第4話
今回は主人公以外の視点でのお話です
それは突然の出来事だった。
本来、授業開始のチャイムが鳴るはずの時間に聞こえたのは、パリンッと何かが割れるような異質の音。そして何が起きたのか理解する間もなく、突如発生した光によって視界が埋め尽くされる。
その光が収まった後、もはやそこには誰も居なかった。
その日、とある学校の1クラスの生徒全員が姿を消した。だがその事を知る人は誰もいない。そう、知る人は⋯⋯
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「ふむ、よりによってわしの御子を攫うとは。何処の神か知らぬが、ちとお灸を据えてやるかのぅ。」
パンッと柏手を打つと、目の前に鳥居が現れる。
彼女がその鳥居をくぐるとその姿は消え、鳥居もまるで役目を果たしたかのように消えてなくなったのだった。
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『あら、あの娘ったら⋯⋯
神無月にはちゃんと帰ってくるかしら?』
『あれ?○○○は彼のこと心配じゃないの?』
『ええ、それほど心配はしてないわ。もし彼の身に何かあっても母様が霊体は回収するだろうし、彼がこちらに来るのが早まるだけだもの』
『そう』
『まぁ、外の世界からの干渉なんて久々ですし、土産話でも楽しみにして待っていましょうか⋯⋯』