴キャラの遊馬愛里も大分乙女らしい仕草をするようになってきた
私は微笑ましく見ているつもりだけど端からみたら無表情らしい
「だぁぁぁぁ、アタシの話はいいっつーの!!」
「やーい、逃げた逃げたー」
勝ち誇った顔を浮かべてるのは入鹿美海
とても可愛く純情で皆のおも――いじられキャラである
隠してるつもりではあるだろうが腐女子だということは結構皆が知っている
現在とある人に告白したのだけどその人はなぜか罰ゲームで自分なんか告白してきたんだと思い込みそして彼女を傷つけないようにとオーケーし付き合い始め、偽物の恋人を本当の関係にしようと日々奮闘中である。
あ、愛里がキレて一瞬にしてスカートをめくり写メると言う神業をやった
前もやられたことがあるのに懲りないなぁ
ちなみに今日はクマさんでした
こんな感じに毎日が充実してて不満はない
贅沢言っちゃうともう少しだけ刺激があったら嬉しいかなぁ、とは思うけれど
いや、でも美海みたいにめくられるって感じの刺激はいらないかなぁ
恋的なのに憧れないことも無いんだけど私にはまだはやいかな、って思う自分がいるし、好きな人もいない
告白ならされたこともあるしモテないわけじゃないとは思う…………多分
さっきから『思う』って言葉ばっかりだなぁ
考えすぎだなんて言われる事が結構あるんだけどその通りかなって思えてくる
いや、やっぱこれくらい普通だと思う
そんなことを考えてたら一曲弾き終えてしまった
終えると同時にドアがノックされお兄ちゃんが入ってくる
多分待っていたのだろう
「入るぞ」
「…………どうしたの?」
「お前初音ミクって興味あっただろ?」
初音ミク…………
もちろん知ってる
よく美海と盛り上がるネタの1つだ
ただ愛里はあまり詳しくなく有名所しか知らず私達についてこれないこともしばしば
「…………それがどうしたの」
「いやな、最近友達がニコ動にオリジナル曲投稿するのにはまっててよくそれのPV頼まれるんだよ。で俺の妹がピアニストでオタクだって話をしたらこれくれたんだよ」
美術大学に通ってる兄から差し出されたのは初音ミクが描かれている箱、パソコンソフトのようだ
「やるんだったらさしえかいてやるけどどうす「やる!!」……おおっふ、お兄さんお前がこんな早く反応するの久しぶりだからビックリだよ」
「…………ありがとうお兄ちゃん」
「ん、頑張れよ」
私の求めていたほんのりとした刺激が見つかった
その日から私はしばらく作業に明け暮れた
「シィ、最近寝不足?」
「…………そんな事もない…………事もない」
「しっかり寝ないとお肌に悪いよ!」
「肌か…………やっぱあれてたら彼もがっかりするのかな」
ぼそっと愛里が呟いたのを私たちは見逃さなかった
「へぇ…………」
「…………によによ」
「なっ!?」
今日も楽しい1日だった
さてあともう少しだし頑張らなきゃな
もう少しだと思った1週間後、やっと曲ができ投稿する準備が整った
お兄ちゃんは歌詞を見ると1時間位でぱぱっと1枚仕上げてくれた
ぱっと書いたのに相当すごいレベルで「初めての投稿だし早くしたいだろうと思って少し手抜いちまった、わりぃな」とは本人の談
天才めっ
同じ兄妹なのにとても不平等
私はお兄ちゃんの天才っぷりが羨ましくも憎らしい
何はともあれこれで準備満タン
ウキウキで投稿したのもその日と次の日の感想、コメントを見るまでだった
学校から帰り投稿したのを見ると…………
「…………なに、これ……」
「あっちゃー、やっぱこうなったか」
感想欄にあるのは『ありきたり』『絵だけは最高』『歌詞が幼稚』『機材の使い方が下手すぎ』『リズムは悪くないんだけど…………やっぱり下手くそ感がひどい』などの酷評ばかり
ほとんどは絵がいいという感じの絵の感想で曲についてはただ叩かれていただけだった
「まぁ、初めてだし落ち込むなよ。俺の友達も1発目は俺の絵に飲まれちまって散々だったみたいだし、皆こうなんだ。諦めるなよ」
お兄ちゃんの言葉は全く耳に入ってこなかった
ただただ…………ショックだった
酷評から数日、私はまだ立ち直れないでいた
「シィ、最近元気無いけど大丈夫?」
「…………そう?」
「う〜ん、なにかあったら必ず相談してね? 男手が必要なことだったら愛里や先輩だって力になってくれるだろうし」
「おい! 今男手っつたよな!? アタシは女だ!!」
「あっ、そーだったね。今は頼りになる彼氏がいるしね!」
「ちっ、そのネタは飽きたぞ」
愛里がスカートを捲し上げようとした瞬間美海は後ろへ軽く下がる
「むふふ、そのネタは飽きたぞ」
ドヤ顔で美海が決めるのと同時に愛里が前へでてもう一回攻撃を繰り返す
しかし、その攻撃はスカートにはかからず上着にかかってしまった
ふわりとシャツが目くれ上がる
そしてブラがあらわになった
「…………」
「…………」
「…………美海、スポブラはどうかと思う」
「うわーん、言わないでよぉ!」
「なんだ、その、悪かった」
「こんなときだけ本気なトーンで謝らないでよ!」
「色気ねぇなぁ」
「たまたまだもん! たまたまなんだもん! うぅ、でも珍しく写メとられなくてよかった……。こんな姿先輩に見られちゃったら立ち直れないもん」
「あぁ、そりゃ悪いな」
「なんで謝る……の……っ!?」
美海は恥ずかしさやら怒りで本気で気がついていなかったようだ
写メが撮られてたこととたまたま私達を見かけて声をかけようとしていた先輩がばっちりこのシーンを目撃しちゃっていたことに
「あ、あはは、ごめんね?」
「せ、せ、せせせせんぱい、あああ、あの、どどこからみてました…………?」
「むふふ、そのネタは飽きたぞ、って辺りかな?」
「~~~~~~~~~~~」
美海は顔を真っ赤にして前の方に走り去っていった
うん、先輩まじ主人公体質
「先輩、気遣いが足りないっすよ?」
「あはは、ごめんね?」
愛里はとりあえず美海を追いかけていった
「えっーと、僕もいった方がいいかな?」
「…………今はやめといた方がいいと思います」
先輩と何も話さずただ歩く
もっとも私は何か話さなきゃと内心ばくばくなのだけど
そんな時先輩が聞いたことのあるリズムを鼻歌で口ずさみ始めた
「~~~~♪」
「えっ?」
「うん? どうかした?」
「…………その口ずさんでる曲……」
「あぁ、これ。ボカロって知ってる?」
「…………はい」
「ならわかるか。この曲最近あげられた曲なんだよね。絵が凄くてさ、再生数もそこそこのびてた曲なんだ」
「…………絵、ですか……」
「うん、人気なのは絵」
わかっていたことだけど直接言われるとくるものがある……
「曲の方は相当叩かれてるんだよね」
「…………」
「ありきたりだとか、歌詞が幼稚だとかね」
「…………」
「でも僕は好きなんだよね」
「…………えっ!?」
「そんな驚かなくても」
先輩は苦笑しながら続ける
「歌詞がさ、ピュア……なんだ。幼稚だって言われてるけど僕はどっちかっていうとさ、純粋って表現の方があうと思うんだよね。こんな優しい思い向けられたら幸せなんだろうなぁ、とも思うしさ」
先輩は言ったことが結構恥ずかしかったのか少し照れながらとても優しい笑みをしていた
私はその笑みに撃ち抜かれてしまった
少ししたら美海達が合流した
そして真っ赤になりながら先輩に謝って、その後一緒に帰りましょうと手を繋いだ
その瞬間胸がとても苦しくなった
少ししたら先輩は行くところがあるんだと別れた
先輩が行ったのを確認してから私は美海に話しかけた
「…………ねぇ、美海」
「なに?」
「…………先輩ってまだ美海のことを罰ゲームだと思ってるんだよね?」
「そ、そうだね」
改めて言われたことにずがーんって感じで落ち込む美海
だけど私の追い討ちはまだまだ終わらない
「…………なら私にもまだチャンスあるよね」
「「えっ!?」」
今日もまたいつも通り最高の日だな
「ちょっ、それどーゆー意味よ!」
帰ったら曲を作るんだ
先輩に好きだと言って貰えるようなとびきりピュアなやつをさ
読んでくださり本当にありがとうございました