表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/93

84. 心

 私は数週間休んだ後、復学した。キャロリンお姉ちゃんが色々手を回してくれて、特別に休学扱いにしてくれた。

 私達が去った後もアジオンブリア王国との関係に進展は無かった。変わらず、国境付近で睨み合いをしている。

 マークは投獄され罪を償っている。罪が全て明るみになれば、恐らく死刑になるだろうとキャロリンお姉ちゃんが言っていた。

 ステラは帰って来た次の日から学園に行き、放課後はダニーさんに修行を付けてもらっていた。

 私はずっと安静にしていた。暇だった。


「お姉ちゃん、もう大丈夫なの?」

「うん、ばっちり!」


 久しぶりの登校日に同室のステラが心配しながら聞いてくれた。実は数日前から元気だったが、何だか学園に行く気が起きなかった。理由は良く分からなかった。


「お!思ったより元気そうじゃん!」


 表向きには怪我で療養中にしてもらっていたので、マイケルがピンピンしている私に元気にそう声を掛けてくれた。私は普段通り元気にマイケルに話しかけた。


(何だろう。何か元気が出ないんだよね)


 今回、捕らわれて何も出来なかったからだろうか。同級生に殺意に似た憎しみを向けられたからだろうか。理不尽な暴力に心が折れかけたからだろうか。


(私はその程度なんだ)


 理由は思いつかなかったが、私はその程度で心が弱ってしまう弱い人間なんだと思った。いつまでもくよくよしていられないのは頭では分かっているが、心と体が動いてくれなかった。当然、鍛錬にも集中が出来なかった。魔力操作の練度が低下しているのが実感できた。ヤニックさんの訓練場でも叱られてばかりだった。

 何に対しても集中できなかった。


「はあ~」


 最近、溜息が多く出るようになった。自分の頬を叩いて気合を入れても気持ちは変わらなかった。


(どうしちゃったんだろう。私……)


 気持ちが弱くなると戦闘でも弱くなる。それを今実感していた。対処法が分からなかった。気分転換に買い物や遊びに出かけても、その時は楽しいが、宿に帰って布団に入ると気持ちが落ちていくのを感じた。

 こんな状態だから周りに心配を掛けているのも感じていた。皆が気を使ってくれている。それが分かると何とも言えない気持ちになった。

 こんな風に悩んだ時、今まではパパに相談していた。それで解決しなかった事は無かった。しかし今はパパが居ない。自分で何とかしなきゃという気持ちばかりが大きくなっていた。


(明日起きたら治っていますように)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ