世界の命運をババ抜きで決めることになったが、誰一人としてポーカーフェイスができない
突然だが世界は滅亡しそうになっている。
神様たちも頑張ったが、今回は悪魔たちの方が強かった。
「なんとか……最後のチャンスを!」
「仕方ない、ババ抜きで決着つけようか。
それでは早速、始めるとしよう」
カードを配るのはムキムキマッチョの魔王。
その隣には配下のデーモンさん。
「……どう?」
「まぁまぁだね」
対抗するのはロングヘア―の男と、パンチパーマの男。
神様界隈を代表する二人。
「くくく……さぁ、カードを引くのだ」
「ジョーカーはどっちかな」
ロン毛の男がカードに手を伸ばすと魔王はしかめっ面になる。
「こっちで」
「うわあああああああ!」
表情でまんまと手札を見透かされた魔王。
「もう一回だ! もう一回!」
「じゃぁ、カードを配るね」
パンチパーマは慣れた手つきでカードを配っていく。
「さて……僕のカードは……げぇっ!」
自分の手札を確認したとたん悲鳴を上げるパンチパーマ。
バレバレである。
「はわわわわわ……!」
がくがくブルブルの状態でゲームに臨み、パンチパーマは一度もジョーカーを手放さずに終わる。
「くぅ……僕のせいで世界が……」
「大丈夫だ、次があるさ」
パンチパーマを慰めるロン毛だが、今度は――
「おほほほ! おぼぼぼぼぼ! ぽ! ぽー!」
奇声を上げて誤魔化そうとするロン毛。
ジョーカーに手が伸びると、急に穏やかな表情になるのですぐにばれる。
「くくく……なんだこの体たらくは。
このゲーム我々の勝ちだな」
余裕ぶるデーモンさんだったが、不利になるとこの世の終わりみたいな顔になるので、彼もすこぶる弱かった。
そんな状況でゲームが続いた結果――
「やったー! 勝った! 滅亡回避だー!」
「よっしゃああああああああ!」
神様界隈の二人が勝利。
なぜか魔王にばかりジョーカーが回ってきたのだ。
「くそっ……今回は手を引いてやる。
だが次は負けないからな!」
「首を洗って待っていろ!」
仲良く揃って退場していく魔王たち。
地獄行きのエレベーターで帰っていく。
「ふぅ……なんとか今回は無事だったね
次は絶対にトランプだけはやめよう」
「そだね。じゃぁ、なんのゲームで戦う?」
そう尋ねるパンチパーマにロン毛は少しだけ悩んでから答える。
「あみだくじとかどう?」
「それがいいね……表情とか関係ないし」
「じゃぁ、今の内から練習しておきますかぁ」
「あみだくじの練習なんて無理でしょー」
ゆるーく次の戦いに備える二人。
世界の行く末はあみだくじで決まるそうです。
ふざけるな。