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東方短編集 ~Very Very Tiny Story.

東方短編集 ~Very Very Tiny Story. Vol.2

作者: 水道水

暇な時に書いたので文章が欠けているかも。

It's Because of the spring cherry blossoms.


東方短編集 ~Very Very Tiny Story. Vol.2




Letty Whiterock


春は憂鬱だ。

春は他の人ならば本来喜ぶが、私は好きではない。

春でやる事と言ったら、家でただひたすら冬を待つ。

夏は地獄だ。

夏は他の人なら湖で泳いだりするが、私にとっては無くて良い季節だ。

夏でやる事と言ったら、家を真冬の様にしてただひたすら冬を待つだけ。

秋は快い。

だんだん冬の足音が聞こえてくる。

日に日に寒くなっていって、あと少しで冬なんだと実感出来る。

さて、あと一月で冬だ。


………


Chen


主人がウザい。

事あるごとに呼び出して、まあ、お使いとかなら良いけど、人の尻尾を触って来たり、抱きついて来たり、嫌過ぎる。

なので家出した。そもそも私の家はマヨヒガと言う場所だ。

「橙、ちぇーん?どこー?」

探せ探せ、見つからないぞ。

「…ちぇーん」

声が遠ざかっていく。

同時に嬉しさがこみ上げてくる。

「………ぇーん…」

もう少しでおさらばだ。

「…」

これで完全にわからないぞ。

私は無事に我が家についた。

その夜、風呂から出てゆっくりしていると、ドアをノックする音が聞こえた。

コンコンコン…

「はーい、今開けまーす。」

キィッ…

「みぃつけたぁ」


………


Alice Margatroid


「おーいアリスー!」

魔理沙だ。

「何よ、今、本を読んでいたのに。」

魔理沙がうちに来た。

「昼メシ食いに来たんだよ、今カップ麺切らしちゃってさ。入るぞー。」

私ん家のドアに触れた…!

「お昼は食べ終わっちゃったし、もう、食材も無いの。帰って。」

魔理沙が私ん家に入った…!しかもキッチンを物色してる…!

「何だよもう。人はメシ食わないと死んじまうんだぜ?」

こっちに来た…!

「知らないわ、帰って。」

ああ、ああ…


何故だろう、私が何かする度にアリスの顔が赤くなっていく。何が起きているんだ。


「なぁ、アリス…」

ああああああ魔理沙ああああああ


バタンッ


「………ぅおいっ、アリスっ!……」


………


Lily White


霊夢が珍しく昼食を食べている。

しかも私の隣の席で。

「すいません、八目鰻の蒲焼き丼下さい!」

オーダーして店内を見回す。

私と霊夢以外誰もいない。


…余程腹が減っていたのか、がっついて食べている。


「八目鰻の蒲焼き丼でございます。」

店長がそれを静かに置く。


橋を持って食べようとするが、やっぱり隣が気になる。

血眼になって食べている。


「勘定!」


会計を済ますと私は、春を告げに町へ出た。


………


Prismriver Sisters


「いやぁ、今日のライブは良かったね。」

「ああ、良い曲ばっかりだったな。」

「新曲も出たし。」


俺らは満足気に会場を後にした。

その日、プリズムリバー樂団のコンサートがあった。

俺らはその日の為に必死でバイトを掛け持ちし、何とか最前列のVIPチケットを手に入れた。


コンサートに来る人らの心境を、彼女達は知っているのだろうか?

それを含めてあの美しい音色を響かせられるのか?


………


Youmu Kompaku


今日は人里へ買い物に出かけた。

幽々子様の食費は半端ない。


まず朝食。

白飯50杯に味噌汁30杯。

焼き鮭100尾に漬物が小鉢300杯分。


食後の珈琲はブラックで123杯。


お昼は、

今日は食パンだったから、それが300枚。

ジャムが60瓶。

ハムエッグが45皿。

ホットミルクが20杯。


食後の珈琲はミルクを一垂らしして70杯。


お夕飯は、今日の献立は確か、

お鍋6人前が36杯。

白飯が190杯。

キャベツの千切りが382皿。

味噌汁が60杯。


食後の珈琲は砂糖を少し入れて100杯。


…よく太らないな。と思った。


………


Yuyuko Saigyoji


最近妖夢が怖い。

なんだろう。食後のデザートを頼むと凄い笑顔になる。異常に笑顔になる。

んで、運んでくる時も異常なその笑顔のままなのだ。

しかも、食べ終わるまで机を挟んだ反対側で正座しながらその笑顔を無言で貫いているのだ。

食べ終わったら、一瞬で皿をかっさらい、床をドタドタ鳴らしながら勝手場に向かう。

私、何かしたかな?


………


Ran Yakumo


橙が家出した。

朝起きると、布団に橙が居なかった。一緒に寝た筈なのに。

「探さないで下さい。」と置手紙が茶の間に置かれていた。

見た瞬間ショックを受けた。

あんなに愛情を込めまくって育てた命の次に大切な橙が居なくなってしまった。

動機はわからないが、探すしか無いと思った。

「橙、ちぇーん?どこー?」

庭に出て叫んだ。

でも帰ってこない。

「ちぇーん、ちぇええええん!」

森の入り口で叫んだ。

でも姿も見えない。

「ちぇええええええええええええん」

森の真ん中で叫んだ。

でも出てこない。


諦めて家に帰った。

夕方、奇跡的にトイレに起きた紫様にスキマを作ってもらった。

そこには橙の実家が見えた。

スキマを通じてそこへ近づく。

今にも橙の息吹が聞こえてきそうだ。

高ぶる気持ちを抑えて、ドアをノックする。

コンコンコン…

「はーい、今開けまーす。」

キィッ…

「みぃつけたぁ」

私は、私はその時橙に対する気持ちを盛大に鼻から噴出し、気絶した。


………


Yukari Yakumo


藍から饅頭を貰った。割と美味しかったので買いに行った。

久々に外に出た。

ずっと冬眠していて、外で何が起きているのかも分からなかった。

深呼吸してみる。

空気の美味しさを改めて実感する。

散歩がてらに少し歩こうか。

橋を渡る。

鈴奈庵を右へ曲がる。

裏路地に出る。

ミスティアが屋台をしている。

大通りへ。

山へ向かう。

スキマで適当な場所に出る。

博麗神社だ。

霊夢が寝ている。

起こしてみるか。

ゆっくり近づく。

「わっ」

「うわぁぁああっ、うわっ、あぁっ、八雲ん地のクソb…」


家に帰ってきた。

「お帰りなさい、紫様。」

藍が迎えてくれた。

「ちょっと、傘を貸して?」


スキマ内に放置していた気絶している霊夢を宙に放り投げ、自分のストレスと怒りを込めて傘を振った。


気絶中の霊夢は、あと三秒で自分の神社に激突する事を知る由も無かった。


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