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46. 依存

 パパが消えた。私達に見えない速度で移動したのかと、最初は思った。でも、パパの友達のダニーさんの一言でそれは違うと分かった。


「…連れていかれたか…」


 その言葉を聞いて、私は混乱した。


「…ど、何処に?誰にですか?」

「まあ、落ち着いて。僕の予想が正しければ、ルークなら多分大丈夫だ」

「本当ですか?」

「まあ、自慢じゃないけど僕にも経験があるからね。ただ、戻ってくるまで時間が掛かるかもしれない」


 今まで近くで私達を守ってくれていたパパが、居なくなった。急に不安と心配が込み上げてきた。まずはパパを探しに行こう。そう思った時に、今まで黙っていたティナが口を開いた。


「まあ、親離れする良い機会じゃないか」

「「…?」」


 私とステラは首を傾げた。親離れ。今まで周りに散々言われてきていた事だった。皆少しこちらをバカにしたような言い方で言って来た。言われる度にパパが否定されるような気持ちになり、嫌だった。それをティナが言った事に衝撃が走った。少しムッとした。そして反論しようとしたところでダニーさんが話しかけてきた。


「今日は色々あった。まずは休んだ方が良い。冷静になったらまた話し合えば良い」

「「…分かりました」」


 私が言われた通りに休みに行こうとしたところで、ステラが珍しく大声を上げた。


「ダニーさん!」

「おお、どうしたんだい?」

「私に魔法を教えて下さい!」


 ステラは勢い良く頭を下げた。そもそもダニーさんが魔法を使える事さえ知らなかった。どのくらい使えるのか分からないので、口を挟まずに大人しく行く末を見守った。


「私は強くなりたいんです!魔法をもっと上手く使えるようにならなきゃダメなんです。お願いします」

「まあ、頭を上げてくれ。ルーク程実戦向きじゃないけど、良いのかい?」

「私は何も知らない。知識が欲しいんです」

「分かった。ルークが帰ってくるまでなら、君の面倒を見てあげるよ」

「ありがとうございます!」


 ステラは嬉しそうだった。私はその顔が羨ましくなった。私も強くなりたい。でもその為に何をすればいいのか分からない。それを見つけたステラに少し嫉妬した。

 ステラがダニーさんに弟子入りした後、私達は大浴場に行って汗を流していた。


「ティナ、親離れってどういう事?」

「…簡単に言うと親に頼らず、生きていく事だな」


 親に頼らずに生きていく。確かに私はパパに頼り過ぎだったのかもしれない。パパなら全てを解決するだけの力を持っている。それが無くなった今、私にその代わりは出来るだろうか。


(今のままじゃだめだ)

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