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70. 道中

 私達は出発した。私達の周りを兵士や冒険者が覆い囲んで周囲を威圧しながら進んだ。国内では当たり前だが、何も起こらなかった。私とステラはマークと話しながら馬を歩かせた。私は初めて馬に乗ったが、馬が良い子で私の指示通りに動いてくれたので難なく進む事が出来た。ステラも同様に上手く乗りこなしていたが、マークは少しぎこちなかった。


「どうしたの?」

「はは、恥ずかしながら少し高い位置が怖くてね」

「へー」


 聞いといて何だが、特に興味が無さそうな反応を素でしてしまった。道中はこんな感じで一言二言のやり取りのみで会話が弾まなかった。何となく居心地の悪い感じになっていた。


「僕の事は嫌いかい?」

「いや、別に。どうしたの?」

「あまりに興味無さそうに会話していないからね」

「まあ、楽しくはないかな」


 嘘を言っても仕方ないと思い、正直に言った。少し悲しそうなマークを見てもう少し言い方を考えた方が良かったなと思った。


(でも、つまんないしな、あ~体動かしたい)


 そんな事を思っているとステラが馬を寄せて来た。


「お姉ちゃん」


 ステラが小声で話しかけてきた。


「何?」


 私も小声で聞き返した。


「バーデンさんはお姉ちゃんの事が好きなんだよ?」

「だから?」

「もう少し優しくしてあげれば?」


 私の事が好きだと思っているのは正直嬉しいが、それに対してどう返してあげれば良いのか分からない。愛想良くしてあげるのが良いのかもしれない。でもそれは演じている私だ。私の事が好きなら、素で接してあげるのが良いと思った。それで幻滅されてもどうでも良いと思った。


「これが本当の私だし、それで幻滅されても別に良いよ」

「そっか」


 ただ、嫌われるのは少し嫌だなと思ってしまった。こう思ってしまうのは我儘だなと思った。嫌われるように振る舞って、嫌われたくないと思うのは傲慢だ。


(…あれ、私ってマークの事気になってる?)


 私は急に恥ずかしくなってきた。マークの事を意識している。その事実に気が付いて恥ずかしく思った。それから急にマークを見れなくなってしまった。ちらちらマークの事を伺う事しか出来なかった。それを見てステラがニヤニヤしていた。それも相まって更に恥ずかしくなってしまった。

 会話も特に無く、そのまま時間だけが過ぎていった。体を動かせず、体感時間が物凄く長く感じた。


(ああ、帰りたい)

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