52. 武闘大会(二年)
今年も武闘大会の季節がやって来た。正直、私達の相手になる人は居ないと思えるくらいに、私達の強さは有名になっていた。
(でも、油断はだめだ)
油断から負ける事はよくある。私もヤニックさんを見て正直勝てると思っていた。でも負けた。今思えば、油断もあったし自分の力に自惚れていたんだと思う。常に自分の全力の戦いが出来るように大会前から集中していた。
相手の情報はシシリーに集めてもらった。シシリーに対価のお金を渡そうとすると遠慮してきたが、こういうのはきっちりとしないとだめだと思う。なのでちゃんと受け取ってもらった。それに最近魔物を倒しまくっているので、お金には余裕があった。
シシリーの集めてくれた情報では苦戦しそうな相手は居たが、油断しなければ全員に勝てると思った。対戦相手を想像したイメージトレーニングも完璧にしていた。対戦前に準備を全て終わらせておく、パパに昔言われた事だ。確かに準備をして、完璧な状態で挑もうとすると心に余裕が出来た。
「お姉ちゃんには負けないから」
「私も強くなったからそう簡単にはやられない」
前日の夜にステラに言われた。私も勝つ気でいた。負ける事など考えていなかった。去年は邪魔が入って決勝で対決が出来なかったので、公式の場での戦いは今回が初めてだ。しかも私とステラは決勝で対決する。最高の舞台での一年の成果を見せ合える事になる。
「私が勝つけどそれはそれで楽しみだね」
「楽しみだけど、勝つのはステラだよ」
ステラと話しているとティナが通りかかった。
「ティナは今回は本気出すの?」
「う~ん、争うのは好きじゃないからな…今年も全力で応援かな。ただ…」
「ただ?」
「マイケルはボコボコにしてあげるよ」
ティナはこう見えて負けず嫌いだ。今回の大会でも早い内に二人は対戦する。マイケルには負けたくないんだろう。不敵な笑みを浮かべて勝利宣言をした。
「マイケル可哀そう」
「手加減してあげなね」
正直私も二人の戦いには興味があった。でもティナが勝つだろう。ティナはこの一年で魔力操作がかなり上達した。本人は慣れたからだと言っていたが、相当な努力をしていたんだと思う。マイケルが強くなったとは言え、ティナには勝てないだろう。
今年の武闘大会も楽しみになって来た。興奮しすぎないように自分を落ち着かせる。でも、興奮して全然眠れなかった。
(早く明日にならないかな)




