61. 王都襲撃
「お姉ちゃん大丈夫?」
「うん、ちょっと気持ち悪い」
人を殺した罪悪感が押し寄せて来た。でも、それを考える暇なくそれは起きた。大きな音がこの会場まで伝わって来た。私は咄嗟に警戒態勢を取る。
「色んな場所から聞こえる」
大きな音は周辺から色々な箇所から聞こえて来た。
「何が起こってるんだろう?お姉ちゃん」
「分からない。でも、こいつや魔物は囮だったみたいだね」
現にこの場所に兵士や騎士が集まりつつあった。それを嘲笑うかのように、王都周辺が襲撃されたみたいだった。
「この男、クリスは嫌がらせをしに来たって言ってた」
ステラの言葉を聞いて納得した。確かに嫌がらせをされたような物だ。とにかく今は状況を把握しなければならない。この王都を一番良く知っている知り合いに会いに行くのが効率的だろう。
「キャロリンお姉ちゃんの所に行こう。情報を集めないと」
「そうだね。お姉ちゃん」
私とステラはキャロリンお姉ちゃんの屋敷に向かった。そこに居る確証がある訳では無いが、そこしか思い当たる場所が無かった。
移動している途中で、ティナとマイケルがやって来た。二人もこの大きな音が襲撃だと思っているらしかった。
「何が出来るって訳じゃないが、俺も連れて行ってくれ。ただ見ているだけなんて出来ない」
「私も、もう奪われたくない」
私達には二人を拒む理由は無かった。私達は四人で走った。キャロリンお姉ちゃんの屋敷は学園から近い場所にある。
「キャロリンお姉ちゃんに会わせてください!」
私達が門番に頼み込むと、門番は困った顔をしながら確認しに行ってくれた。そして私達は中に通された。キャロリンお姉ちゃんは屋敷に居た。キャロリンお姉ちゃんは慌ただしそうに部下に指示を出していた。
「それで、どうしたの?」
「私達も戦う。状況を教えて下さい」
「あなた達はまだ子供よ。大人達に任せておきなさい」
実力が足りていない。そう言われている気がした。私達は黙るしかなかった。
「魔族が五体。猫の手も借りたいんじゃないのかな?」
それを言ったのはダニーさんだった。いつの間にか現れていた。
(…気配を感じられなかった)
「そこまで知っているのね。流石ルークのお仲間さん」
「褒められると照れるな。それにその子達の実力は僕が保証するよ。魔族二体、僕達に任せてくれて良いよ」
「…分かったわ。状況を説明するわ」
今、王都には五体の魔族と複数の魔物が攻めてきている様だった。三体が前線で、二体が後方から魔物を操っているらしい。前線を維持するだけで手一杯の状況らしい。そこで私達には後方でこそこそしている魔族を討伐して欲しいとの事だった。
(ダニーさんはどうやって情報を仕入れているんだろう)




