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83. 帰路

「それで、バーデンは何で拘束されて気絶しているの?」


 ステラは急いで帰路に就く中、私にマークの事を訪ねて来た。私はどう答えるか悩んだ。私だけでなく、ステラも恨まれていた。それを伝えてステラがどう思うか分からなかった。


「今回の件を計画した首謀者だった。帰ったら永遠に牢屋の中かな」

「そうなんだ」


 私は結局概要だけを説明した。何でか分からないが、それが良いと思った。私はそのままステラの背中に寄り掛かった。それで会話は終わった。正直会話が終わって助かったと思った。


「一旦休憩しよう」


 隊長さんが国境付近で休憩を提案してきた。そのまま隊長さんはダニーさんと会話を始めた。どうやって国境を越えようか会話しているみたいだった。国境には軍が居る。そこを素通りさせてはくれないだろう。その為の作戦会議を始めた。


「お姉ちゃん、疲れているでしょ。寝てても良いよ」

「うん、そうする」


 私は目を瞑った。かなり気を張っていたからか、疲れているからか、目を閉じるとそのまま眠りについてしまった。夢は見なかったと思う。ぐっすりと眠ってしまったようだ。


「ここは?」


 目が覚めると場所が変わっていた。森を進んだようだ。もうすぐ国境かと思った。


「もうタクステディア王国だよ。もうすぐ王都だよ」


 驚く事に寝ている間に国境を越えたらしい。


「どうやって国境を超えたの?」

「実はね…」


 ステラは説明してくれた。国境はすんなりと通れたみたいだった。ポールさん、マイケルの父親が堂々と迎えに来てくれたと言う。


「ポールさんはアジオンブリア王国内にスパイを紛れ込ませていたんだって。それで一部隊、こちら側に付ける事に成功していたんだって。それで、彼らが守っている所を堂々と通って来たって訳」

「へー自軍を裏切る人って居るんだね」

「彼らはこの戦争自体に良い思いはしていなかったみたいだよ。家族や故郷を守る為に仕方なく参加させられている平民が殆どらしいよ」

「あの王がしそうなことだ」


 平民が脅されて兵士として使われているらしい。その為、戦いたくない人が殆どらしい。だから私達をこっそり通して戦いを回避したかった。今回は利害が一致していた為に上手くいったみたいだった。何にしろ無傷で皆が帰ってこられた事を喜ぶべきだろう。

 戦争で死にたい人は居ない。パパが言っていた事を思い出した。でも、やらなきゃやられる。そんな状態を作ってしまう。人はそんな物だと。奪う方が楽だからついそちらに逃げてしまう。色々と考えさせられるなと思った。


(…帰って寝よう)

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