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85. お姉ちゃん

 最近お姉ちゃんの元気が無い。本人は隠しているつもりだろうが、双子のステラにはわかる。最初は空腹で元気が無いと思っていたけど、多分そうじゃ無い。捕らわれている間に何かがあったんだと思う。お姉ちゃんはその時の事をあまり話したがらなかった。ステラに隠したいと思っているように見えた。


(お姉ちゃんのバカ…)


 お姉ちゃんの元気が無い事は心配だけど、頼られていない事にムカつく気持ちの方が大きかった。


「ダニーさん」


 最近関わる事の多い大人はダニーさんだ。ステラはまず、ダニーさんにどうするのが良いか尋ねる事にした。


「お姉ちゃんが最近元気ないんだけど何か思い当たる事ある?」

「…何が原因かは本にしか分からないけど、こういうのは時間が解決してくれるとも言うけど…」


 ダニーさんは苦笑いをした。本人曰くあまり友達が居ないから、こういう時どうしたら良いのか分からないと言われた。


「すまないね」

「いえ」


 次にキャロリンお姉ちゃんに尋ねる事にした。キャロリンお姉ちゃんはダニーさんより人間関係について頼りになると思った。


「う~ん、そうね…気分転換に出かけたり、買い物に連れて行ってあげたら?」

「良いかも!」


 私はその次の日も次の日もお姉ちゃんを誘って遊びに連れ出した。遊んでいる間は楽しそうにしていたが、次の日起きると辛そうな笑顔をしていた。ステラはその笑顔を見る度に心が苦しくなった。力になってあげられない。その無力感がステラに込み上げてきた。

 それにストレスを感じていたのか分からないが、段々と何に対してか分からない怒りが湧いてくる事があり、意味も無くイライラする日もあった。


(どうすれば助けになってあげられるんだろう)


 お姉ちゃんには小さい頃から良く助けられていた記憶がある。小さい頃は今よりも引っ込み思案で、中々思いを伝えられない事があった。そんな時、察して助けてくれたのは双子の姉だった。今こそ、これまで色々助けてもらったお返しをする番だと思っていた。

 しかし、今お姉ちゃんが考えている事が分からなかった。今までは分かっていた姉の事が今は良く分からなかった。何をしたいのか、何に悩んでいるのか、何に困っているのか。ステラにはその全てが分からなかった。いつも前を向いて何事も力で解決しようとする無邪気なお姉ちゃんにどうやったら戻ってくれるのか分からなかった。


(…う~ん…)

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