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90. 強さの理由

「実戦経験と頭脳は分かるけど、情報量って?」

「良い質問だね。ここで言う情報には君達の思う情報だけでは無く、知識も含まれる。知識は力だ。相手の動きから戦術に気が付けたり、行動を予測出来たりする。君達のお父さんは行動予測が恐ろしい程に正確だ。それにもう一つ、知っている相手と知らない相手、どっちが脅威だと思う?」

「…知らない相手」

「そう、だから情報量と定義した」


 確かにパパは良く私達が次にどんな動きをしようとしているか分かっていた。それは親だからだと思っていたが、今思えば体の動き、魔力の動きから行動を予想していたんだと思う。


「分かったけど、その話、今関係ある?」

「ここでは学園の情報や少しだが国の情報も入ってくる。それにこの仕事量を効率的にこなそうと思うと必然的に頭脳も鍛えられる。どうだ?興味が湧いて来ただろう?」


(ずるい)


 そんな言い方をされれば誰だって興味を持つと思った。


「これはダメ押しだ。君達はマーク・バーデンについてどのくらい情報を得ていた?」


 ヴァーノン生徒会長は周りに聞こえないように小声で続けた。


「アリスさん、君が相手の策に嵌ったのは、情報不足が原因だ。どうせ当日まで何も調べていなかったんだろ?」


 ヴァーノン生徒会長は不敵な笑みを浮かべてきた。その顔にムカついたが、言い返せなかった。言う通りだと思った。私は彼について何も知らなかった。彼の出自も趣味も性格も何も知らなかった。それを知っていれば、事前に察知くらいは出来たかもしれない。

 それに今思うと彼があの一団に付いて来たのには違和感があった。何で彼が。彼でなきゃいけない理由は無かった。それにこれは後から聞いた話だが、キャロリンお姉ちゃんはマークが付いてくる事を知らなかった。それに当日になってキャロリンお姉ちゃんが行けなくなったのも、今思えば怪しかった。

 何も知らなかった。それが今分かった。


「私達ばかりにメリットがあって、そちら側にメリットが無いのでは?」


 ステラが質問した。確かにと思った。


「君達は何れこの国にとって重要な人物になる。その二人と今から接点を持つ事は悪い事では無いからね」


 私達との繋がりを持ちたい。その為にこうして説得して生徒会に入れようとしていると言った。

 全てがこの人の思い通りに動いている気がして気に食わなかったが、納得は出来たし、生徒会入りに前向きになっていた。


(強くなる為…)

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