89. 生徒会室
放課後、レイラ先輩が迎えに来た。彼女に案内されてある部屋に通された。そこには慌ただしく動く先輩達が居た。
「ここに座ってて」
「はい、バンナ先輩」
「レイラで良いよ」
私達は豪華なソファーに腰を掛けた。見るからに高そうだ。他の人には専用の机があったので、このソファーは来客用なのだろう。
私達が出された紅茶を飲んでいると一人の男がやって来た。
「やあ、初めまして。私はヴァーノン・オルガド。現生徒会長だ」
「初めまして、アリス・ブルスジルです」
「初めまして、ステラ・ブルスジルです」
お互いに自己紹介をするとヴァーノン生徒会長は笑みを浮かべた。
「見ての通り、今ちょっと忙しくてね。単刀直入に言うけど、来期の生徒会に入らないかい?」
「嫌です」
私は即答した。この周りの忙しさだと鍛錬する時間がかなり減ってしまうだろう。それは嫌だと思った。
「成程、素直な子だね」
ヴァーノン生徒会長は更に笑みを深めた。そしてそのまま続けた。
「君達はこのままいけば、色々な人に負けるよ。何でだと思う?」
「…弱いから?」
「ステラさんは何でだと思う?」
「…弱いから?」
ヴァーノン生徒会長の質問の意味が分からなかった。
「技量が同じでも負けるよ。今のままだとね」
「何が言いたいんですか?」
「ごめん、もったいぶるつもりは無かった。それでは本題だ。君達のお父さんは何故強い?」
パパが強い理由を考えた事は無かった。パパは強い。それだけで良かった。でも謎だ。何で強いのだろうか。
魔力操作。それはパパ程では無いが私達にも出来る。強さの理由では無いだろう。亜空間による魔力量だろうか。それも私達にも出来る。では体術や剣術だろうか。それ単体だと正直ヤニックさんよりも弱かったと思う。
「私はね。実戦経験、情報量、それから頭脳の差だと思うんだ」
実戦経験は要因の一つだろう。私達に足りない物の一つでもある。頭脳も納得した。パパは頭の回転が速い。実戦の中での思考速度は重要な物だ。パパ曰くギジノウのお陰だと言っていたが良く分からなかった。
でも情報量の差、それについては良く分からなかった。何の情報量だか分からなかった。パパは確かに王都中の情報を独自の情報網で集めているとキャロリンお姉ちゃんも言っていたが、それが強さとどう関係があるのか分からなかった。確かに情報は持っていれば、持っているだけ良いとは思うが、強さとは直接は関係ない様に思えた。
(それに、この人って強いのかな?強さについて分かっていないんじゃない?)




