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55. ティナ対策

「ねえ、ティナ!私とも戦おうよ!」


 私は試合終わりのティナに話しかけた。このままティナが勝ち進めば、私とも対戦する事になる。ティナは戦う気が無いかもしれないが、私は今のティナと戦ってみたかった。


「?…最初からそのつもりだよ」


 ティナはきょとんとした顔で答えた。前に聞いた時には全力で応援すると言っていたのに、相変わらずティナの考えている事は分からなかった。


「今回のあれは今見せるつもりは無かったんだけど、隠している技はあれだけじゃないから」

「あれ無しで俺に勝てると思われていたのか…はぁ~」


 私は笑顔になる。ティナはまだ力を隠しているみたいだった。私はそれを聞いて駆け出した。ヤニックさんの元に急いだ。このままではティナの想定通りに動かされて、私は負けるだろう。


(それは嫌だ)


 私もティナ戦に向けて対策や特訓をしなければならないと思った。もちろんこの短期間で急成長するとは思っていない。でも初見と既視では対応が変わる。初見では反応速度や動揺など動きにマイナスとなる事が増える。それを全て消せるとは思っていないが、やらないと言う選択肢は無かった。


「ヤニックさん!」

「…急にどうした?」


 私はある提案をした。それは私を八人で取り囲んで攻撃してもらいたい。という内容だ。その提案を聞いたヤニックさんは頭おかしくなったかと一言言ったが協力してくれた。

 私は只管攻撃された。それを剣でいなし、弾き、捌いていく。それを只管続けた。最初は何処かしらから攻撃を受けていたが、慣れてきた時には攻撃を受けないぐらいには感覚が分かって来た。


「これは良い訓練になりそうだな。これからの訓練に取り入れる」

「そうなの?」

「ああ、身の安全を取る行動を自動的に学べそうだ」


 頭を使いすぎてヤニックさんの言っている意味が考えられなかった。複数人の攻撃を把握してそれの対処を瞬時に考えるのは疲れた。でもこれであのティナの複数方向からの魔力の球に対処する方法は分かった。他に何を隠しているかは知らないけど、それを出される前に倒そうと思った。ティナの性格的に新技は最後の方に出してくるだろう。それまでに倒す。そう心に決める。

 次の日も順調に勝ち進んでいき、最終日の準決勝までお互い勝ち残った。体調も対策も万全だ。いよいよティナとの本気の戦いが出来る。模擬戦でも本気を出しているのか分からなかったティナの本気が見れる。楽しみ過ぎて気持ちが昂って来た。


(勝ちたい)

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