7/18
第6話
「え、俺だけって⋯⋯
他の人たちはどこにいったのですか?」
周りを見ても先程と同じ空間が広がっているだけで、そこにはクラスの人たちの姿はなく、俺と女神ルースフィリア以外は誰もいなかった。
「他の方たちには別の空間に移ってもらいました。その空間の時は止まっているので、先に召喚されたなんてことはないので安心してください」
なら、後から1人だけ別に召喚されるという事態にはならないな。
「あの、では先程そろそろ時間ですね、と言っていたのは嘘ということですか?」
「ふふ、そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ。理由についてはそろそろ分かると思います」
1人残されて警戒しない方がおかしいと思うが、まあ言わない方がいいだろう。
「来ましたね」
その、ルースフィリアの呟きに何か返す間もなく目の前に鳥居が現れる。
その鳥居から出てきたのは、よく見知った顔だった。
「え?イナリ?」
「む?社か、にしてもお主また変なのに巻き込まれたのう」