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40. 感知

「親離れする良い機会かもね」


 ティナに言われた。普通の子はこんなに親と仲良くないそうだ。仲良いのは良い事なので私とステラにはよく分からなかった。

 結局その日もパパとは話せなかった。




 翌日。武闘大会の二日目、私は学園内の気になる所に来ていた。その日、物凄い魔力量を感じたからだ。もしかしたら魔族かもしれないと思い、その魔力を追っていた。


(こんな所に通路なんてあったっけ?)


 そこには壁に大きな穴が開いていた。その穴に入っていくと前から声を掛けられた。


「付けてくるネズミはお前か」


 瞬時に戦闘態勢を取った。相手は杞憂していた通り、魔族だったからだ。私は先手必勝とばかりにその魔族に突っ込んでいく。私の剣を軽くあしらってその魔族は私の頭を掴んだ。そしてそのまま壁に押し付けた。脳が揺れて気持ち悪くなりながら、私は魔族の体内に雷の矢を生成しようとする。魔族が魔力の動きからその行動に気付いたのか、私を離して距離を取った。


(入り口に立たれた。逃げられない)


 魔族と私の位置は最初と入れ替わっていた。入り口側に魔族が立っているので、私は逃げられなくなった。


「雷撃の悪魔の娘か…雷撃の悪魔も居るのか?」

「…」


 話しながらも相手は隙が無かった。入学式を襲撃した魔族とは格が違った。


「まあいい」


 その言葉を最後に私達の戦いが始まった。魔族の剣は全てが重かった。私は後ろに下がりながら相手の剣を流してて防ぐ。追い詰められていく感覚になる。何とかしないとと思った時、その攻撃が来た。


(しまった!)


 今までで一番重い攻撃が飛んできた。私は威力を流しきれずにそのまま後ろに吹き飛ばされる。吹き飛ばされた先は広い空間だった。私は飛ばされながらも魔族をずっと見ていた。次の攻撃は何か、吹き飛ばされながら魔族を見ていたが追撃はくる気配がない。というより私の事を魔族は見ていなかった。

 魔族は何かを避けるようにその場をから移動した。移動した直後にその場に雷の矢が出現して消えた。私の攻撃ではない。それに私はあそこまで上手く魔法を操れない。


(パパだ、パパが居るんだ)


 私は周りを確認する余裕が無かったので気が付かなかったが、恐らくパパが居る。そう思うと魔族に対する恐怖は消えた。私はそのまま受け身を取れずに地面に叩きつけられた。左腕から鈍い音が聞こえた。折れたかもしれない。痛みが襲い掛かってくる。


「アリスちゃん!」


 ふと、顔を上げるとシシリーがこちらに走ってくるのが見えた。


(良かった。無事だったんだシシリー)

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