58. ステラ戦
「いよいよだねステラ」
ステラも準決勝を勝った。ステラの方は苦戦もせずに勝てたみたいだった。私の決勝の相手はステラになった。
「負けないよお姉ちゃん」
準決勝からそれ程時間を置かずに決勝は始る。学年順に一年生から行われる。私達は二戦目だ。それまで控室で準備体操や柔軟をして準備をする。決勝の観客席はほぼ満員になる。一年生の試合でも大きな歓声が聞こえてくる。緊張は全くしていなかった。寧ろ楽しみで仕方なかった。
「アリス・ブルスジル準備を」
「はい」
係員が私を呼びに来た。私はすぐに会場へと向かう。ステラも反対側から入場してくるのが見えた。観客は物凄く盛り上がっていた。その盛り上がりを見て、一年生の試合も見応えがある物だったようだと推測する。
私達は向かい合って審判の合図を待った。お互いに微笑んでいた。
私達は合図と共に動き出した。お互いに前に出た。ステラも私と同様に剣を抜いていた。ステラは多くの魔法を無詠唱で発動させる事が出来る。剣で戦いながら、魔法を使ってくるのだろうと予想した。
予想通り、私の後方に魔力が集まり変化しているのに気が付く。何かしらの魔法を発動させようとしていると察知した。私はステラに斬りかかりながら後方を注意深く観察していた。魔法の種類によって避け方が変わるので、発動するまで注意深く見ている必要がある。
魔法を無詠唱で発動するメリットは、発動するまでどんな魔法なのか予測が難しい点にある。ティナの魔力操作の球も同様だが、どちらもどの地点で発動させようとしているのかは観測が出来る。私はその感覚が鋭いのでそれらによる不意打ちは効かない。ステラもそれは分かっているはずなので、今回の攻撃も気を逸らすぐらいの効果しか期待していないだろう。
私達はお互いの剣を交えた。剣に力を伝えるのは私の方が上手いので、私の方が押し気味になる。ステラの剣も同級生に比べれば重いが、私が苦戦する程では無い。
私がステラの剣を弾こうとした時、後方の魔法が完成した。雷の矢だった。パパも得意な魔法だ。雷の矢は普通の矢と違い、ただ避けるだけでは帯電している雷に当たる可能性がある。私はステラの剣を弾きながら左に大きく跳んだ。
ステラはそれを予想していたのか私を追いかけて来た。
私にも無詠唱で発動できる魔法がある。火の矢だ。それを追いかけてくるステラに向けて発動させようとしたところで背中から胸の辺りに激痛が走った。
(え?)




