93. 半年
生徒会に入ってから半年が経った。私達は三年になり、もうすぐ武闘大会の季節が迫ってきていた。
「今年は決勝まで出来るかな」
「さあ、情勢は安定してきているし、今年は何も邪魔は入らないんじゃない?」
そんな会話をしながら頭の中ではどうやってステラに勝とうか考えていた。ステラは更に魔法の扱いが上手くなっていた。速さや正確性、威力、どれを取っても私には敵わないだろう。パパの雷の矢にも負けないぐらい魔法の扱いが上手い。起動する瞬間までどこを狙って何を発動させようとしているのか分からなかった。実戦の様に体の中に発動されれば避けられる気がしなかった。
その事から私はこの半年間、魔力の扱いを集中して鍛えた。体内の魔力に少しでも外的な力が加えられれば分かるように。それに剣術もヤニックさんと互角に争えるように成長していた。正直負ける気はしていなかった。
問題はティナだ。ティナはパパと同じような戦い方が得意だ。じわじわと攻めて来る感じだ。徐々に逃げ道が無くなる感じだ。去年の様に魔力量に物を言わせて無理やり破る手もあるが、それでは何だか負けた気がする。
(でもな~、私では思いつけないしな~)
私はパパから教えられた使い方しか出来ていない。ステラやティナは自分に合わせて工夫しているが、私には他の自分に合った使い方を思いつけていなかった。
(そういうのが、実戦で臨機応変に対応できない理由なんだろうな…)
成長するにつれて段々と自分の弱点が分かって来た。予測できない事に対応が一歩遅れる事だ。練習では次があるが、実戦ではそうはいかない。一発勝負ではすぐに死んでしまうだろう。
速い攻撃には慣れてきたが、それだけではダメだと思っていた。
(それを克服するにはやはり知識だろうな…)
私には圧倒的に知識が足りていない。ステラの様に頭が良い訳では無い。現に少しずつ学園の勉強にも遅れてきていた。主に歴史が覚えられなかった。と言っても実技で加点されまくっているから進級やクラスが下がる事は心配していない。
その為、私は最近図書室に通うようになっていた。正直本を読むのは好きでは無かったが、剣術や戦術の本を読むのは好きだ。読むだけで実際に体験したような気持ちになれる。戦術の本を読むとどの戦いで使われたかが分かり、結果的に歴史の勉強にもなる。一石二鳥だ。
魔法の本は良く分からない。パパが結局は感覚だと言っていたのを論理的に無理やり書こうとしている為、私には凄い難しい内容になっていた。
(これスラスラ読めるステラは可笑しいよ)




