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第4話:最後の海

「というわけで海にいくぞ、海。明日な」

『え、何? 海? 明日?』


 厚手のTシャツにハーフパンツ姿でベッドに転がり、雄大に電話をかける優雅な俺。

 面倒事が終わった後の心は軽やかだ。

 そう、まるで週末のサラリーマンのように。


 文化祭も無事終わり、明日はその振替休日。

 多少強引にでも機会を用意しなければ、もう行くことのない場所。

 見納め、やり残しという気持ちがあるつもりはないんだけど。

 なんとなく、最後に行っておきたいと思った。


 どのみち、もう泳ぐこともないんだし、秋でも冬でも関係ない。

 だから明日でも問題ない。


「なんか予定でもあるなら別にいいけど?」


 明日じゃなくてもいつでも行けるし。


『ううん。平気だけど』

「じゃあ、9時半にバス停な」

『日茉莉ちゃんは?』


 そうだな、日茉莉も連れてくか。

 心臓だろうと膝だろうと、同じ言い訳が使えるし、置いてく理由もないか。


「雄大の方から誘っておいてくれ」


 雄大も日茉莉もスマホなので、そっちでやってもらった方が楽なのだ。

 LINEとかいうアプリケーションもあるし、わざわざ電話をする必要も無い。

 そういうわけで、俺は返事を待たずに電話を切った。





「陽太くん、おはよう」

「うす」


 バス停に着くと既に日茉莉が居た。


 秋っていうのは天気が崩れやすいらしいのだが、今日もよく晴れている。

 忌々しいことに、文化祭の間もずっと晴れていた。

 別に雨だったら中止にして、また別の日にすればいいと思ってるけど、なんとなく今日が晴れて良かった。


 母によれば、今朝の予報も10%と低かったらしい。

 ただ、この10%がむかつく。0%か100%にしろって思う。


「雄大は?」

「まだ来てないみたいだよ」


 俺よりも遅く来るのは珍しいな、遅刻か?

 携帯を見ると9時と27分。

 いつも5分は余裕をもって来る雄大にしては遅い。やっぱり遅刻だろう。

 時間を守らないなんて最低の野郎だな。来たらねちねちと説教してやる。


 なんとなく、手元で携帯をいじっているとメールが来た。

 雄大から。


『ごめん、今日行けなくなった』


 ギリギリでキャンセルのメール。

 時間は9時28分。ほんとにギリギリだよ。

 なんかおかしいな。

 いつもならキャンセルする時は余裕を持って、しかも電話で来るはずなのに。

 事件の匂いがする。


「どうしたの?」

「雄大のやつ、キャンセルだってよ」

「そうなの? じゃあ二人?」


 あ、そういうことか。

 デートでもして来いってつもりなのかも。

 それか、実は海が嫌だったとか?

 いや、それならそうでちゃんと言うし、やっぱりお節介を焼いてるつもりなのかもしれない。


 なんとなく日茉莉の方を見る。

 なんかでかい荷物を持っているけど、水着か?

 まさか泳ぐつもりなのだろうか。この寒い日に?


 馬鹿か? ああ、そういや馬鹿だった。

 きっと着いてから泳げないことに気づくんだ。

 その時の反応を考えるだけで、笑みがこぼれそうになる。


「とりあえず、行くか」

「うん」


 といっても、バスが来るのを待つんだけどさ。





 いつもの病院方向とは違うバスに乗って駅へ行き、電車に乗って三駅進んだら乗り換える。

 海へと向かうローカルな電車は、四両編成と少な目なのにガラガラで、ほぼ貸切じょうたい。

 ちょっと固くて、つるつるなボックスシートに日茉莉と向かい合って座る。


 こっちの方の、ローカルな電車にはほとんど乗ったことが無いのでちょっと新鮮だ。

 前の海の時は親の車で行ったし、ボックスシートもいい。

 なんといっても窓が背面に無いのが嬉しい。


 窓の外を見る。

 少しの畑に、田んぼに、民家に、山が見えた。


 朱の混じった秋の山。雲はかかっていない。

 紅葉とかいう言葉があるけど、けっこう緑が混じっていてあんまり綺麗だとは思わない。


 田んぼの方はもう収穫が終わってしまったらしく、稲は根元だけを残して刈り取られていた。


「のどかだね」


 そう、のどかだった。


 俺たちの住む所は都会には程遠い町だが、ここまで田舎でも無い。

 そんなあの町が、俺は結構好きだ。

 欲しいものは手に入るし、スーパーやコンビニも家の近くにある。

 駅の方に行けばモールもある。一応、急行も止まる。何故か化石も採れる。

 その程度の田舎。


 しかし、こういうのも悪くない。


「ところでバアさん、その荷物は何だ?」


 「のどかだねぇ」とか、どう聞いてもお婆さんな発言だったのでバアさん呼ばわりしてやった。


 まさか、本当に水着が入っている訳ではないだろう。

 もしそうなら、今度俺と病院に行こうか。

 いい先生を知っているんだ。循環器科のだけど。


「お弁当。作ってきたの」

「ああ、弁当」

 

 流石にこの寒い日に、水着を持ってくるお馬鹿さんではなかったらしい。


「だってもう海の家とか無いから」


 いやいやいや、別に海辺にはなくても海沿いにはあるだろう。

 刺身とか、天ぷらとか、魚介類の店が。

 まあ、そういうところのって高そうだけど。


 でも、そうか。

 夏じゃないと、海の家とかそういうのも無いんだな。


「……それ食べていいの?」

「もう?」

「雄大の分、余るだろ?」


 そうだね、と相槌の後に日茉莉がカバンから弁当を取り出す。

 弁当箱ではなく、おせちとか入っていそうな重箱だ。


「3人分だと結構大きいな、何時起きだよ」

「7時前に起きちゃって」


 朝早くに起きちゃって、お弁当作り。

 まるで、ピクニック気分だ。いや、ピクニックみたいなもんだけど。

 そういえばピクニックって、出かける場所に決まりはあるのだろうか。



 弁当の中身は唐揚げとウィンナー、玉子焼き、ほうれん草、おにぎり。

 あと、何故かごぼうを煮たやつ。

 それらがきっちりと仕切ってあって並んでいる。

 唐揚げは綺麗な出来だから多分冷凍のだな。


 見るからにシンプルで、初々しさがある。

 ごぼうはちょっと場違いだけど、定番って感じの品々。


「ごぼうは昨日の残りだろ?」

「わかる?」

「そりゃあな」


 日茉莉が朝早くに起きてごぼうを煮てたら笑う。

 しかも弁当のために。

 そりゃ笑う。


「はい」


 身を乗り出した日茉莉がウィンナーを差し出す。

 はい、あーんってやつだ。

 なんて小っ恥ずかしいやつだ。

 多分雄大の分を箸を使うから一本だけ、とかそんな理由。

 きっとそうだ。日茉莉がなんとなくしたかったからとかそういうのじゃないはず。


 別に初めてってわけでもないけど、なんとなく周りを見渡す。

 やっぱり人は居ない。

 観念して差し出されたウィンナーを食べた。


「どう?」

「普通」


 ウィンナーなんて大層な味付けするようなものじゃないし。

 多分フライパンで焼いただけだろうに。まあ、美味かった。


「はい、これ」


 次はほうれん草。

 こう次々と差し出されると、なんだか餌付けされてるみたいで気に食わない。

 大体、電車の中で飯なんか食ってていいのかよ。

 まあ、俺から言い出したことなんだけどさ。


「玉子がいい」

「あ、うん」


 そう言うと、ほうれん草を自分で食べた日茉莉は、次に玉子焼きを差し出す。


 間接キスじゃん、って思ったような。思わなかったような。

 日茉莉も少しだけ頬が赤いような。気のせいなような。


「美味しい?」

「超うまい」


 いちいち聞かれて、ちょっとうんざりしながらも答える俺は意外に律儀だと思う。

 日茉莉は俺に感謝するべきだと思う。日頃から。


「あれ? ダメだったかなあ」


 なのに日茉莉は嘘だと判断したようだ。


「おい、コラ。うまいっつっただろ」

「じゃあ、これは?」


 って次に出されたのはごぼう。


「おい、聞けよコラ」


 と言いつつも、食べる俺はやっぱり律儀だ。そして、あんまり美味しくない。

 ごぼうとかそういう野菜は好きじゃない。

 説明しがたい味。大人の味。


 そもそもこれ、お前が作ったやつじゃないだろ。

 自分ので勝負しろよ。

 そう指摘してやった。


 すると日茉莉が照れたように笑う。

 のどかだった。





 電車は50分ほどで目的の駅に着いた。

 バスや乗り換えも合わせると一時間半位の旅。

 旅ってわけでもないか。



 電車を降りた俺たちは海に向かう。

 この辺は海を観光にしているのか、海へ案内する看板が点々と立っていて。

 土地勘のない俺たちにはありがたい。


 大きさがバラバラな石の階段。錆びた手すり。

 民家の庭に、いつから置いてあるのかもわからない古い車。

 かたつむりのような丸いシルエット。それもやっぱり錆びている。


「潮の匂いがするな」

「髪傷んじゃわないかな」


 気になるんなら、帰ったらトリートメントすればいいだろ。

 いや、しろ。


「日茉莉がハゲたらどうしよう」


 そうなったら優しくできる自信がないぞ。

 普段から優しくない、とかそういうのは抜きにして。


「ハゲないもん。陽太くんの方でしょ、ハゲるの」


 売り言葉に買い言葉。

 俺は大丈夫だろ。遺伝的にも、猶予的にも。


「もしハゲたら、日茉莉の髪でかつら作るわ」

「いっぱい生えてるからね」

「いや、いっぱいは生えてねえだろ」

「10万本位はあるよ」


 なるほど、そりゃいっぱいだ。


 なんて、いつもの馬鹿話をしながら海に向かい歩く、狭い路地。

 緩やかなカーブを看板に従って抜けると海に出た。

 同時に強く風が吹いた。


 一瞬、日茉莉のスカートに目がいったけど、それはしょうがない。


 バサバサとはためきながらも捲れない日茉莉のスカートは、スカートではなくキュロットだった。

 英国っぽい感じのチェック柄で、落ち着いた色のキュロット。


 そりゃそうか。海に行くのにスカートなんて普通は履かない。

 おのれキュロット。

 半ズボンと同じような構造の癖に、一見スカートに見えるからずるいんだよ。

 まったく。


 海に来たという小さな達成感は、風とキュロットに全て持ってかれてしまった。



「海汚いね」


 ザザーン、ザザーンと寄せては返す波。なんの変哲もない。


 日茉莉の言うように海はなんか茶色っぽくて汚く見えた。

 別にゴミが浮いている訳ではない。

 ただ、透明感がなくて、底なんて全然見えない。


 なんで、茶色っぽくなるんだろうな。

 水自体が茶色いのか?

 それとも砂を巻き上げてるからか?

 でも、写真とかで見る外国の海は透き通ってるし。なんでだろう。


「日本の海で綺麗な場所って、沖縄以外にあんの?」

「わかんないけど、あると思う」


 砂浜に沿って歩く。


 サンダルの隙間に砂が入って、ちょっとウザったい。

 ビーチサンダルではなく、グラディエーターみたいな紐で覆うタイプのサンダル。

 ビーチサンダルは指の股が痛くて、どうしても嫌いだ。


 日茉莉もヒールの低い、確かミュールという名前のサンダルを履いていた。



「とはいえ、海に来ても泳がねーとやることねーな」

「えっ、いまさら?」


 今更だよ。

 海に来るのが目的で、海に来て何かをしたかった訳じゃねえからな。

 困ったことに。

 行き当たりばったりなピクニック。


「帰るか」


 目的は果たしたし。


「ええっ!?」


 日茉莉が驚きの声を上げた。


「少しくらい何かしようよ。お散歩、しよ?」

「しょうがねーな」


 しょうがないから付き合ってやるか、といった態度。

 上から目線。


「うー、釈然としないー」


 唸る日茉莉。

 とりあえず、防波堤を目指すことにした。



 足に絡む砂。波の音。潮の匂い。

 遠くの防波堤には、釣りをしている人が小さく見える。


「釣りか」


 中学の時にちょっとだけやったな。


「もうしないの?」

「しない」


 もちろん釣りには日茉莉も居た。雄大も居た。

 確か、釣りをしていた期間は2週間くらいだった。


 よくあるルアー釣り。

 ちょっと小遣いを奮発して、釣竿やルアーを買って。

 家から2km程離れた場所にある川で、鯉とか名前の知らない魚を釣ろうと頑張った。


「釣れなかったね」


 そう、釣れなかった。

 結局2週間程やって、一度も釣れなかった。

 何が悪いのかわからないけど、魚だって居るのに一度たりとも釣れなかった。

 それは雄大も日茉莉も同じ。


 それでも釣りは嫌いじゃない。

 待ってる間の静かな時間と、釣れた時の激しい時間には、底知れないポテンシャルを感じる。

 釣れた事がないからかもしれないけれど、釣りには何か不思議な期待がある。


 でも、きっともうすることはないだろうな。

 こうやって少しずつ捨てていくんだ。




 少しすると思ったよりすぐ防波堤に着いた。

 久しぶり、というのは大げさな砂以外の感触。


 絶対口には出さないけど、防波堤の上ってどこか少し恐怖を感じる。

 高さだってそんなにあるわけじゃないのになんでだろう。

 10mの飛び込み台からだって飛べるのに。

 底の見えない海だからかもしれない。


 上からテトラポッドを覗き込むと、特に何もいなかった。いや、見つからなかった。

 小さいカニとかフナムシ位はいると思ったのに。 


「いきもの、全然居ないね」


 日茉莉も後ろから覗き込む。

 俺の服を掴んで、支えにしてるのがちょっとむかついたけど許してやった。


 魚は水の中だから当然見えないとして、そういやここに来るまでに鳥も見ていない。


「カモメくらい居てもいいのにな」


 海の生き物と言ったらカモメだろう。


「うみねこ?」

「カモメだっつってんだろ」


 話を聞かねえやろうだな。


「俺、うみねこ嫌いだから」

「なんで?」

「俺、名前が適当な生き物って嫌いだから」

「よくわかんない」


 いや、わかるだろ。わかれよ。

 鳥なのに『ねこ』って名前を付けたり、虫とかでよく居るなんとかモドキって名前。

 ああいう適当なのが嫌いなんだ。

 固有名詞なんだから、固有名付けてやれよって思う。



「デートかい?」


 いつの間にか釣り人に近づいていたらしく、話しかけられた。

 日茉莉が俺の服をギュッと掴む。

 いじめの所為か、いまだ治らない初対面の人に対する警戒。


「違います」

「えっ」


 なので日茉莉の代わりに言ってやったのに、日茉莉の驚いたような声。


 やっぱりこいつ、デート気分だったのか。

 本当なら雄大も居るはずだったのに薄情な奴だ。

 まあ、こいつが俺のことを好きなのは今更なんだけど。


「なんだ、少年は天邪鬼か」


 初対面の人にも言われるってことは、俺はよほど天邪鬼な人間に見えるらしい。

 ちょっとショックだ。


「陽太くん、デートだって」

「行きずりだけどな」

「がーん」

「はは、デートではないけど仲は良さそうだ」


 初対面の人に対する警戒も一言二言で薄れるのは、やっぱり元々の性格は明るいのだろう。

 昔に色々あっただけで。

 少し喋れば日茉莉も平気になったのか、釣りのおじさんへの警戒はなくなっていた。



「釣れますか?」


 別に不快な話題でもなかったけど、話を変えた。

 さっき釣りの話をして、昔を思い出したからか興味があった。


「ぼちぼちだね。やってみるかい?」

「いいんですか?」


 おじさんから釣竿を受け取る。



 ああそうだ。

 少し、発言を取り消させて欲しい。


 ――きっともうすることはないだろうな――と

 ――こうやって少しずつ捨てていくんだ――


 って発言は無かったことにしてくれると嬉しい。

 ちょっとカッコつけてみただけなんです。本当に。

 




 おじさんに誘われて、俺と日茉莉で少し海釣りに挑戦してみた。


 話によるとルアー釣りはかなり難しいらしくて、釣れなくて当然だと思った方がいいそうだ。

 だけど、エサ釣りなら割と釣れるとか。


 なるほどと思った。

 たしかに中学の時はルアーでしかやってなかったからな。

 竿の動きとリールの引きで本物っぽさを出すのはできなくて当然だが、餌ならそもそも動かす必要もない。


 が、一匹も釣れなかった。


 釣りはクソだ。

 何がポテンシャルだよクソ。マジクソ。



「次はどうする?」


 とりあえず釣りはもうしない。

 今度は絶対。100%。


「ちょっと待って」


 そう言って日茉莉がスマホを取り出し、なんらかの操作をする。

 横から覗いてみたが、保護テープのようなものが貼ってあって画面が見えない。

 マジ小賢しい。


「あっちに公園があるから、そこでお弁当食べよう?」


 どうやらアプリか何かでマップを見ていたようだ。

 公園の場所を教えてくれた。


「こうやって見ると、スマホも便利だな」

「とうとうスマホ買うの?」

「とうとう買わねーよ」

「えー、買おうよー」


 ぎゃあぎゃあと日茉莉が喚く。

 場所もわかったし、うるさいから置いていくか。





「お弁当、残っちゃったね」

「雄大のやろーがぶっちしやがったからな」


 結局余ってしまった。

 朝食も普通に食べたし、電車内でも食べたし、量多いし。

 しょうがないな。


「どうしたんだろ?」

「さあ?」


 さっきは色々考えてみたけど、本当のところは本人に聞いてみなきゃわからん。


 それにしても、今日は久しぶりに疲れた。

 これで心臓が消耗してたらちょっと笑える。

 マジ笑えない。


 でも、来てよかった。

 最後に海に来てよかった。


「そろそろ帰るか」


 日が沈むのも早くなったし。

 今から帰ったとしても、家に着く頃には暗くなってるだろ。


 ちょっと前までは7時位まで明るかったような気さえするのに。

 光陰矢の如しだ。


 なんて。

 意味はちょっと覚えてないけど、なんかが早いって意味だったからまあいいだろ。

 多分、合ってる。


「ねえ、陽太くん」


 日茉莉が弁当をしまいながら言った。


「なんだ?」

「また、来ようね」

「……そうだな」


 別に来ようと思えばいつでも来れるのはそうだ。

 さっきの釣りのようにもしかしたらがあるかもしれない。


 けど多分もう来ることはないんだろうな、と思った。


 だからごまかすように答えた。

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