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ガチャっと!異世界攻略譚  作者: Fake


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3/5

No.3 情報収集

さて、一先ず全員のスキルを確認し終えた訳だが。


シンジ「この後はみんなどうする?俺はこの世界のことを調べようと思うんだが」


今は何をするにもこの世界の情報が無さすぎる。せっかくこんな広い城に呼ばれたんだ、大きい書庫の一つや二つあるだろう。本を読むのは苦ではないし、むしろさっさと調べたくてウズウズしてるまである。


タケル「…えっと、俺は勉強苦手なんだよな。もう少しここで体動かしてるわ!」


ミヅキ「私は少し疲れちゃったから、部屋に戻ろうかなと」


ユウト「俺も〜、王様がくれた部屋気になるし」


アヤカ「私はシンジについてくよ!一緒に調べよ!」


各々がやりたいことを述べていく。


リオナ「アタシも着いて行こうかな。色々調べたいことが__


アヤカ「…」ジー


__あったけどやっぱ疲れてるかも!アタシも部屋に戻るとするかな!」


シンジ「大丈夫か、リオナ?」


リオナ「大丈夫!本当に大丈夫だから!」


アヤカ「…」ニコッ


…?まぁ本人が大丈夫というのなら、余計に詮索するのも野暮というものか。


シンジ「…よし、それじゃあ各自動くとするか。アヤカ、行くぞ」


アヤカ「うん!」


そうして俺達は書庫を探るべく足を進め__


兵士「すまない、少しいいだろうか!」


ようとしたところで声をかけられる。


シンジ「どうしたんですか?」


兵士「あぁいや、実は王がアヤカ殿をお呼びでして。何でも、『勇者(ゆうしゃ)』スキルのことで幾つか確認したいことがあると」


シンジ「…だってよ」


さすがは『勇者(ゆうしゃ)』と言った所か。明らかに国王から注目されていることがわかる。


アヤカ「え、嫌です」


兵士「…へ?」


…ん?


シンジ「え、ちょっ、アヤカ?お前のスキルのことだぞ?多分色んなこと教えて貰えるぞ?」


アヤカ「でも今からシンジと本を…」


シンジ「本なんてあとから幾らでも読めるだろ?絶対あっち優先した方がいいって。あと兵士さん固まっちゃってるから」


アヤカ「…」ムー


シンジ「ムーじゃありません」


普段は優等生なアヤカだが、ふとした拍子にこうして変なところで頑固になることがある。それも決まって俺が絡む事柄の時にだ。一体何が彼女の琴線に触れているのだろうか。


アヤカ「…わかった。でも後で一緒に本読も」


シンジ「はいはい、幾らでも読むから行ってこい」


アヤカ「…約束だからねー!」


シンジ「分かったって…」


そんなに読みたい本があったのだろうか。


____________________________________________


大書庫__


シンジ「これは…凄いな」


アヤカを呼びに来た兵士に、ついでに書庫の場所を教えて貰って来てみたのだが。感想は、壮観の一言に尽きる。元の世界でどれだけ探しても、この規模の書庫を見つけることは不可能だろう。余りにも広い空間に、これでもかと本棚が、その中の本がびっしりと並んでいる。


シンジ(これでは、目的の本を探すのも一苦労だな)


まぁ、この世界のことを何も知らない俺からすれば目の前の夥しい量の本は全て貴重な情報源なのだが。さて、一体どれから見たものか。


…というか、異世界の文字って読めるのか?まぁ、それを言うなら異世界の人に言葉が通じてるのもよく分からないが。


???「…貴方、誰?」


突如として声をかけられる。そちらに目を向けると、そこには一人の少女が本を手に椅子に腰掛けていた。見た目からして自分よりも1、2は年下だろうか。外見からして寡黙そうな雰囲気を感じる。


???「…黙ってないで答えて」


シンジ「あぁ、悪い。俺はシンジ、この世界に呼ばれた召喚者の一人だ」


???「…召喚者、貴方が噂の。ふーん、そう。どんな屈強な奴が来るかと思ったけど、こんな子供が呼ばれるなんて伝説の術も大したことないのね」


シンジ「…いや、君も大差ないだろう。なんなら俺よりも年下に見えるが」


少なくともこの少女に子供と呼ばれる筋合いは無い。…あ、でも異世界だしな。見た目は幼いけど実は長年生きた存在の可能性もあるのか?


???「…まぁそうだけど。別に貴方が子供なのも変わらないことでしょ」


あ、そこは見た目通りなのね。


???「それで、ここになんの用?私本読みたいから邪魔するなら容赦しないけど」


シンジ「そりゃ書庫に来る理由なんて本を読みたいから以外にある訳ないだろ。少しでもこの世界の情報が欲しくてな」


???「…そう、勤勉なのね」


シンジ「単純に興味があるだけだよ」


そう言うと少女は言葉を返さずに本を読み始めた。少なくとも追い返すつもりはないようだし、有難く読ませてもらうとしよう。


本棚に向かい、本を一冊手に取ってみる。


『ヒミツ丸見え、魔物の繁殖事情!』


…随分と癖の強い本を取ってしまった。一先ず見なかったことにして戻すとしよう。


どうやら文字の認識も問題ないようだ。見たことの無い文字のはずなのに、自然と頭に入ってくる。召喚者には自動的に翻訳のスキルでも入っているのか?読み、喋りは問題ないとして書きは大丈夫なのだろうか?


…と、危ない危ない。これは後からでも確認できるか。今は本を通して情報収集をしなければ。


そうしてある程度良さそうな本を手に取り、読むために少女の居たテーブルに向かう。俺が座ろうとした場所にいくつかの本が積み重なっている。周りに人が見えないし、誰かが置いていったのだろうか。まぁ他にも席はあるし、別の場所に座るとしよう。


???「…ちょっと、そこ座んないの?」


シンジ「へ?」


移動しようとしたところで少女から声をかけられた。


シンジ「いや、ここに本あるし誰かが置いていったのかなと」


???「それ用意したの私。どうせこの世界のこと何も分かんないんでしょ?それ読んどけば最低限は分かるわよ」


本に目を向ける。『世界の歴史』、『魔法入門書』、『商人必読 経済の基本』、『魔物図鑑』、他にも様々な本が置かれている。どれもこれもが、俺が目を通しておきたいと思っていた本ばかりだ。


シンジ「ありがとう、わざわざ取ってきてくれたのか?」


???「別に…変にウロウロされても気が散るし、私が読みたかった本を取るついでに持ってきただけ」


シンジ「それでも助かるさ。ここは広いから、目当ての本を見つけるのも一苦労でな」


???「…そう」


彼女はまた本に視線を落とす。これ以上喋りかけて迷惑をかける訳にもいかないし、俺も本に目を通すとしよう。


《数時間後》


…ふぅ、こんなところか。随分と読み込んでしまったが、それ相応の収穫があった。一先ずこの世界の常識はある程度調べられただろう。どれ、整理がてら少し羅列してみるとするか。


まずこの世界。国が幾つか存在しており、その中でもこの国『グランヴェル王国』は大国家という括りに入っている。他にも『グランヴェル王国』に並ぶ大国家である『ヴォルカディア帝国』。この世界唯一の宗教国家である『ルミナリア聖王国』。様々な魔法学院が集結し一つの国家として認められた『エルダリア魔導連邦』。最大級の交易国家である『カルザーン商業国家』。


他にも幾つかの国が人類の生活圏であるこの大陸、『アストラディア大陸』に密集している。勿論、他の大陸にも人の国は存在するが基本的には辺境として扱われるようだ。どうやら他の大陸は人ではない種族、『魔族』が統治している国が多いらしい。


『魔族』とは、人ならざる種族で知性を持つ対話が可能な存在に人間が名称をつけたものらしい。魔物と生物学的な違いは無いため、同じ種族でも魔物と魔族に別れることがあるらしい。この世界では、ド〇クエのあのスライムも魔族という判定になるのだろうか。


そして、北側に存在する『北方大陸』。ここは強力な魔物が多く、人間はおろか魔族もあまり立ち入らない魔境であるとか。…いや、であったと表現する方が適切か。


北方大陸、改め『北方魔境』。およそ五年前、未開拓にも近しい場所であったその地に絶対的な支配者が現れた。それこそが『魔王』、俺たち召喚者がこの世界に呼び出された元凶だ。魔王は数名の仕える魔族を率いて北方大陸を制服、自身を『魔王』と称し人類に宣戦布告をした。


それからというもの、魔王は人類に対して戦争と呼ぶのも烏滸がましい程の一方的な蹂躙を続けている。何度か人類側の代表が直接北方大陸に乗り込んだこともあるようだが、そもそもが強力な魔物が多くて人類が開拓を諦めた地。魔王のいる元に辿り着くこともなく敗北や撤退を余儀なくされ、いつしか『北方魔境』と称され何人も寄り付かなくなった。


…と、一先ずこんなところか。国王からの説明で分かったつもりでいたが、この世界の人類は余程窮地に立たされているようだ。果たして、俺達のような学生にこの状況を打開できるのか不安に思えてくるな。


???「…読み終わった?」


情報整理をしていると、少女に声をかけられた。


シンジ「ん、あぁ。今は少し自分なりに纏めてるところでな」


???「…問題、金貨は銅貨何枚分?」


シンジ「1万枚だな。銅貨が100枚で銀貨、銀貨が100枚で金貨になる。ちなみに金貨100枚で白金貨だ」


ちなみに物価を見たところ、銅貨1枚が俺達の世界で言う1円に当たるようだ。つまり白金貨1枚で100万円という訳だ。凄いね。


???「正解、まぁこれくらいはできないとね。じゃあ次、この世界の宗教は?」


シンジ「ルミナリア教。『ルミナリア』を主神とした宗教で、人間に限らず魔族にも信仰されてる。あまりの規模から1国家として認められて、『ルミナリア聖王国』として教皇が治めてる」


???「…魔法のランクは?」


シンジ「魔法にランクは無い。括りとしてあるのは単純な初級、応用を利かせた中級、高難易度の上級だ。ランクはアイテムや魔物、冒険者に当てるF~Sまである括りだな」


つまり俺が『ガチャ』で出した鉄の剣は下から一つ上の出来ってことだ。


???「ん、合格。そこまで理解できてるなら他も大丈夫そう」


シンジ「分かりやすい本を選んでくれて助かったよ。お陰ですんなりと理解できた」


???「それにしたって随分早かった」


シンジ「元々、知らない事を調べるのが好きだったからね。本を読むのも自然と好きになったんだ」


???「そう、なんだ」


心做しか、少女の口元が笑みを帯びている気がする。


シンジ「…さて、そろそろ俺も部屋に行ってみるとするかな。幾つか本を自室に持っていってもいいかな?」


???「それはいいけど…もう行っちゃうの?」


シンジ「まだこの世界に来たばかりだからな。あまり色々詰めすぎても、身にならなければ意味が無い。なに、また明日も来るつもりだし望まなくとも勝手に来るさ」


???「…望んでない時は来ないで欲しい」


シンジ「検討しておく」


少し笑いながら答える。それに対し少女も少し笑みを浮かべる。そうして書庫の出口へと向かっていく。


シンジ「あ、そうだ。俺の名前はシンジ、君は?」


セレナ「…セレナ」


シンジ「セレナ。また明日」


セレナ「…うん」


_____________________


シンジ「…こりゃまた広いな」


通りがかった兵士の人に俺の部屋の場所を聞き、来てみたのはいいんだが。辿り着いた場所は、高級ホテルのスイートルームにも引けを取らない一室だった。


兵士さん曰く、「召喚者を呼ぶのに備え、王が国内の建築士を呼び集め作らせた客間です。何人来るか分からなかったので、あと20部屋くらい余ってます」との事。金持ちのやることは規模が違うとは正にこの事だな。


…さて、そんな部屋にゆっくりと腰を据えたい所だがそういう訳にもいかない。俺にはまだ向き合わなければいけないものがある。


シンジ「『ガチャ』」


スキル名を呟くとウィンドウが浮かび上がる。


先程本を読み分かったことだが、どうやら魔力は休憩や睡眠を取ることで徐々に回復していくようだ。俺の魔力量ならば、恐らく翌日にもなれば全回復するはずだ。


…ならば、今残っている魔力は利用しなければ勿体ない。幸い、『ガチャ』にはまだ分からないことが多い。そして理解するには試行錯誤を重ねるしかない。よって今『ガチャ』を使用しない手はない。


シンジ(果たして高ランクのアイテムが出るのか。もしくはアイテム以外も出るのか)


好奇心が溢れてくるのを感じる。逸る気持ちに身を任せ、『ガチャ』のボタンを押す。


《ポンッ》


出てきたのはあの時と同じ木製の箱。今考えれば、この時点である程度のレアリティを把握できるのか?例えば、高レアなら金色の宝箱になる、とか。そんなことを考えながら、目の前の箱を開ける。


中に入っていたのは、瓶だった。瓶が三つ、丁寧に置かれていた。


シンジ(…ん?これだけ?)


一瞬焦ったが、よく見ると中に透明な液体が入っていた。とりあえず履歴を確認しよう。


回復薬・小(かいふくやく・しょう)×3』(アイテム・Eランク)

軽い傷ならば即回復できる。浴びるよりも飲む方が効果的。


おぉ、回復薬!正に異世界の定番アイテム、三つも貰えるのは大分有難い。


ちなみに魔力の方は…


MP:30/50


変わらず10消費か。どうやら消費魔力は10で固定のようだ。ならばあと三回も引ききってしまおう。


《ポンッ》


銀貨袋(ぎんかぶくろ)』(アイテム・Eランク)

50枚の銀貨が入った袋。


シンジ「…金出んのかよ」


偽通貨とかに引っかかんないよね、これ?


《ポンッ》


シンジ「おっ、銀色の箱だ!」


収納指輪(しゅうのうゆびわ)』(アイテム・Cランク)

武器やアイテム等を収納出来る指輪。容量は5㎥程。


つっよくないこれ…?5㎥って大分入るぞ?こんな便利なものまで出てくるのか…。


《ポンッ》


シンジ「木製か…ん?」


箱を開けると、そこには一つの結晶があった。


シンジ「何だこれ、えっと履歴は…」


詳細が分からず履歴を見ようとした時…


《ビュン》


結晶が俺の体目掛けて飛び込んできた。


シンジ「ちょっ、痛…くない?」


結晶は確かに俺の体に刺さったはずだ。だが、どこを見ても結晶も無ければ刺された跡も無い。一体なんだったのか、履歴を確認してみる。


身体強化(しんたいきょうか)(使い切り)』(スキル・Dランク)

使用すると一時的に身体能力を向上させるスキル。一度使うと使えなくなる。


…スキル?


シンジ「…スキル!?スキル出てくるのか…」


一気に『ガチャ』の重要性が増した。下手すれば様々なスキルを所持できる可能性が浮上してきた。


ただ、『使い切り』という文字も気になる。そのまま受け取れば、このスキルを一度使えば使えなくなってしまうと言うことか。もしくはスキル獲得が使い切りという可能性もあるか。


シンジ「ステータス」


スキル

:ガチャ 身体強化(使い切り)


やはり、こちらでも使い切りと表示されるか。ならばスキル自体が使い切りと見て良さそうだ。『ガチャ』の中には『身体強化(しんたいきょうか)』の永続スキルもあるのだろうか。それともスキルはどれも使い切りなのだろうか。


シンジ「…ぐぬ、もっと確かめたいがもう魔力が残っていない。『ガチャ』の検証は明日に持ち越しだな」


魔力の回復薬があればまだ引けるだろうが、まだ自分達でお金を稼げない以上無駄な出費は避けるべきだろう。


「『ガチャ』の検証は無駄な出費ではない」と囁く心の中の俺を押し込め、冷静に考える。おさまれ悪魔め、生活基盤を固める方が優先だ。


一先ず剣や回復薬を、収納指輪で収納するとしよう。指輪を嵌めた手をアイテムにかざせば、そこにあった物は跡形も無く消えていた。


…あ、ちょっと待って。取り出し方分かんない。


取り出すものをイメージすれば簡単に取り出せることに俺が気づいたのは、今から数十分後の話になる。

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