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ガチャっと!異世界攻略譚  作者: Fake


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No.01 異世界召喚

目の前の光景に困惑を浮かべる。先程まで、俺は教室に居たはずだ。それがどうしたことか、瞬く間に豪華絢爛なだだっ広い空間に変わっているではないか。


落ち着け、少し冷静になろう。こういう時はまず自分の思考能力が正常であることを確かめる為、自分を見つめ直そう。


俺の名前は天城 真司(あまぎ しんじ)。現在高校二年生で、趣味はボードゲームなどの頭を使ったゲームをすること。最近は漫画を読むことも趣味に加わった。ことある事に考え込む普段の立ち振る舞いもあってか、周りからは話してみれば思ったよりも(普段あまり喋)喋ってくれる(らないやつ)というレッテルを貼られることが多い。...うん、少し泣きそうだ。だがとりあえず思考能力に問題はないみたいだ。


次は情報収集だ。まずは辺りを見渡してみる。視界に入るのは、先程までの自分と同じく困惑した表情を浮かべるクラスメイトたち。どうやら彼らも俺と同じ状況らしい。他の情報といえば、やはり随分と豪華だなと思うくらいに煌びやかな部屋であるということくらいか。


どうしたものかと頭を悩ませていると、部屋の中でも一際巨大な扉が音を立てて開かれる。そこから豪華な衣装に身を包んだ男が、背後に鎧をつけた集団を引き連れて現れた。クラスメイト達の間にざわめきが走る。


???「静粛に!」


男の声により静寂が訪れる。


???「...まずは説明を。突然、見知らぬ光景を見てさぞ混乱していることだろう。ここは、君たちのいた世界とは異なる。そして、君たちをこの世界に呼んだのは他でもない、この私だ」


ふむ、こういった展開には見覚えがある。俺のような漫画好きなら少なからず一度は見たことがあるだろう、あのファンタジージャンルの金字塔とも言える展開。


『異世界転移』、いや今回の場合は『異世界()()』と称した方が正確だろう。このジャンルが好きな人間ならば、一度は自分が体験できることを夢見るだろう。しかし、まさか本当に実現してみせるとは思ってもみなかった。胸の中に渦巻く不安、しかしそれを大いに上回る期待を抱き男の話に耳を傾ける。


国王「我が名はアルドリック・フォン・グランヴェル。この『グランヴェル王国』を統治する国王である。諸君らを呼んだのは他でもない、我らこの世界に生きる人類を助けて欲しいのだ」


その言葉に、先程まで沈黙していたクラスメイト達がまた口を開き始める。


「今、なんて言ってた?異世界?なんかのドッキリなの?」

「助けるって...俺たちただの学生なんだけど。俺たちに何ができるって言うんだよ」


どうやら今の状況をあまり快く思っていないようだ。無理もない、これが普通の反応だろう。むしろ自分のように、期待を抱く方がおかしいと言えるだろう。


国王「落ち着いてくれ、諸君らの考えは最もだ。元いた世界では戦闘を行うこともなかったのだろう。しかし、今の君たちには我々には想像し難い程の力がある。召喚者である君たちには、それぞれ強力なスキルが付与されているはずだ。『ステータス』と言って見て欲しい。そこに、今の君たちの所持する力が示される」


国王の言葉にまたしてもテンションが上がる。『ステータス』、それは異世界において基礎中の基礎とも言える要素。対象の能力を分かりやすく数値化・可視化したものであり、対象の強さを表すわかりやすい指標でもある。


さて、一体自分はこの世界においてどういう存在になれるのかここで決まると言っても過言では無いだろう。狙うはもちろんチートスキル...と言いたいところだが、正直あまり期待はしていない。別に俺TUEEE(おれつええ)がしたい訳でもなければ、余っ程自分よりも主人公気質が似合うやつらがこの中に数人心当たりがある。特別弱すぎるスキルでも無ければそれでいい。さぁ、それでは見せてもらおうか。これから俺を支え続ける、スキルの姿を!


シンジ「ステータス」


その言葉に反応して、僕の目の前に半透明状の宙に浮かぶウィンドウが現れる。


名前:天城 真司(あまぎ しんじ)

Lv:1

HP:100/100

MP:50/50

スキル

:ガチャ

(魔力を消費してガチャを使用することが出来る)


...ふむ、ある程度は予想していた通りの表示だな。しかし、問題はスキルの『ガチャ』という存在だ。


ガチャ、恐らくは僕の想像している通りのものだろう。対価を入れることで景品を獲得できるシステム、それは何となく分かる。しかし、些か説明がアバウトすぎやしないか?魔力は幾つ消費するのか、どういった景品が出現するのか、景品は使うとどうなるのか。分からないことを上げればキリがない。これは要検証が必要になりそうだ。


国王「どうやら、全員見終わったようだな。見てもらった通り、諸君らには強力な力が与えられている。君たちはこの世界において、人類の希望になれる存在なのだ」


皆が国王の言葉に耳を傾ける。どうやら全員が、今の自分の置かれている状況を理解し始めてきたようだ。


国王「当然、諸君らは巻き込まれた身だ。他の世界の人類を守ってほしいと急に言われても、簡単には受け入れられないだろう。我が申し出を断ることを、責める資格など我には無い。だが...」


それまで至極冷静な印象を受けた国王の声に、感情が乗り出す。


国王「我々は最早、諸君らに頼る他ないのだ。この世界には魔王が存在する。強力な魔物達を配下に加え、人類を苦しめている。目的は分からぬが、到底許されぬ所業をしていることは事実だ。だが、我々には奴に対抗する力がない。奴の悪行に対し、何も抵抗できずにいる事しか出来ないのだ...」


そして国王は、僕たちに対して頭を下げる。


国王「我は国王として、これ以上我が民が虐げられるのを黙って見過ごすわけにはいかないのだ!頼む、どうか諸君らの力を我らに貸してくれ!我に出来うる事ならば、全霊を賭して協力すると約束しよう!だからどうか、どうか...」


国王のその様子に、彼の後ろに控えていた兵士たちが狼狽える。どうやら、彼があそこまで感情的になるのはだいぶ珍しいようだ。それほど、切羽詰まった状況なのだろう。


???「...ひとつ、聞かせてください」


一人の少女が声を上げる。


???「私達は、元いた世界に帰れるんですか?」


国王「帰れるとも。諸君らと我、両方の承諾を得ることで元いた世界に返すことが出来る。無論、諸君らが今すぐ帰りたいと言うのならば我が引き止めることはしない」


???「それはいつでも可能なんですか?」


国王「あぁ、今すぐでも、魔王の問題を解決した後でも、もしくはその途中でも。そちらが要求すれば、いつでも応えよう」


おや、どうやら随分と都合のいい召喚のようだ。こういうのは、召喚したら目的を達成するまで帰れないというのが鉄板なのだが。


???「…分かりました。ねぇ、みんな。そういうことみたいだし、少し協力してみない?もし危なくなったりダメそうだったら、その時に帰らしてもらえばいいし」


「…そうだね。何時でも帰れるなら、少し協力してもいいかも」

「それに、少し興味あるし。この世界のこととか、自分の力のこととか!」


少女の言葉に、クラスメイト達が賛同を示し始める。かくいう自分も、彼女の意見に賛成だ。何時でも帰れるというのなら、急いで帰る必要もない。何より、自分の力を、特に『ガチャ』の力を知りたい気持ちでいっぱいだ。


???「じゃあ、私達なりに頑張ってみよっか!」


「おぉー!!」


国王「…ありがとう。本当に、ありがとう。諸君らは、この世界の希望だ」


自分達が協力する意志を見せると、国王は感謝の言葉を零した。心做しか、その瞳に涙が溜まっているように見える。


国王「…それでは、早速諸君らの力を我らに教えて欲しい。我々の持ちうる知識を可能な限り教えよう。きっと諸君らの役に立つはずだ」


そうして国王は兵士たちに、僕たちの能力を聞くよう指示を出した。


兵士「次は貴方ですね。名前は?」


シンジ「天城 真司」


兵士「よし、シンジ殿。貴方のステータスを見せてください」


シンジ「分かりました、ステータス」


兵士の指示通りステータスを出す。


兵士「どれどれ。能力は基本的ですね、それからスキルは…ガチャ?」


兵士は困惑の表情を浮かべる。その後、僕に少し待って欲しいと伝えると国王の元へ向かっていった。それから少し経つと、国王から呼び出された。


国王「シンジ、と言ったか。君のスキルなのだが、『ガチャ』とは一体何なのだ?そんなもの、()()()()()()()()()()()()()。君自身なら、詳細を知っているのか?」


ふむ、どうやらこの世界には『ガチャ』というものが()()()()()ようだ。


シンジ「ガチャとは、俺たちの世界にある賭け要素のひとつと思ってもらえれば。対価を払うことで、中に入ったものからランダムに一つが出てくるんです。ただ、スキルとしての『ガチャ』については俺も詳しくは分かっていないです。一体何が入っているのか…」


国王「なるほど…。どうやら随分と運要素の強いスキルのようだ。申し訳ないが君のスキルについて、我々から助言出来ることはないようだ。だが、召喚者のスキルは往々にして強力なものだ。そのスキルもその例に漏れず、きっと君の力となってくれるだろう。どうか人類の平和のため、頑張ってくれ」


シンジ「…はい、やれるだけやってみます」


そうして国王との話を終え、皆の元へ戻る。


タケル「お、シンジ!聞こえたぜ、お前のスキル『ガチャ』なんだってな!それって俺も引けるのか?実験も兼ねてやってみようぜ!」


いの一番に声をかけてきたコイツは、神谷 武流(かみや たける)。クラスのムードメーカー的存在であり、底抜けに明るい性格。お世辞にも頭がいいとは言えないが、それが不快に感じることもない愛すべき馬鹿である。


リオナ「あんたはただガチャが引きたいだけでしょ。先月幾らゲームに課金したのよ」


タケル「ふっ、知らねーのかリオナ。無理の無い課金は、実質無課金なんだぜ!」


リオナ「あっそ、それじゃあ次からはアタシのお弁当は要らないわね」


タケル「それは勘弁してくれ!あれが俺の生命線なんだ!あれが無くなったら生きていけん!」


リオナ「あんたねぇ…」


タケルに少し辛辣な態度を取っているのは、水無瀬 莉緒奈(みなせ りおな)。姉御肌な性格であり、クラスの男女ともに頼られている。ちなみにタケルとリオナは幼馴染だったりする。辛辣な態度も、長年培ってきた信頼関係の元成り立っているのだろう。


ユウト「どちらにせよ弁当はしばらくお預けだろ?だってまだあっちの世界帰れないんだし」


両手を頭の後ろに組みながら会話に混ざってきたのは、黒崎 悠斗(くろさき ゆうと)。普段の言動から少し性格が軽い印象を受けるが、根は真面目なやつである。あえて軽口を言うことで、場の雰囲気は和らげたりする優しい一面を持っている。


ミヅキ「あっ、みんな集まってる…。えっと、みんなどういうスキルだった?私は『生命干渉(せいめいかんしょう)』だって。えへへ、なんか凄そうだね…」


オドオドした様子で話しかけてきたのは月城 美月(つきしろ みづき)。雰囲気の通り、少し気が弱く遠慮がちな性格。でも一度やると決めたら揺るがない頑固な一面もある。


タケル「俺は『闘気(とうき)』だった!強そうだろ!」


リオナ「アタシは『観測(かんそく)』。なんかパッとしなさそうなのよね」


ユウト「『影適正(かげてきせい)』。なんか皆と系統違う気がするんだけど、そういうものなんかねぇ」


タケル「みんな強そうだな!まぁでも、多分一番強そうなのは…」


???「あら、みんな集まってたのね」


タケル「お、噂をすれば」


俺たちが話しているところに、先程国王と話していた少女が近づいてくる。


アヤカ「ふふふ、みんながいつも通りでよかった。なんだか私まで安心してきちゃった」


彼女は神崎 彩花(かんざき あやか)。うちのクラスの学級委員長で、素直で優しい模範的な性格をしている。クラスメイトの悩みを聞いて協力したり、自分からクラスメイトを導いたりとクラスのリーダー的存在である。


そして彼女は、僕たちの中でも特に注目されるスキルを所持しているようだ。


アヤカ「スキル『勇者(ゆうしゃ)』。正直、私には荷が重いと思うんだけどなぁ」


タケル「いやいや!むしろアヤカにこそピッタリだと思うぞ!」


リオナ「アタシも、アヤカが強いと安心感あるわ」


ユウト「()()()()()()()を獲得できるんだっけ?めちゃくちゃ強くなりそうだよなぁ」


ミヅキ「やっぱりアヤカさんはすごいです!」


アヤカ「シンジのスキルは『ガチャ』だっけ?一体どういうスキルなんだろうね」


シンジ「俺にも詳しい所は分からない。この後色々調べてみるつもりだ、このスキルの評価を決めるのはその後かな」


タケル「お、いいな!そしたらその時は俺達も一緒にスキルの力を確かめてみるか!」


どうやらこの後はスキルのお披露目会が始まるようだ。さて、このスキルが皆のスキルよりも劣っていなければ良いのだが。


国王「諸君らの能力を確認させてもらった。皆が皆、強力なスキルを会得したようで何よりだ。一部、扱いが難しいスキルを得た者もいるようだが安心して欲しい。外に訓練場がある、そこを好きに使ってくれて構わない。最後に、諸君らの為の部屋も一人一室用意してある。自分の家のように気軽に使ってくれて構わない。では、あとは自由に行動してくれ」


国王がそう告げると、各々行動を開始し始めた。


アヤカ「訓練場、さっきの話にピッタリだね!早速行ってみよっか」


俺たちはスキル確認のため、訓練場に向かうことになるのだった。

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