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63. 技術

「ティナ!マイケルの回復を!」

「分かった」

「ステラ援護して!」


 そう言って私は前に出た。ヤニックさんには魔力に頼りすぎるなと言われているが、今は温存している余裕が無かった。私は亜空間の魔力も使って全身を魔力で覆った。そして魔力で勢いを付けた剣で魔族に襲い掛かった。

 魔族は私の剣を冷静に見切って受け流した。ただ、私の魔力で加速した剣の対応で精一杯なのか、反撃はしてこなかった。それにステラの魔法が加わって、徐々に魔族は後退していった。


(ダニーさんが来るまで持たせる)


 私は魔力を惜しみなく使っていたが、それでもギリギリ魔族と対等に戦えている感覚だった。正直気を抜いたら一瞬で逆転される。そんな気がしていた。

 私の攻撃に慣れてきたのか、魔族も後退しなくなってきていた。


(っ!しまった!)


 私がその事に気を逸らした瞬間を見逃さなかった魔族は私に剣を振って来た。私は慌てて後ろに下がるが、間に合いそうになかった。

 しかし運が良いのか悪いのか、ステラが作った氷の地面に足を滑らせて、魔族の剣を躱すことが出来た。私は急いでその場を離れた。ステラが魔法で援護してくれたお陰で、私はその場から離れる事が出来た。

 魔族は剣を構え直して再び私に向かってきた。


「良く耐えてくれたね。ここからは僕の仕事だ」


 ダニーさんが私と魔族の間に割って入って来た。魔族はダニーさんを警戒して動きを止めた。二人は見つめ合ったまま動かなかった。


「来ないのか。ならこっちから行くね」


 ダニーさんが前に出た。魔族もそれに合わせて剣を振り下ろした。ダニーさんはそれを避けようとせずに前に進んだ。そして拳で剣を弾いてそのまま魔族の胸に拳を突き刺した。その後、すぐに魔族が息絶えた。


(力技の様に見えたけどそうじゃない)


 ダニーさんは魔力操作で魔力を完全に操って、剣を弾き肉を断っていた。恐らく力はそれ程使っていない。しかし、体術は美しい程洗練されていた。体術を完璧にして魔力操作も極めれば、私もこれ程美しく戦える事を知った。


「悩んでそうだったからね。これで手本は見せられたかな?」


 一瞬の出来事に唖然としている私にダニーさんは話しかけてきた。


「君は君だ。あまりルークの真似ばかりしていると強くはなれないよ。ステラもね」

「「はい」」


 最近分かって来た。パパはパパに合った戦い方を極めている。だから強い。私には私の強くなり方がある。そう教えられた気がした。


(…頑張ろう)

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