ありがとうございます
に一ちゃんの腕のなかで今日のご飯に思いをはせていると、森の中の一本道から視界がだんだんとはけてくる。2階建ての大きな我が家が目に入ると、に一ちゃんの腕から飛び降りた。
「お。ちびは先に行くのか。気を付けろよ。」
『はーい。』
に一ちゃんたちと別れて、表の玄関まで行く。広い家だが慣れた道だ。バタバタしている人たちの脇をすいすい進むとすぐにたどり着いた。
玄関にはたくさんの人がいる。知ってる人と知らない人。よくわかんない人。いっぱいだ。
知ってる人はここのお家の人。知らない人は『おきゃくさん』だって言ってた。に一ちゃんが。よくわかんない人は、みたことあるような無いような…。まあいいや。
知らない人はお出かけだ。荷物もいっぱい持ってる。またお家に帰ってくるかはわかんない。
帰って来ても、結局は知らない人だ。覚えれない。
けど、またくればいい。
来たらその時はお出迎えしてあげる。
知ってる人の近くにある、何時もの席に音をたてずに飛び乗る。ちょうどいい大きさの、ふかふかの座布団の上。特等席だ。
ちょこんと座ると、周りの人が相好を崩す。かわいいだろ。
ねーちゃんがよく言ってた。このかっこうが一番可愛いって。
だから一番かわいいかっこうで、いちばんかわいい笑顔でお見送りしてあげるんだ。
『いってらっしゃーい。』ってにゃ。
ここはマバロの宿。カーデ国の北部、キアメスの街の外れにある森の、河瀬の温泉宿。
美味しい料理と温泉。
そして看板娘が疲れたあなたを癒やしましょう。
近くにいらした時はぜひお立ち寄り下さい。
ご利用お待ちしております。
結構ムリクリですが、完結です。
ありがとうございました。




