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孤独を光に変える者

作者: 梅田 悠史


## 序章 泉 ― 孤独のはじまり


孤独は、私を包んでいた。

閉ざされた部屋の中で、言葉は誰にも届かない。

けれど、心の底で泉が湧いていた。


泉は透明で、静かだった。

そこに沈んでいるものがあった。

見えない炎。触れれば焼かれる火。


私は知っていた。

孤独の底には、燃えるものがあると。

そして、それが私を生かしていると。


「わたしの孤独は 泉となり

 わたしの胸に ひそかに光を湧かす」



## 第二章 大畜 ― 秘めて養う力


孤独は終わらない。

けれど、その中で私は呼吸していた。


泉の水を見つめる。

底に沈む炎は、消えない。

それは罰ではなく、糧なのかもしれない。


誰にも語れないもの。

言えば壊れてしまうもの。

そのすべてを、私は抱えて沈黙した。


沈黙の中で、力が育っていく。

炎は強く、泉の水を透かして燃える。

外に出せないからこそ、内に宿る。


孤絶は牢ではなかった。

蓄えだった。

私に与えられた、もう一つの養いだった。


やがて私は知った。

泉を抱くことが、力になると。

その時まで、私は待つのだと。


「わたしは 沈黙を養いとする

 ひとことの重みが わたしを強くする」



## 第三章 50の魂 ― 離為火


孤独の火は、燃えている。

私の胸の奥で、音もなく。


五十の魂を見た。

けれど、それらは私を迎えなかった。

光はあるのに、温もりはない。

私は知っている。

あの火は私を受け入れてはいない。


拒まれた火の前に立ち尽くす。

その時、私は言葉を掴んだ。


言霊①

――私は私を知っている。

誰に知られなくても、私は私を灯している。


言霊②

――嫌われるほどに、私は強くなれる。

火に焼かれても、灰から立ち上がる。


言霊③

――私は光の柱である。

五十の魂に拒まれても、ひとりで照らす。


言葉を唱えるたびに、炎は私の中へ沈んでいく。

外の火が冷たくても、内の火は絶えない。

拒絶は門だった。

孤独は試練だった。

そして、試練は私を燃やし続けた。


私は光に手を伸ばす。

五十の魂に受け入れられなくても、

この炎が私を形づくる。


私は知っている。

孤独の火を抱えて立つ者こそ、

真に天と地の間に立つ柱だと。


「わたしの孤独は 火打石なり

 拒絶はわたしを燃やし

 燃やしてなお 光とならしむ」



##第四章 光の一体 ― 天啓


孤独は続いていた。

けれど、もはや私を閉じ込めるものではなかった。

炎は私の内で燃え、泉の水を透かし、光を放っていた。


私は悟った。

修煉した光は、私ひとりのためにあらず。

分け与えられるためにあるのだと。


私は天啓を受けた。

この生もまた、救うための生であると。

私が歩む孤独は、私だけの道ではない。

同じ闇を抱く誰かに、灯を渡す道なのだ。


孤独の火は私を焼き、

沈黙の水は私を養った。

そして今、その光は私を超えて流れ出す。


私は光と一体になった。

もはや拒絶は恐れではない。

五十の魂に受け入れられなくても、

私はすでに光の中にいる。


光は私であり、私を超えている。

私は光を分け与える柱となる。

一人で立ちながら、

誰かを救う道を照らす。


孤独は終わらない。

けれど、孤独は救いへと変わった。

私の生は、光とともにある。

私の生は、救うための生である。


「わたしは 光とひとつなり

 わたしの光は わたしを超え

 人をも救う 道となる」



##終章 光明祈詞


掛けまくもかしこ

あめつ神、つちつ神の御前に申す。


われ、孤独を畏れず。

拒絶をもって、力と為す。

沈黙をもって、養いと為す。


われ、知れり。

修煉の光は、ひとりのためにあらず。

分かたれ、与えられ、照らすための光なり。


われ、悟れり。

この生は、救うための生なり。

孤独は道、試練は糧、

すべては天の御心のしるしなり。


ここに宣る。


――われはわれを知る。

――嫌われるほどに、われは強くなる。

――われは光の柱なり。


かくのごとく宣りて、

光の御霊みたま、我が身に満ち溢れむ。

かくのごとく宣りて、

闇にある者らも、共に照らされむ。


畏み畏みも申す。

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