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チュー感テスト

5月は中間テストのシーズンである。


あれから半導とは、アプリでマッチしたあの日以来、クラスで顔を合わせる機会が増えていた。特にテスト勉強のグループ学習や自習室で、自然と隣の席になることが…


増えていない。

代わりに半藤から珍しくアプリ経由でメッセージが来た。

【半導みこと】

土曜の午後、空いてますか? 一緒に勉強しませんか?


カンカンはアプリ内部にメッセージ機能つき。クラスのSNSグループに所属できないとかダミーのグループにしか所属できないという心配も不要である。それを活かして代わりに喫茶店とかファミレスで2人きりになることが増えていた。


ちなみに、2人とも純高校生。アルバイトもいかがわしい仕事もエアプである。

どういうわけか、カンカンのポイントは提携している飲食店や商店やドラッグストアや宿泊施設でお金の代わりにお支払いが可能なのだ。仮想通貨の大波はすでにここまできたのか。


ファミレス・ディオニュソス


みことは制服のブレザーを着たまま、少し早めに来ていた。

オリーブグリーンの短い髪が、午後の光でほんのり柔らかく見える。

「…お待たせ」

「ううん、私も今来たところです」

注文したのは、とりあえず看板メニューの「人に囲われたいちごだったアマゾンズパフェ」。

担当はネーミングのところだけ力尽きた感がする

パフェが運ばれてくると、おれたちはスプーンを手に取った。

甘いイチゴとクリームの香りが漂う。

みことは小さく一口食べて、目を細めた。

「……おいしいです」

「だろ?俺も好きなんだ、これ」

しかし、実際は初めて食べるし、そもそもこういう若くてつるむ相手必須のお店に来たのも初めてだ。野村は意外とこういうお店が嫌いだ。おれは笑って答えたが、すぐにスマホが気になってポケットに手を伸ばしそうになった。

みことはパフェを掬いながら、静かに言った。

「秀石くん、いつもスマホ見てますね」

「え? あ、習慣で……ごめん」

おれは慌てて手を引っ込めた。みことは伏し目になって、スプーンをゆっくり動かしている。



パフェを食べ終わる頃、みことはほとんど話さなかった。


帰り道で、スマホを開く。まだメッセージのやり取りは少ない。

おれはぼんやりと画面を見つめながら、今日のことを思い返した。

自習室での短い会話。

パフェをシェアした時間。

みことの控えめな笑み。

勉強をしていない


まあなんというか、二人にとって少しずつ何かが変わり始めているのかもしれない。

そういえば、本来の目的を果たしていない。


ー勉強をしていない


テストのプレッシャーが少しずつ強くなってきた。


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