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第1話


 朝日が差し込み顔を照らし、朝が来たことを伝える。


 ぺちっ


 夢と現の間でうつろいながらも覚醒を待つ頭で、ぼーっとただ過ごす。


 ぺちっぺちっ


 この微睡みに身を任せ、このまま二度寝をしてしまおうか


 ぺちっぺちっぺちっ


 そんな誘惑が自らを襲う。


 ぺちっぺちっぺちっぺちっ


 そして遂に誘惑に負け、この気持ちの良い微睡みに身を任せ意識を手放そうと⋯⋯


 ぺちっぺちっぺちっぺちっぺちっぺちっ


「分かったよ!!起きればいいんでしょ!!起きれば⋯⋯」


 さすがに無視出来なくなり布団から起き上がると、やはりそこにいたのは予想どうりの少女であった。


「やっと起きたのぅ、(やしろ)


 黄金の髪は朝日をキラキラと反射し、そして琥珀色の瞳は見る者を吸い寄せる。見慣れているはずなのについ、見惚れてしまう。


「うん?どうしたのじゃ?おーい、ぺちっぺちっ」


 ぼーっと少女を見つめたまま反応のなかった俺を不審に思ったのか、尻尾でまたぺちぺちと叩いてきた。


 そう彼女には尻尾がある。狐のようなふわふわの尻尾は彼女の髪と同じ黄金で、またその頭上には同じく黄金の色をした狐耳があった。


「で、どうしたの?イナリ」


「どうしたの?じゃないじゃろ社。今日はお主が朝食の当番なのだから、さっさと起きぬか!」


 そう言って布団を引き剥がしにくる少女、改めイナリ。


 お狐様が早く早くと急かしてくるので、寝間着のままだが台所に向かう。


 遅れてしまったので、簡単な物でいいかと献立を決めると、髪紐を取り出し髪1つに括りエプロンを着ける。


 髪は肩につくかつかないかぐらいまで伸びているので料理の際はちゃんと括るようにしている。


 本当はもう少し短くしたいのだがイナリが「かわいいから切ったら駄目じゃ」というので切るに切れない。


 俺、男なんだけどなぁ、かわいいと言われても困るだけである。まぁ、イナリに切って貰っているので何も言えないのだが⋯⋯


 イナリは毛繕いのようで楽しいのう、と言っていたがその腕前はちょっとした美容室レベルなので、切って貰うのを止めるつもりは無い。


 ぼーっと考えごとをしながらもてきぱきと料理を進め、朝食ができあがったのでイナリを呼び朝食をとる。


 その後、学校に向かうため身支度を整えると家をでるために玄関へと向かう。


「じゃあ、行ってくる」


「いってらっしゃいなのじゃ。あっ、夜はお肉が食べたいのじゃ」


 そうして俺は学校へと向かった。




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